ワクリノ特集
オフィスグリーンを導入するメリットは?取り入れ方や植物の選び方も解説!
従業員のストレス軽減や生産性向上など、オフィスに良い効果をもたらす存在として近年注目されているのが、オフィスグリーン(オフィス緑化)です。
また、オフィスグリーンを導入することで地球環境への配慮や、人に対して優しいイメージを印象づける効果なども期待できます。
結果として業務や従業員への良い影響だけではなく、企業のイメージアップにもつながるため、多くの企業が導入しています。
この記事では、そんなオフィスグリーンを導入するメリットや方法などについて、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つWAKURINO(ワクリノ)が、分かりやすく解説していきます。
目次
オフィスグリーンとは?
オフィスグリーン(オフィス緑化)とは、バイオフィリックデザインの一種で、オフィス空間にさまざまな形で植物を取り入れることを指します。
バイオフィリックデザインとは
バイオフィリックデザインとは、人間と自然のつながりを重視し、自然環境を取り入れることで、心理的なリラックス効果や生産性向上を図る建築デザイン手法。
植物には従業員のストレスを軽減するリラックス効果や、光合成によるオフィスの空気環境の改善が期待できます。
実際に、植物が人の心身に安らぎや癒しを与えることや、空気中の有害物質を除去する効果があることが、京都府立大学の下村教授が発表した論文「都市における緑の効用ー身近な緑がもたらす心身の健康と人間らしい生活」や、NASAが発表した論文「A studiy of interior landscape plants for indoor air pollution abatement」など、多くの研究で明らかになっているのです。
こういった植物の力を活用し、従業員の満足度や生産性の向上、オフィス全体の雰囲気をよりよくしていくために多くの企業がオフィスグリーンを導入しています。
観葉植物を置く、という簡易的なものから、壁面に植物を敷き詰めるグリーンウォールのように改修工事が必要なものまで、オフィスグリーンにはさまざまな手法が存在します。
オフィスグリーンの導入事例
オフィスグリーンは多くの企業の注目を集めており、実際に導入している企業も多くあります。
各企業がどのようにオフィスグリーンを取り入れ、結果的にどのような効果を得られたのかなど、具体的な導入事例をいくつか見ていきましょう。
事例1:パーティションにオフィスグリーンを活用
株式会社イデックスオート・ジャパン様のオフィスでは、パーティションなどにオフィスグリーンを取り入れています。
また、オフィス内にあるコミュニティスペースなどにも観葉植物を配置し、リラックスできる空間になるよう工夫されています。
オフィス全体の色味やデザインの一部としてうまくオフィスグリーンを導入されている好例と言えるでしょう。
事例2:殺風景になりやすいエントランスに落ち着きをプラス
株式会社西部技研様では、殺風景になりがちなエントランスをはじめ、オフィスグリーンを取り入れています。
「四季を感じさせる空間づくり」というデザインコンセプトに合わせて、エントランスには多くの植物が設置されています。
引用元:“ SQUARE ” ~心地よい時間、つながりを生む場所~
また、ただ植物を配置するだけではなく、それらとうまく調和するような工夫が随所に見られます。
たとえば、壁や床に四季折々の色使いを取り入れたり、自然と調和する家具を選定したり、自然光と植物の配置を工夫したり、などです。
オフィスグリーンはただ植物を置けば良いという訳ではありません。
このオフィスのように、自然な形で植物が溶け込めるようにデザイン全体を工夫し、調整していくことも重要なのです。
事例3:テーブルの中央に置き、視界を自然に遮断
有限会社アドファクトリーハーツ様は、40坪の限られたスペースを最大限に活用し、クリエイティビティ溢れる快適なワークスペースを実現しています。
特に注目すべきは、小上がりのワークスペースに設置された三角形の造作テーブルです。
このテーブルの中央には植物が設置されており、視界を自然に遮断する役割を果たしながらも、視界に優しいリラックス効果を生み出しています。
植物には視覚的な癒しの効果があると言われているため、どうしても視界に入ってしまう箇所に植物を置くことは効果的と言えるでしょう。
事例4:壁面にオフィスグリーンを設置
川重産業株式会社様では、壁面にオフィスグリーンを取り入れています。
引用元:壁面グリーン_導入事例
このように、オフィス内のデザインアクセントの一つとして取り入れるのも効果的です。
オフィスグリーンを設置するデザインメリット
オフィスグリーンは、単なるオフィスの装飾だけではなく、さまざまな面でオフィス環境を向上させる効果があります。
具体的には次の6つのメリットがあると言われています。
- 従業員のストレス緩和
- 視覚疲労の緩和
- 空気環境の向上
- 企業イメージの向上
- デザインアクセント
- カジュアルな空間演出
それぞれどういったメリットなのか、具体的に見ていきましょう。
従業員のストレス緩和
オフィスグリーンを導入するメリットとして大部分を占めるのが従業員のストレス緩和でしょう。
実際に、みずほ情報総研株式会社が行った「オフィス従業員アンケート調査結果」によれば、「職場内の花・観葉植物から得られる効用」について48.6%の回答者が「心が癒される」と回答しています。
他にも「いらつきが軽減される(25.7%)」や、「緊張や不安がほぐれる(20.0%)」といった回答があり、植物の存在が従業員に良い影響を与えていることが分かります。
このアンケート結果からも分かるように、オフィス内に花や観葉植物を取り入れることで、従業員のストレスを軽減し、リラックスできる職場環境にする効果が期待できるのです。
視覚疲労の緩和
植物には視覚的に癒しを与える効果があると言われており、オフィスグリーンには「従業員の視覚疲労の緩和」というメリットがあります。
実際に、研究論文「室内等の緑によるVDT作業がもたらす視覚疲労の回復効果に関する実験的研究」では、パソコン作業後に自然の緑を視覚的に取り入れることで、視覚疲労の回復が促進されることが明らかにされています。
具体的には、1時間30分のPC作業後に、緑を5分間見るという行為により視覚疲労が次のように低下することが示されているのです。
- 屋上の芝生地:視覚疲労の低下率は1.23%
- 遠景の樹林:視覚疲労の低下率は3.00%
- 鉢植の樹木:視覚疲労の低下率は3.03%
この論文でも示されている通り、オフィス内に植物を取り入れることで、従業員の視覚疲労の緩和が期待できます。
しかし、同論文では「模造品の緑では同様の効果が得られない」ということも示されています。
視覚疲労の緩和を目的にオフィスグリーンを導入する場合には、できる限り模造品ではなく実際の植物の導入を検討してみましょう。
空気環境の向上
観葉植物は、二酸化炭素を吸収して酸素を出す光合成を行っているため、置くだけでオフィスの空気をきれいにする効果が期待できます。
空気環境の向上もオフィスグリーンを導入するメリットの1つです。
実際に、前述した以下2つの論文でも、植物には空気中の有害物質を除去する効果があることが示されています。
- 「都市における緑の効用ー身近な緑がもたらす心身の健康と人間らしい生活」(京都府立大学 下村教授)
- 「A studiy of interior landscape plants for indoor air pollution abatement」(NASA)
また、環境省が発表した「オフィス緑化に関する優良事例調査報告書」においても、オフィスグリーンに対して次のような意見も上がっており、気持ち的にも植物があるだけで空気環境が良くなっていると感じる効果もあると考えられます。
「空気がキレイな感じがするだけで気持ちよく過ごせる気がします」
「空気も良くなるような気がする」
企業イメージの向上
オフィスにグリーンを取り入れることは、環境に配慮した企業であることをアピールできるというメリットもあります。
植物には「地球環境や人に優しいイメージ」があるため、植物を多く配置することで対外的にポジティブな企業イメージを与えることができます。
SDGsをはじめ、企業の「環境への配慮」が社会的信用にも影響を与える時代。
もちろん形だけではなく、環境への配慮を企業として実際に行っていくことが重要ですが、こうした対外的なアピールの一貫として、オフィスグリーンの導入は有効だと言えるでしょう。
デザインアクセント
オフィスグリーンは、オフィスのデザインアクセントとしても優れています。
オフィス内に取り入れるだけで、柔らかく親しみやすい印象の空間演出が可能です。
単に観葉植物を置く以外にも、パーティションの上に設置したり、パーティションの代わりとして植物を並べたり、壁に飾る絵画の代わりに壁面グリーンを施したり、邪魔に見える柱を植物で覆ったり、さまざまな取り入れ方があります。
オフィスが殺伐とした印象であったり、面白みに欠ける場合には、デザインアクセントとしてのオフィスグリーン導入を検討してみましょう。
カジュアルな空間演出
植物を取り入れることで、オフィスの堅苦しい雰囲気を和らげ、カジュアルでオープンな空
間演出が可能になります。
たとえば、格式高い黒と白を基調としたオフィスに観葉植物が1つあるだけで、堅苦しさが緩和され、話しやすい雰囲気を作ることができるため、従業員間のコミュニケーションの促進などに有効です。
具体的には、従業員間コミュニケーションが促進して欲しいリラックススペースや、簡易打ち合わせスペースなどに植物を置くなどが効果的です。
オフィスグリーンの取り入れ方はさまざま
単に観葉植物の鉢植えを置く方法から、より複雑でデザイン性の高い方法まで、オフィスに植物を設置する方法はさまざまです。
具体的にどのようなオフィスグリーンの取り入れ方があるのかをご紹介します。
鉢植えを置く
デスクの上やオフィスの隅に鉢を置くことで、簡単にオフィスグリーンを取り入れることができます。
これが最も簡単で手軽なオフィスグリーンの取り入れ方と言えるでしょう。
やろうと思えば明日にでもできてしまう簡易さと、レイアウト変更などオフィスの状況に応じて臨機応変に場所を変えることができる点が鉢植えの魅力と言えます。
天井から吊るす
ハンギングプランターなどを使って植物を天井から吊るす、という方法もあります。
床に置く必要がないため、スペース消費を最小限に抑えることができるのが、この方法の魅力と言えます。
また、視線が自然と上にいくことから立体感のある空間演出が可能な点も魅力の1つ。
特に天井が高いオフィスであれば、開放的な空間を維持しながら緑を増やすことができ、立体感もプラスされるため、空間を広く感じさせることができます。
植物の種類によっては、天井から垂れるように成長するものもあり、独特の雰囲気を作り出すことも可能です。
壁面に敷き詰める
リビングウォールや壁掛けプランターを使って、壁や柱をキャンバスに見立てて植物を配置するという方法もあります。
これは壁面緑化や壁面グリーンとも呼ばれますが、オフィス全体が自然に包まれたような雰囲気を作り出すことができることから、近年注目されています。
また、植物は見ていて飽きないため、絵画やアートを飾るような感覚で、デザインアクセントとしても有効です。
パーティションに付ける
パーティションの上部や側面に小さなプランターを設置するという方法もあります。
パーティションは無機質なデザインのものが多いので、温かみに欠けたり、仕切られているため閉塞感が出やすい、という欠点があります。
植物を配置することで、自然と視界に緑が入ったり、視界を違和感なく遮ってくれるため、パーティションの閉塞感や温かみの不足を補う効果が期待できます。
棚や家具などに埋め込む
植栽スペースが設けられた家具や、本棚の一部をプランターに変えることでも自然とオフィスグリーンを取り入れることが可能です。
収納の一部は使いますが、床面積を取らずに緑を取り入れることができるのがメリットです。
床に人工芝を敷く
絨毯やカーペットの代わりに人工芝を敷くなどの方法もあります。
人工芝を敷くことで、オフィスの雰囲気が一気に柔らかくなります。
オフィス全体ではなく、コミュニケーションの促進が求められるコミュニティスペースやリラックスルームなどに敷くのがおすすめです。
オフィスグリーン導入前に注意すべき点
導入メリットの多いオフィスグリーンですが、取り入れるにあたってはいくつか事前に注意しておくべき点があります。
必ず次の注意点を把握した上で導入を検討するようにしましょう。
物件の管理会社への確認
物件によっては管理規約などで植物の持ち込みが制限されている場合があります。
鉢植えを置く程度であればあまり問題になることはありませんが、壁面や柱に植物を敷き詰めたり、天井から植物を吊るしたり、建物自体の設備に植物を設置する場合は必ず物件の管理会社に確認しましょう。
メンテナンスの有無
オフィスグリーンの導入後は、日常的なメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスが行き届いていないと、植物が枯れてしまい、逆に見栄えが悪くなります。
オフィスグリーン導入にあたっては、メンテナンスがどれぐらい必要になるのかなどを事前に検討しておきましょう。
植物の選び方
元々オフィスは植物の生育環境としては適していません。
野外に比べて自然光が少なく、エアコンなどの空調設備の影響で乾燥しやすいですし、人がいる時といない時の寒暖差が大きくなってしまうためです。
そのため、次のような条件に当てはまる植物を選ぶのがおすすめです。
- 手間がかからない
- 乾燥に強い
- 耐熱性や耐寒性に優れる
手間がかからない
オフィスグリーン導入の際には、できる限り水やりや掃除、虫の駆除などの手間がかからない植物を選ぶのがおすすめです。
たとえば、サボテンや多肉植物は、乾燥に強く、水やりの頻度が少なくて済むため、手間がかかりません。
こうした植物は手軽に管理することができます。
また、フィカスやサンスベリア、ゼラニカ、パキラなどの観葉植物も、比較的メンテナンスが簡単です。
こうした植物は、室内の環境に適応しやすく、少ない手入れで長期間にわたり美しい状態を保つことができます。
乾燥に強い
オフィスはエアコンで乾燥しやすいため、乾燥に強い品種を選ぶことがおすすめです。
乾燥に強い植物として、サンスベリアやドラセナなどがあります。
こうした植物は、乾燥した環境でも元気に育つため、オフィスグリーンとして適していると言えます。
耐熱性や耐寒性に優れる
オフィスの温度はエアコンによって変化しやすいため、温度変化に強く耐熱性や耐寒性に優れた品種を選ぶことが重要です。
特に夏や冬は人がいる時といない時で温度差が大きくなりやすく、植物にとっては過酷な環境になりやすいと言えます。
その点、アロエやフィカスなどは温度の変化に強く、オフィス内の環境に適応しやすい植物です。
半年に1回の頻度で植物を変えるのは現実的には難しいと言えるので、このように耐熱性や耐寒性に優れた植物を選ぶのがおすすめです。
オフィスグリーンの導入費用
オフィスグリーンの導入には、初期費用と維持費用が必要です。
- 初期費用:植物やプランターの購入費、設置費用など
- 維持費用:水や肥料、メンテナンスにかかる人件費、専門業者に依頼する場合のメンテナンス費用など
一般的に、植物の設置面積1坪あたりの初期費用は数万円程度、月々のメンテナンス費用は数千円程度が相場と言われています。
たとえば、大型の観葉植物を複数設置する場合、初期費用が高くなり、ランニングコストとして定期的な水やりや剪定を考慮しなければなりません。
このように、長期的な費用も考慮する必要があります。
オフィスグリーンをうまく活用して快適なオフィスに!
この記事では、オフィスグリーンの導入ポイントや具体的な導入事例について解説しました。
オフィスに自然を取り入れることで、従業員の満足度や生産性の向上や空気環境の改善など、心理面や健康面でも良い影響を与えることができます。
また、オフィスグリーンの導入は企業イメージの向上やクライアントへの良い印象が狙えるなど、ブランディング効果もあります。
オフィスグリーンは、空気質の改善や持続可能なデザインとして環境配慮にも貢献します。
ぜひ、この記事で解説した情報を参考に、自社にとって効果的なオフィスグリーン導入方法を検討してみてはいかがでしょうか。
「WAKURINO(ワクリノ)」では、「オフィスの緑化サービス」を行っており、様々な企業のオフィスグリーン導入をサポートさせていただいています。
ご要望に応じた最適な提案が可能です。
「オフィスグリーンを導入したい」という方はぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。