ワクリノ特集
【事例紹介】小規模オフィスのデザインで意識すべきポイントとは?
小規模オフィスの場合、限られたスペースをいかに活用できるかという観点が、デザインする際に重要なポイントと言えるでしょう。
この記事では、小規模オフィスのデザインにおいて考えたいポイントや具体的な事例を、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つWAKURINO(ワクリノ)が分かりやすく解説していきます。
目次
小規模オフィスのデザイン事例まず、実際に小規模オフィスを効果的にデザインできている事例をいくつか見ていきましょう。
事例1:上部の空いたパーティションを活用
弁護士法人セラヴィ様の事務所は、高層階の眺望と採光を活かし、22坪の限られたスペースを最大限に活用した好例と言えるでしょう。
エントランスと業務スペースの境界には、上部が空いたパーティションを採用。
エントランスには大きなガラス間仕切りが設置され、自然光を取り入れることで明るく開放的な雰囲気を演出しています。
相談室では、間仕切りの上部をオープンにすることで、空調効率を高めながら閉塞感を軽減し、快適な環境の維持にも役立っています。
上部が空いたパーティションをうまく活用し、小規模オフィスでありながら開放感のある空間の実現と機能性を両立させていることが、ポイントと言えるでしょう。
事例2:天井をスケルトンにして高く見せる
有限会社アドファクトリーハーツ様は、天井をスケルトンにすることで空間を広く見せる工夫をされています。
マンションのフルリノベーションという限られた条件下で、天井を剥き出しにすることで高さを強調し、オフィス全体に開放感をもたらしています。
ワークスペースに入ると、温かみのある木目の造作家具と漆喰のような白を基調とした内装が広がります。
特に目を引くのは、小上がりのあるワークスペースに配置された三角形の造作テーブルです。
形状もさることながら真ん中にグリーンを配置することで、一見無機質な空間に動きと彩りを加え、空間全体のバランスを整えています。
他にも細部にわたってこだわり抜かれたオフィスであり、小規模オフィスでありながら機能的で美しい空間を実現している好例と言えるでしょう。
小規模オフィスのデザインで意識すべきポイント
小規模オフィスのデザインにおいては、限られたスペースを最大限に活用すること、そしていかにオフィスを広く見せられるかを意識するのがポイントです。
具体的には次のようなポイントを意識してオフィスデザインを検討してみましょう。
従業員1人ひとりの必要面積の確保
一般的に、従業員1人あたり3坪以上のスペースを確保することで、窮屈さを感じにくくなると言われています。
小規模オフィスの場合、大規模オフィスに比べて従業員が窮屈さを感じやすいという特徴があるので、従業員1人ひとりに必要な面積を確保することが重要です。
この面積には、デスクや椅子だけでなく、移動スペースや収納も含まれます。
必要面積を確保するためには、デザイン段階で従業員数や仕事内容に応じたスペース配分を行うことが必要です。
座席数は出勤者数や稼働者数を元に算出する
座席数の設定には、出勤者数や稼働者数に基づいた正確な算出が必要です。
単に机と椅子を並べるのではなく、実際に使う人数や作業の種類を考慮し、適切な座席配置を行いましょう。
たとえば、出勤者数が少ない日やフレックスタイム制を導入している場合には、座席の柔軟な配置が可能です。
ただし、テレワークを行う従業員のためのスペースは、定期出社時のためなどに確保しておくと良いでしょう。
逆に、全員が同時に出勤する場合には、充分な座席数を確保し、混雑を防ぐ設計が必要です。
限られたスペースを有効に配分する
限られたスペースを有効に配分するためには、図面などでレイアウトを綿密に計画することが重要です。
小規模オフィスの場合は、大規模オフィスと比べて無駄な空間を作る余裕がありません。
限られたスペースを余りなく活用することが重要です。
オフィス全体のレイアウトを考える際には、各エリアの使用目的や動線を考慮し、効率的な配置を行いましょう。
たとえば、壁に沿ってデスクを配置し、オフィスの中央に共有エリアを設けることで、コミュニケーションを促進することができます。
デスクエリアの配置は、業務の種類やチーム構成に応じて調整し、作業効率を最大化するような設計が望ましいと言えます。
収納スペースや休憩エリアの配置も考慮し、快適な作業環境を整えましょう。
デッドスペースを有効に活用する
使えるスペースに限りがあるため、小規模オフィスは大規模オフィスに比べてデットスペースが生まれやすいという特徴があります。
デッドスペースを有効に活用するためには、棚やテーブルの設置、または1人Webミーティングブースや集中作業ブースの作成が効果的です。
壁の隅や窓際に棚を設置することで収納スペースを確保できますし、デッドスペースを利用して集中作業ブースを設けることで、仕事の効率を高めることが可能です。
さらに、柱と柱の間のデッドスペースなどにはカウンターテーブルを設置することで、ちょっとした打ち合わせや作業に使えるスペースも確保できます。
「抜け」を作り空間を広く見せる
小規模オフィスでは、狭さを感じさせないために「抜け」を作ることが重要です。
視覚的な広がりを感じさせるためには、できる限り間仕切りを少なくし、オープンなデザインを心がけましょう。
オープンスペースを設けたり、パーティションの上部をガラス張りにしたり、あえて空けたりすることで、空間に広がりを感じさせることができます。
また、視覚的な広がりを持たせるために、白を基調とした明るい色合いの壁や家具を選ぶことも効果的です。
このように空間に「抜け」を作り、狭い空間でも開放感を得られるようにしてみましょう。
ガラスパーティションを活用する
ガラスパーティションは、視界を遮らずに仕切ることができるため、小規模オフィスに適しています。
ガラスの透過性により、空間が広く見えるとともに、光も取り入れることができるからです。
会議室や個室などではガラスパーティションで仕切ることで、明るく開放的な空間を作ることができるでしょう。
さらに、ガラスの色や装飾を工夫することで、プライバシーを確保しながらもおしゃれなデザインを実現できます。
背の低いオフィス家具を選ぶ
背の高いオフィス家具は、圧迫感を与えることがあります。
特に小規模オフィスでは、背の低い家具を中心に選ぶことで、視界がすっきりとして、空間を広く見せることが可能です。
背の低い家具を活用して、これまでよりも開放感のあるオフィスを目指してみましょう。
圧迫感の出やすい色を避ける
色彩心理学によれば、黒や濃いブラウンなどの色は圧迫感や閉塞感を与える色とされており、小規模オフィスの場合は壁や床、天井などへの使用を避けた方が無難と言えます。
一方で明るい白や薄いブラウン(ベージュ)などは空間を広く見せる色とされているので、こういった色を積極的に活用していきましょう。
黒や濃いブラウンなどは、家具やパーティションなどでアクセントとして取り入れる程度に止めておいた方が良いと言えます。
天井をスケルトンにする
スケルトン天井とは、天井のボードをあえて剥がし、配線や配管などを露出させたデザインの天井のことで、天井が高くなるだけではなく、空間に開放感を持たせることが可能です。
ただし、スケルトン天井のデザインは、デザイン的に合うオフィスとそうでないオフィスがあります。
そのため、オフィスデザインと照らし合わせて導入を検討することが重要です。
収納スペースを確保する
小規模オフィスでは、大規模オフィスに比べて収納スペースが限られています。
そのため、収納スペースを確保するために造作したり、工夫を凝らすことが重要です。
壁に取り付ける棚や収納ユニットの活用、壁面収納の導入など、視界を遮らないような収納スペースの確保を心がけましょう。
デスク下やカウンター下の収納などは、目立ちづらく、視界を遮らずに収納できるという点でおすすめです。
デザインに統一感を持たせる
小規模オフィスでは、大規模オフィスとは違い、オフィスの全体像の把握がしやすい分、デザインに統一感を持たせることも重要になってきます。
デザインを統一させることにより、より洗練された印象のオフィスになるだけではなく、スッキリとした開放感のある空間演出にもつながります。
たとえば、家具やインテリアの色や素材を統一したり、テーマやコンセプトを決めて、それに基づいて壁や床、天井などをデザインしたりなどが一般的です。
ミーティングスペースを確保する
小規模オフィスでは、スペースが限られているため、ミーティングスペースが軽視されがちですが、来客対応や社内での打ち合わせなどを考慮して、少なくとも4〜6名用のミーティングスペースを1つ以上設けておくべきです。
少なくとも社内のメンバーで膝を付き合わせて話せる場が1つはないと、「ちょっと全員に共有したい」という時に気軽に集まれなくなります。
結果としてコミュニケーション不足や業務効率の悪化につながります。
音に最大限配慮する
小規模オフィスでは、大規模オフィスに比べて音に対する配慮が必要になります。
なぜなら、自席でWeb会議に出席した従業員の声がオフィス全体に響いて、集中作業の妨げになってしまう可能性があるためです。
スペースが狭い分、こういった音への配慮は欠かせません。
具体的には、Web会議用に仕切られたブースをいくつか用意したり、集中作業用のブースを用意したりを検討しましょう。
音が気になる場合は集中作業ブースに移動したり、音に配慮してのWeb会議が難しかったらWeb会議用ブースに移動したり、自ら対策が打てるようなオフィスレイアウトが理想的です。
また、防音効果のある素材やパーティションを設置することで、音の影響を最小限におさえるなども有効な対策と言えるでしょう。
従業員の増加も見込んだデザインにする
会社の成長次第で、従業員が急に増えたりすることもよくあります。
小規模オフィスはスペースが限られているため、将来的な従業員の増加を見込んで、柔軟に対応できるデザインにしておくことが重要です。
具体的には、自由に活用できる空席などを2〜3席用意したりしておけば、急な増員などにも対応することができます。
増員に対応できる設計をしておくことで、急いで引っ越しを検討したり、オフィスの改修を入れることがありません。
あえて、固定の席を決めず、フレキシブルなレイアウトや可動式のパーティションを使って柔軟にアレンジができるような設計にするのもおすすめです。
従業員の意見を取り入れることも重要
小規模オフィスでは、従業員の意見を積極的に取り入れてデザイン変更を行うようにしましょう。
普段オフィスをメインで使っている従業員にしか気付けないような、課題や不満などがあるはずです。
そういった意見を吸い上げて、反映させることで、オフィス環境への満足度が高まりやすくなります。
デザインを工夫して、小規模オフィスを快適な空間デザインに!
この記事では、小規模オフィスのデザインにおけるデザインのポイントと、具体的な事例について解説しました。
小規模オフィスでスペースが限られていたとしても、工夫次第で広く見せたり、スペースを無駄なく有効活用することで、いくらでも快適なオフィスに変えることが可能です。
ぜひ、今回ご紹介したポイントなどを参考に、自社らしい快適なオフィスデザインを検討してみてください。
小規模オフィスのオフィスデザインで悩んだら、「WAKURINO(ワクリノ)」までお気軽にご相談ください。
ご要望に応じて、最適なご提案をさせていただきます。
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。