ワクリノ特集
コミュニケーションを活性化するオフィスレイアウトのコツ
近年、リモートワークやハイブリッドワークの導入が進む中、オフィスにおける直接的なコミュニケーションの機会が減り、その重要性が見直されてきています。
全員出社が前提ではない中で、いかに社内のコミュニケーションを活性化していくのかが、今後企業が解決していかなければならない課題と言えるでしょう。
その課題解決に直結するのがオフィスレイアウトです。
この記事では、オフィスのレイアウトを工夫して、社内のコミュニケーションを活性化していくポイントや事例を、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つWAKURINO(ワクリノ)が詳しく解説します。
目次
時代によってオフィスコミュニケーションのニーズも変化している
従来は、従業員が全員出社して対面で仕事を進めることが一般的でした。
しかし、今はテレワークだけでなく、リモート・出勤をフレキシブルに混ぜ合わせたハイブリッドワークが普及し、それに伴いオフィスコミュニケーションのニーズも変化してきています。
全従業員が対面ではないことがスタンダードになった昨今のオフィスで、リモートワークによる孤立感やコミュニケーション不足を補い、オフィスコミュニケーションをどのように活性化するかが、企業にとっての課題の一つとなっています。
従来のオフィスレイアウトにおけるコミュニケーションの課題
従来のオフィスレイアウトにおける具体的なコミュニケーションの課題は次の通りです。
従業員間の接点が限定的
従来のオフィスレイアウトには、従業員がグループごとに固まって座る島型レイアウトが多く採用されてきました。
島型レイアウトは、同じ部署内でのコミュニケーションは取りやすいものの、離れた部署との接触が限定的になってしまうという欠点があります。
また、固定デスクで同じ場所に長時間座ることで、特定の同僚とのコミュニケーションばかりになるなど、同じ島の中でも偏りが生じやすくなってしまうのです。
これでは、従業員同士の接点が限られ、横断的な連携が行いづらくなってしまいます。
部署間連携が行いづらい
島型レイアウトでは、特に離れた他部署との連携が物理的に難しくなります。
そのため、異なる専門性を持つ部署間での会議や打ち合わせを開催したり、情報共有をしたり、プロジェクトを進行する際に物理的な距離が障害となり、滞ってしまうこともあるのです。
全員が出社前提ではない
テレワークやハイブリッドワークが普及し、全員がオフィスに出社することが一般的ではなくなっています。
従来のオフィスは全員出社を想定して設計されているため、テレワークを導入する企業ではスペースが無駄に感じられ、また、出社従業員とリモート従業員の間でコミュニケーションが不足しがちです。
そのため、オンライン会議システムの導入や、リモート参加がしやすいミーティングスペースの確保など、オフィスレイアウトにはこういった出社前提ではない働き方に対応する柔軟性が必要不可欠です。
全員が出社しなくても、リアルタイムなコミュニケーションを維持できる設計が、今後のオフィスレイアウトに求められているのです。
新たな働き方のニーズに対応できていない
従来のオフィスレイアウトは、固定された場所での仕事を前提としており、フリーアドレスやリモートワークが進む現状には対応しきれていません。
そのため、従来のオフィスレイアウトの枠を超え、より柔軟で効率的なオフィス配置への変更が必要になってきます。
コミュニケーションを活性化するオフィスレイアウトのポイント
働き方や価値観の変化は止められません。
また、それを下支えする技術も日々進歩しています。
そんな中で、業務効率の向上やチームワークの強化をしていくためには、オフィスレイアウトを日々改善し続けていくことが重要です。
具体的にどのようなオフィスレイアウトにすれば、コミュニケーションを活性化できるのか、そのポイントを見ていきましょう。
オフィスレイアウトを工夫
従業員間の対面での接点が限られる中でコミュニケーションを活性化していくためには、働き方や価値観のニーズに合わせて、オフィスレイアウトを抜本的に工夫していかなければなりません。
従来の島型レイアウトでは、島ごとの物理的距離が障害となりやすいため、よりフレキシブルで自然な交流が生まれやすい、次のようなレイアウトが取り入れられないかを検討してみましょう。
ジグザグ式のオフィスレイアウト
ジグザグ式は、デスクを直線でなくジグザグに配置し、従業員同士が顔を合わせやすくするレイアウトです。
この配置は従業員間の視線の交差が増え、自然な会話のきっかけが生まれやすくなるというメリットがあります。
フリーアドレスデスク
フリーアドレスデスクは固定席を持たず、従業員が好きな場所で働けるレイアウトです。
従業員同士が気軽に移動できるため、日によって隣の人、周囲の人が異なります。
そうすることで、異なる部署の人との交流が生まれやすくなるというメリットがあります。
また、特定の席に縛られないため、コミュニケーションに偏りが生まれにくいというのも特徴です。
オープンなミーティングスペースの設置
オープンなミーティングスペースを設けることで、従業員が気軽に集まって話し合いを行うことができます。
このようなスペースを、役員席や島の真横などに設置すれば、役職や部署の壁を越えた意見交換がしやすくなります。
会議室を予約する必要もないため、気軽に利用できる点も魅力と言えるでしょう。
リラックススペースの設置
リラックススペースを設けると、仕事の合間に気軽にコミュニケーションを取りやすくなります。
カフェ風やラウンジ風のスペースがあれば、立ち話や簡単な打ち合わせもできる上、仕事以外のカジュアルなコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
共有機器などの側に家具を配置
コピー機やプリンターなど、複数部署が共用する機器の近くに立ち話ができるテーブルやカウンターを配置すると、それもコミュニケーションのきっかけになります。
共用スペースは自然に従業員同士が接触する場(マグネットスペース)となりやすい場所なので、業務の合間に会話が生まれやすくなるのです。
特に、他部署のメンバーと顔を合わせる機会が少ない場合、こうした共用エリアを作ることで部署間の交流を促すことが期待できます。
オフィスグリーンの設置
オフィスグリーンは、パーティションやスペースの区切りにも活用できます。
視界に入るような背の高いグリーンをパーティションの変わりに取り入れることで、オープンな空間でありながら、適度なプライバシーも確保した明るい空間を作ることができるのです。
また、視界に植物があることで、従業員のリラックス効果も期待でき、自然なコミュニケーションの促進にもつながります。
アクティビティエリアの設置
近年、オフィスにジムやボルダリング、卓球台などのアクティビティエリアを設ける企業が増えています。
こうしたエリアがあることで、従業員が気分転換を図れると共に、部署を超えた交流を生むきっかけにもつながります。
ジムでの運動を通して同僚と親しくなる機会が増えたり、ボルダリングなどのアクティビティがきっかけで他部署の従業員との交流が生まれたり、他部署間の交流が生まれやすくなるのです。
集中作業・個別スペースを設置
オープンスペースやミーティングエリアの充実は重要ですが、同時に集中できる作業スペースも必要不可欠になってきます。
なぜなら、オフィス内でのコミュニケーションが活発になると、それに伴い作業に集中しにくいと感じる人も増えることが予想されるためです。
個別スペースや防音ブースを設置することで、集中したい時には静かな環境に移動して作業をするなどの選択肢が生まれます。
そのため、「うるさいなぁ、作業に集中できないじゃないか」という不満も生まれにくくなるのです。
セキュリティ対策の強化
オープンなレイアウトはコミュニケーション促進に役立ちますが、セキュリティ確保が難しくなってしまいます。
そのため、オープンなレイアウトにするのであれば、同時にセキュリティの強化も必要です。
たとえば、顧客情報の管理など情報管理が厳しいエリアには、アクセス制限をかけたり、セキュリティルームを設けたり、視線を遮るハイパーティションを設置するなどで、セキュリティ強化を行いましょう。
また、固定のデスクがない場合には、手荷物や貴重品などがしまえるような鍵付きロッカーなどを作ることも重要です。
コミュニケーションを活性化するオフィスレイアウト事例
実際に、従業員間のコミュニケーションを重視したオフィスレイアウトを導入している企業の事例をいくつかご紹介します。
事例1:AWSを導入、コミュニケーションが生まれやすいオフィス
株式会社イデックスオート・ジャパン様のオフィスでは、「シンカ」というコンセプトを基に、従業員の働きやすさとコミュニケーションの促進を重視したオフィスレイアウトを導入しています。
新しいオフィスデザインやレイアウトには、従業員の声を反映。
従来のオフィスでの、狭さや休憩スペース不足といった課題を解決する工夫が施されています。
また、この新オフィスには、自由に働けるABW(Activity Based Working)環境が取り入れられ、従業員は業務内容に応じてリラックススペースや集中ブース、カフェソファ席、カウンター席など、複数の働く場所を選択できます。
こうした多様なスペースを設けることで、リフレッシュしながら効率的に働ける環境を整えています。
さらに、オフィス中央には広いメイン動線があり、従業員が自然に交差することで、異なる部署の従業員同士が偶発的に会話できる設計に。
この設計は、日常業務ではあまり関わらない従業員同士の交流を促進し、組織全体の連携を強化するという狙いがあり、実際に、「別部署間でのコミュニケーションが増え、従業員同士の結びつきが強まった」という声も寄せられています。
また、カジュアルなミーティングエリアや打ち合わせスペースも設置され、簡単な相談や打ち合わせができる環境も整備されており、フレキシブルな働き方が可能になっています。
事例2:多様なスペースが設けられた大規模オフィス
引用元:大きなワークベースを中心として周囲に多様なABWゾーニング_導入事例
株式会社シティアスコム様のオフィスでは、大きなワークベースを中心に、各フロアにはフリーアドレスの執務室や、ミーティングスペース、会議室、休憩室が配置されています。
従業員は、その時々の業務内容に応じて最適な環境を選びながら仕事を進めることができ、効率的な作業とコミュニケーションの両方が促進できる設計になっています。
具体的には、フリーアドレスのエリアでは、従業員が自由に座席を選んで作業でき、ソファラウンジや飲食店風のスペースでは、リラックスした雰囲気の中で対話が可能です。
また、ヨガルームや大会議室など、さまざまな規模や形式の会議室が用意されており、用途に応じて柔軟に使い分けることができます。
このような多様なスペースを設けていることにより、従業員同士が自然に交流する場が増え、組織全体のコミュニケーションと業務効率が向上しています。
事例3:居心地がよく、コミュニケーションが生まれやすいオフィス
引用元:好きなときに、好きなひとと、自分らしく、居心地よく過ごせる空間
株式会社ゼンリン様は、「Flexibility & Communication」をテーマに、従業員が自由に集まり、居心地よく過ごせる空間となるオフィスデザインを採用。
ミーティングやランチ、リラックスなど、用途に応じてレイアウトを自由に変えられる正方形や長方形のテーブルが設置され、コミュニケーションを促しています。
また、開放的なファミレスタイプのソファ席や、健康促進を考慮した立ち作業が可能なカウンター席も設置。
従業員が自分らしく働ける環境が整備されています。
また、ガーデンテラスでは、従業員が自然光を浴びながら緑の中で過ごすことができ、リフレッシュ効果を高めるとともに、精神的な健康の向上も図られています。
このような多様な空間デザインにより、自然な従業員間交流と仕事の両方が活性化するような働きやすい環境が実現され、従業員の生産性とコミュニケーションが向上しています。
コミュニケーションの活性化は業務効率の向上や成果に直結する!
オフィス内のコミュニケーションを活性化させる上で、オフィスレイアウトの見直しは有効です。
コミュニケーションが自然に生まれる空間を作ることで、従業員間の連携が生まれやすく、今までになかったアイデアが生まれたり、業務効率の向上につながったり、結果として成果を最大限に引き出すことができます。
従業員間のコミュニケーション不足や、成果の伸び悩みなどに悩んでいる方は、ぜひ一度オフィスレイアウトの見直しを検討されてみてはいかがでしょうか。
そのような方はお気軽にWAKURINO(ワクリノ)までご相談ください。
各社のオフィスコミュニケーションの活性化を見据えたレイアウトをご提案いたします。
「ワクリノ」
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。