ワクリノ特集
オフィスのトイレの内装デザインのポイント!社員の生産性向上に有効活用
オフィスの内装工事を行うとき、トイレの内装に頭を悩ませることは少なくありません。
「オフィスのトイレの内装はどのような感じがベストなのか」
「何を基準に変更していけば良いのか」
こんな風に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、トイレの内装デザインの際に押さえるべきポイントについて、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つ、WAKURINO(ワクリノ)が分かりやすく解説していきます。
目次
オフィスのトイレは従業員のモチベーションに大きく影響する!
まず、トイレの内装デザインを行う際に知っておきたい大前提が、オフィスのトイレは、従業員のモチベーションに大きく影響するということです。
トイレメーカー大手であるTOTOがオフィスワーカー1,041名(男性520名、女性520名、その他1名)を対象に行った「オフィストイレの水まわりに関する調査」の結果を見ると、仕事のモチベーションに影響する場所として66%の方が「トイレ・化粧室」と回答しています。
他の場所を大きく離しての1位となっています。
また、同じくトイレメーカー大手であるLIXILが2022年にオフィスワーカー1,030名(男性515名、女性515名)に対して行った「オフィストイレの意識調査」によれば、「オフィス環境で重視することは?」という質問に対して、82%の方がトイレと回答しています。
この2つの調査結果からもわかるように、トイレはオフィスで働く従業員にとって、仕事のモチベーションに大きく影響する場所なのです。
それだけ、トイレがオフィスにおいて重要な場所であることを抑えておきましょう。
オフィス内装におけるトイレリフォーム事例
まずは他社がどのようなトイレリフォームを実施しているのかを見て、トイレ内装デザインのイメージを膨らませてみましょう。
事例1
男子トイレ、女子トイレ共にLED照明を使い、白を基調として、シンプルでありながら、明るくて開放的なトイレ内装となっています。
明るい照明と白色により、清潔感を演出している事例です。
また、違う階のトイレでは、少し黄色味のある電球色の照明や、木目調のドアなどを使用し、全体的にリラックスできるトイレ内装となっています。
トイレは従業員にとって気分転換の場所という意味合いも強いので、こういったトイレ内装にするのも良いですね。
オフィス内装においてトイレをデザインするポイントは、清潔感と快適性
トイレの内装デザインを考える際に、特に考慮すべきは清潔感と快適性です。
なぜなら、トイレは用を足す場所というだけではなく、従業員が気分転換をする場所でもあるからです。
トイレが汚かったり、臭かったり、居心地が悪かったりすると、従業員がうまく気分転換できなくなってしまいます。
このように、トイレには用を足すという機能以外にも、従業員を気分転換させる役割もあることを十分考慮してデザインすべきです。
具体的には、清潔感や快適性を含め2つの項目を中心に、次のようなさまざまなポイントに配慮してデザインをしていきましょう。
男女トイレはできる限り分ける
オフィスにおいて、男女のトイレは別々に設けるようにしましょう。
特に、女性は男女兼用トイレに抵抗を示す人が少なくありません。
なぜなら、特に女性にとってトイレは用を足すだけの場所ではないからです。
女性はライフステージの変化や時期などにより身体の状況が変化します。女性にとってトイレはそういったさまざまな時期に起きる症状のケアを行う場所でもあるのです。
そのため、男性と別の方が女性としては安心、快適に使いやすくなります。実際に、働く会社を選ぶ条件の中に「トイレが男女別」を入れている女性もいるほどです。
また、男女では用を足す時間も変わってきます。トイレを同じにすると、単純にトイレが混み合うという問題も起きやすくなってしまいます。
特に従業員が多かったり、休み時間が短い会社の場合には、トイレを男女別にする方が、男女ともに待ち時間が少なく快適に利用してもらえます。
このような理由から、トイレはできる限り男女別に分けて作るようにしましょう。
賃貸物件で構造上男女兼用になってしまう場合は?
男女別のトイレが良いとは分かっていても、賃貸物件の中には、建物の構造上、男女別のトイレを設けることが難しい場合があります。
そのような場合には、男女双方に呼びかける形で、次のようなトイレの利用方法やルールを周知徹底したり、清掃の頻度を増やすなどで対応しましょう。
- 男性は必ず座って用を足すこと
- 利用後には消臭スプレーをふりかけること
- 利用後には必ず便器の蓋を閉めること
必要なトイレの数量を調査する
実は、労働安全衛生規則により、従業員数ごとに設置すべきトイレの数が以下のように規定されています。
- 男性用トイレ(大)の数:同時に就業する男性従業員60人以内ごとに1個以上
- 男性用トイレ(小)の数:同時に就業する男性従業員30人以内ごとに1個以上
- 女性用トイレの数:同時に就業する女性従業員20人以内ごとに1個以上
従業員数に応じて、決められたトイレの数を設置するようにしましょう。また、法令だけで決めるのではなく、トイレの使用頻度を考慮することも重要です。
トイレの使用頻度は、従業員の勤務形態や業務内容によっても異なります。
たとえば、飲料の消費が多い職場や、体を動かす作業が多い職場では、トイレの使用頻度が高くなるため、法令で定められているよりも多くのトイレが必要になることがあります。
一般的にトイレの使用が混み合うのは、勤務開始前、昼休み、勤務終了前あたりです。
これらのピーク時に混雑しないように、従業員のトイレの利用パターンを分析し、必要なトイレ数を確保することが重要です。
また、どうしてもトイレの数を増やすことが難しい場合には、勤務時間や昼休みの時間帯をずらすなどの工夫をしましょう。
適切なトイレの量を確保しなければ、従業員のモチベーションが下がる原因にもなってしまいかねません。
電源や排水管の有無、位置を確認する
法令や使用頻度を考慮するだけではなく、そもそもトイレを設置するのに必要なだけの電源や排水管があるか、またその位置などの確認も重要です。
トイレには照明や換気扇、温水洗浄便座など、電源を必要とする設備が多くあります。
また、電源や排水管のない場所にトイレを設置するとなった場合には、別途電気や配管工事を行う必要がでてきます。
その分コストがかかるため、できる限り電源や排水管の位置に合わせて、トイレを設置できないかを検討しましょう。
清潔感のある空間演出
掃除の徹底や臭い予防など、トイレの清潔を保つ取り組みはもちろん重要ですが、清潔感のある空間を作ることも重要です。
清潔感のある空間演出に重要なのが、照明、色彩、アメニティや設備、デザインレイアウトの4点です。
まず、照明は明るい方が空間を清潔に見せる効果が見込めます。
LED照明などを使用し、トイレ全体が明るくなるようにすることがポイントです。
また、自然光を取り入れられる窓がある場合は、ブラインドやカーテンを使って最大限に活用できないかを検討しましょう。
トイレの色彩も、清潔感を演出するために大きな役割を果たします。
一般的に、白や淡い色のベージュ、薄いブルーなどは清潔感を強調する色です。
壁や床、天井には明るく淡い色を基調とした配色を選びましょう。
また、汚れが目立ちにくい色を選ぶこともおすすめですし、アクセントとして、一部に清涼感のあるカラーを使用するのもおすすめです。
トイレの設備やアメニティの充実も、清潔感の演出には欠かせません。トイレ内には、ハンドソープやペーパータオル、ハンドドライヤーなどを完備したり、常に補充されている状態を保つように心がけましょう。また、香りの良い消臭剤やアロマディフューザー、脱臭装置を設置するなど、トイレ内の空気を爽やかに保つ配慮も有効です。
最後に、トイレのレイアウトも、清潔感を左右する重要な要素です。
いくつもトイレが狭苦しくならんでいるよりは、余白のある広々としたトイレの方が、清潔感がでやすくなります。
法令で決まったトイレの量を遵守しつつ、可能であればレイアウトも工夫してみましょう。
このように、掃除などで清潔を保つだけではなく、従業員が清潔を感じやすい空間作りを心がけましょう。
臭いがしにくく、掃除しやすい素材を使う
トイレの清掃頻度をあげるなどで、臭いや汚れを残さない工夫も重要ですが、あらかじめトイレの壁や床に抗菌・防臭効果のある素材を使用するなど、臭い予防や掃除がしやすい素材を選ぶことも重要です。
抗菌タイルや抗菌ビニールシートは、細菌の繁殖を抑制し、臭いの発生を防ぐ効果があります。
これらの素材は耐久性が高く、長期間にわたって清潔な状態を保てるのが特徴です。
また、最近では抗菌効果のある塗料もあり、これを壁や天井に使用することで、臭いの元となる菌の繁殖を防ぐことができます。
シームレスなデザイン
シームレスな素材やデザインは、掃除がしやすくトイレの清潔さを保つのに一役買ってくれます。
継ぎ目や隙間が少なく、汚れや菌が溜まりにくくなるからです。
たとえば、一体成型のカウンタートップや床材は、継ぎ目がないため、汚れが入り込む隙間がありません。
日常的な清掃が楽になるだけではなく、汚れが溜まりにくく、常に清潔な状態を保つことができます。
十分に広いスペースを確保する
トイレの個室は、従業員が快適に使用できる広さを確保しましょう。
狭すぎる個室はトイレの利用者に不快感を与えてしまいます。
トイレの個室の広さは、最低限のプライバシーと快適性を確保するため、一般的に幅90cm以上、奥行き150cm以上が推奨されています。
車椅子利用にも対応するなら、バリアフリーを考慮し、車椅子がスムーズに入れる広さの個室を設けることを検討しましょう。
その場合、幅120cm以上、奥行き200cm以上が目安となります。
トイレの通路も十分な幅を確保することで、従業員がスムーズに移動できるようになります。
通路の幅は90cm以上が目安です。
最適なトイレのタイプを選ぶ
オフィスのトイレにはさまざまなタイプがあります。
それぞれの特徴を理解し、最適なものを選ぶことも、トイレをより快適な場所に改善するポイントです。
代表的なトイレのタイプと特徴を見ていきましょう。
タンクトイレ
タンクトイレは、便器の後ろにタンクが備え付けられているタイプの、最も一般的なトイレです。
タンクに水を貯めてから流すため、水圧が弱い場所でも安定して使用することができるのがメリットです。
また、修理やメンテナンスが簡単で、安価で、導入しやすいということもメリットの1つと言えます。
トイレにはコストをあまりかけられないという場合におすすめです。
ただし、タンクが場所を取ってしまうことや、デザインが古めかしくて、モダンなオフィスには不向きな点がデメリットと言えます。
タンクレストイレ
タンクレストイレは、その名の通り便器の後ろにタンクを持たないデザインで、モダンでスリムな外観が特徴です。
水道直結型であるため、水流が強力で、水の無駄が少なく、エコフレンドリーな点がメリットです。
一方で、水圧が低い場所では使用が難しいという点や、設置や修理、メンテナンス費用が高めな点がデメリットと言えます。
一体型トイレ
一体型トイレは、トイレ本体とウォシュレットが一体化したタイプのトイレです。
清掃が簡単で、見た目もスッキリしているのが特徴。
最新の機能を搭載しやすいことや、高級感のあるデザインが多いことから、オフィスの内装をおしゃれにしたい場合に向いています。
デメリットは、初期費用や部品の交換が高額になりがちなことや、故障時に一部の修理が難しい場合があることです。
キャビネット付きトイレ
キャビネット付きトイレは、収納スペースを備えたタイプのトイレです。
掃除用具や消耗品をすっきりと収納可能なので、トイレ周りを清潔に保ちやすく、整った印象を与えられることがメリットです。
しかし、スペースを取るため、狭いオフィスには不向きです。
また、定期的に収納部分のメンテナンスが必要な点や、設置費用が高めな点もデメリットと言えるでしょう。
手荷物置き場を作る
オフィスのトイレには、手荷物置き場を作りましょう。
トイレメーカー大手のLIXILが2020年にオフィスワーカー1,200名に対して行った「職場についての意識調査」によれば、「荷物を置きたいのに、置けなくて困った経験がある」という回答が全体の約37%もありました。
この調査結果では、手荷物置き場がないことにより、従業員が困る場面も多くあるということがよくわかります。単純に手荷物置き場がなく、手に持った状態で用を足すことを考えたら、いかに不便かが想像できると思います。
このように、PCやポーチ、バッグやスマホをおけるスペースを作ったり、上着をかけられるフックを設置したり、手荷物置き場の設置は積極的に検討しましょう。
トイレに関する従業員アンケートを実施し、希望を反映する
トイレは全従業員が共通して使う場所です。
そのため、トイレを実際に使う従業員の意見を反映することも、重要になってきます。
匿名で全従業員にアンケートを取り、本音を聞き出してみましょう。
そういった意見を丁寧に収集することで、机上の空論ではなく、実態に基づく有意義なトイレ内装の改善、改良ができます。
また、「自分の意見を丁寧に汲んでくれた」ということから、従業員満足度の向上や、働きがいなどの創出にもつながる可能性も期待できます。
もし、従業員が数名の小さなオフィスの場合は、筆跡で誰の意見かわかってしまうことがあるため、ネット経由でアンケートを取るように配慮しましょう。
そうすることで、従業員も本音でアンケートに答えやすくなります。
賃貸物件の場合は、まずは賃貸借契約の条件をチェックしよう!
「トイレの内装を変えたい」と思ったとしても、オフィスが賃貸物件の場合には、賃貸借契約の内容によっては、変更できない場合があります。
まずは、トイレの設置や内装の変更などが行えるかどうかを確認しましょう。
見る箇所は契約書の特約事項の部分契約書の特約事項の部分です。ここには、内装の変更に関する規定など、通常の賃貸契約とは異なる条件も記載されていることがあります。
契約書に書かれている文言だけでは判断できない場合、不動産管理会社や、大家さんに聞くなど、トイレ内装の変更の可否を問い合わせましょう。
オフィス内装におけるトイレリフォームにかかる費用相場
オフィスのトイレリフォームにかかる費用はスペースの広さやトイレの数、その他こだわりポイントの数によって異なります。
オフィスのトイレリフォームの坪単価は、一般的に20万円から40万円程度が相場です。
この範囲内であれば、標準的な設備の交換や内装のリニューアルが可能です。高級仕様やデザイン性を重視する場合は、坪単価がさらに高くなることもあります。
また、以下のようにトイレの数によっても費用は変わります。
- 1箇所のみのリフォーム: 100万円〜200万円(※基本的な設備の交換や内装のリニューアルが含まれます。)
- 2〜3箇所のリフォーム:200万円〜400万円(※一度に複数のトイレをリフォームする場合、単価は少し下がりますが、全体の費用は増加します。)
- 4箇所以上のリフォーム:400万円以上(※大規模なオフィスでは、全体の設備更新やデザインの統一を図るため、費用がさらにかかることがあります。)
多様化するジェンダーに対するオフィストイレの考え方
近年、ジェンダーレストイレが商業施設に設置されるなど、多様化するジェンダーに対する配慮も重要になってきています。
実際に、金沢大学が全国のトランスジェンダーに対して行った「オフィストイレのオールジェンダー利用に関する意識調査」によると、トランスジェンダーの意見として「多機能トイレがない・少ない」が34%と、オフィスのトイレに関する不満の中でトップとなっています。
この観点を考えると、オフィスのトイレとしては男女別だけではなく、多機能トイレも取り入れ、どのような性別でも使いやすくすることが求められているとわかります。
オフィスのトイレは特に重要な空間なので、しっかりと検討しよう!
オフィスのトイレは、従業員が毎日使う重要な空間であり、従業員がオフィス内で最も重要視している場所でもあります。
だからこそ、オフィス内装を行う際にはトイレについても十分に検討し、配慮して内装デザインを考えなければいけません。
もし、トイレの内装をどうすれば良いか迷ったら、WAKURINO(ワクリノ)までご相談ください。
WAKURINO(ワクリノ)では、自社に合った、従業員が快適で居心地の良いトイレ内装も含めたご提案が可能です。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
「ワクリノ」
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。