お客様の声
DX、デジタルガバメント…。変化する環境を見据え、 先手、先手のRPA自動化戦略で目指す未来。
代表社員 所長 伴芳夫様
部長 シニアコンサルタント 渡邊真史様
社会保険労務士法人、行政書士法人等からなるアドバンス・グループ。社員一人ひとりのそれぞれの専門分野での知見と、さらにその連携力を活かした総合力で、福岡県を中心に1,000社を超えるクライアント企業から高い信頼を得てきました。2020年12月、RPAを導入された同社の伴芳夫所長とシニアコンサルタントの渡邊氏に、現在の状況と自動化による今後の展望についてお話を伺いました。
厳しい時代だからこそ、
横の連携でウィンウィンの関係を
(伴氏)
社労士業務だけ行うという狭い視野・目線のみでは、もうお客さんのニーズに100%応えられない時代になってきています。我々の基本的な考え方は、HR(ヒューマンリソース)全般で仕事を捉えてやっていこう、というものです。社労士業務と捉えないで、人事、HRで捉えて、そこからの要望とか需要をどう取り込めるかだと考えています。社労士業務を軸にしつつも、周辺分野にしっかり対応できるようにしていきたいなと思っています。
我が社の社員は各分野のスペシャリストですが、当然ながら、すべてのスペシャリストではありません。いわば、分業です。そこで必要になってくるのが横連携をしっかりやって、自分の仕事だけでなく、その背景にあるクライアントが困っているところに対応していこうとする姿勢だと思うんです。そこをスタッフみんなで拾っていって、ウィンウィンで頑張ろうね、ということでワンチームとなってやっています。
コロナの影響が、今後も確実にでてくると思います。クライアントのなかでも業績が厳しい事業者があるだろうし、廃業するところがでてくるかもしれません。そうしたなかで、お手伝いできるところ、やれていないところをやっていきたい、というのが大きなテーマとしてあります。それが、ひいては、我々にとってもクライアントを減らさないことにつながっていくんだと思っています。
公文書作成のRPAによる効率化。
そして、コア業務への集中
(渡邊氏)
社労士の事務代行業務に電子申請があり、そのプロセスでダウンロード作業があります。それ自体はかなり単純な作業なんですけれども、我々の場合、委託事業所が多いこともあり作業量が膨大になってしまいます。そのあたりをRPAに任せて、すべて自動でダウンロードし、ファイルのリネームをし、保存することができないだろうか、と考えました。さまざまある一連の作業で自動化できるところを先に導入しようということで、今回のRPA化がスタートしました。
ダウンロードの作業自体はシンプルであるにもかかわらず、一人のスタッフがパソコンにへばりついて、チマチマと、ずーっと作業をしなければいけないんです。特段のスキルがなくても可能な業務ではあるのですが、それが自動化でなくなって“ほったらかし”にできれば、プラスアルファでコア業務のほうに入ったりということができます。これは、経営的な観点から言えば、RPA導入のとても大きなポイントのひとつだと思います。
エラーも想定に織り込んだ、
シナリオづくりの妙
(渡邊氏)
当時、RPA自体は我々も知っていました。社労士業界においては、RPAの導入は徐々にですが広がっていました。いろんな所からの情報は当然入っていましたし、知ってる会社さんから話を聞いたりもしていました。そういう状況のときに、もともと関係のあるIBSさんからご提案をいただいて、「これは行けそうですね」「よし、導入してみよう!」という感じで始まりました。
私自身はシステムやプログラムは専門ではない部分があるんですけど、導入に関してはIBSさんのアドバイスをいただいて一緒に進めていったという流れですね。システムを作りあげつつ、定期的に打ち合わせを継続しながらサポートしてもらいました。実際に今運用しているシナリオに至るまでに、トータルでいうと3ヶ月くらいで完成しました。
今となっては思い出話ですが、当初、個人的には完璧にできたと思っていたシナリオが、うまくいかないことがありました。たとえば、その時のPCの挙動のせいだったり、我々が使っているシステム自体がクラウド型で通信状況によっては微妙に時間がかかったり、起動に時間がかかったりということがあって、エラーにつながったりしていました。
その時、IBSさんのアドバイスで、エラーが出てしまったときの回避の方法もシナリオに組みこむことができる、ということを勉強しました。「エラーになったときは繰返す」というシナリオを組んだり、不確定要素がある部分を回避しつつ進めるみたいなシナリオを組むというような作り方です。
自分の知識だけで作っていくと、そういった所までは考えられないと思うんです。システム的な知識がないと、やはり無理かなと思います。そういうところでも的確なアドバイスをいただいて、とても助かりましたね。
ユーザーフレンドリーな環境のもと、
自社での運用が可能に
(渡邊氏)
先ほどの公文書のダウンロードでも同じようなことがありました。相手のシステムの画像を認識してからクリックするというようなコマンドがあるんですけど、それがシステム側の都合でデザインが勝手に変わっていたりするんです。画像を認識できなくてエラーが発生したり、画像認識のときの時間差でエラーが発生したりなど、こちらが想定しないことでエラーが起きたりしていました。この時もIBSさんには大変お世話になりました。
今ではもう、運用そのものは社内でできています。自社での運用が本格的に始まって以降で、当初組んでいたものと微妙に変わった部分については、我々でシナリオを修正、調整してシステムを動かしているという流れになっています。
また、WinActor自体が日本語で対応しているので、「これはこういう動作をするんだな」というのはある程度わかります。プログラムやシステムの知識がなくても直感的に触れると思います。もちろん、そういった知識があるほうがスムーズにいけるとは思うんですけれど……。他のRPAのソフトも見てみたんですが、英語表記であったり、ユーザーインターフェースがわかりにくかったりというものが多かった気がします。
WinActorに関してはシェアも高くて、サイトでの情報量が多いので、“自分で解決”っていうのがある程度できる部分があります。ユーザーサポートの専用ページもあって、そこで質問を投げたり、過去の質問を検索したりすることでクリアになることも多かったです。
ミスゼロ、ストレスフリー…
RPAで心理的な負担も解消
(伴氏)
時間的には公文書のダウンロードというのは一日何時間もしている作業ではないんですけれども、一日30分なり1時間なりが自動化できるだけでも、それこそ月間でいえば十数時間以上が削減できます。その部分が、たとえば相談業務といった付加価値の高い業務で使えることになります。
ダウンロード作業は、単純とはいえ、それなりに緊張感を伴う業務です。その業務をやる必要がなくなって解放されるということは、本人の時間的な部分はもちろんですが、心理的な負担が少なくなるという点もメリットです。基本的には、先ほどの話にあったようにシステムが止まらない限りは、人為的なミスというのは介在しないですからね。
それまでは、ダウンロードしたもののネーミングにおいて、ルールをきちんと統一できていなかったことでミスが起きていました。RPAなら命名規則をいれておけば、それに沿ってバチッとミスなく統一してくれます。まあ、そもそもRPAの導入でネーミングの研修をする必要自体もなくなったわけですが(笑)。
給与計算、ペーパーレス化…
RPAは大きな「はじめの一歩」
(伴氏)
RPAの活躍の場は沢山ありそうだと感じています。給与計算業務もそのひとつですね。実は、これに関しては別の組織体で、そう遠くない将来に始めようと具体的に考えています。
今は公文書に関してはダウンロードにとどまっています。でも、クライアントの協力は必要になりますが、定型のフォームに文字の入力をしていただき、そこから入力データをひっぱってくるというシナリオを組めば、システムへの入力そのものも自動化できるようになります。そういったところをもう少し大きなプロジェクトで進めていこうと動いています。
弊社では令和3年8月よりオフィスのフリーアドレス化を実施しています。フリーアドレス化に伴って、紙の削減というのが大きな課題となっていて、現状から3割~4割減らそうという取り組みを1年間かけてやってきました。そこでもRPAの役割をしっかりと活かせたのではないかと思います。
実務業務 × IBSのノウハウ。
協働して業界全体の進展も
(伴氏)
IBSさんとは、非常にフランクにお付き合いいただいて、緊張することもなく、親切丁寧&和気あいあいとできました。また、社労士業務をよく理解されていて、そこもとても大きかったですね。IBSさんはいろんな武器を多数お持ちだと思うので、今後ももっともっとご提案いただけるかなと期待しています。
我々もいろんな業務をやっていて、そこにはかなり専門的な事柄があったり、分かりづらい部分もあります。IBSさんとコミュニケーションをより深くすることで、そのあたりをさらに知ってもらって、それに対して「こういう事柄に、こういう風に使えるんじゃないのか」とか、より効率化できるシステムやスキームをいろいろご提案いただきたいと思っています。
そういったところを一緒にできればと思っていますが、さらに進んで、我々と一緒に作っていったものを第三者に提供していくことも考えられるのではないでしょうか。協働で得たノウハウを、広げていければいいのではないか。まあ、100%というのはあれですけど(笑)。同じ様に経営の将来を考えている社労士事務所が沢山ありますから、我々だけが独占するという話じゃなくて、業界全体が自動化・効率化といった方向へ進んで行ければいいと思うんです。その先頭を切っていければいいな、と考えています。
激変する環境、激化する競争…。
頑張ろうデジタル化!負けるな福岡!
(伴氏)
今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)やデジタルガバメントを含め、我々の業界を取り巻く環境が大きく変わっていくことがわかっています。近い将来、マイナンバーの積極導入が増え、普及率も上がり、我々社労士の手続き自体も変わっていきます。なので、それに対応していかなくちゃいけない。RPAのみならずデジタル化に追いついていかなくてはいけない。その波にしっかり乗らなきゃいけない。ちょうど今、その入り口くらいにいる感じですかね。
IT、ICTに積極的に取り組んでいるという姿勢は、クライアントに対しては、ミスがないとか、業務改善に努力しているとか、システムに強いといった印象を与えるでしょう。社労士事務所も、ITに強い事務所が選ばれる時代になっていくと思います。RPAやいろんなものを導入しながら最先端の取り組みをしています、という事実は大きな意味での信頼にもつながっていくのではないでしょうか。
法律知識だけ持っていれば、事業が成り立つ時代ではなくなります。もうすこし幅広い情報収集能力とか、ベンダーさんとの提携などIBSさんとのお付き合いのような共有関係がないと業務がまわらなくなってきます。目線を今まで以上に広げないと事業の継続は難しくなってくると思います。
極端な話をすれば、もっと大きくて先進的な東京の社労士事務所に食われてしまう、ということなんです。福岡の企業が東京の社労士事務所に業務をお願いしてしまう。デジタル化で空間的な制約がどんどんなくなっていきますので、これはリアリティのある話なんです。そこを見据えた営業とか経営展開を考えないといけないのではないか、と強く思っています。
指をくわえて見ているのが一番まずい。なので、あえて新しいものを積極的に導入するという姿勢が必要だと思います。早い分ロスもあるのは確かです。でも、遅れて失うもののほうがはるかに大きいのも、また事実ですから。