ワクリノ特集
【事例あり】オフィスの会議室のデザイン・レイアウトのポイント
会議室は、重要な意思決定やアイデアの共有などが行われる空間です。
そのため、会議室を快適で機能的なデザイン・レイアウトにすることは、企業の生産性やコミュニケーションの向上に直結します。
今回は、そんな企業にとって重要な会議室をより有益な空間にするためのポイントについて、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つWAKURINO(ワクリノ)が詳しく解説します。
目次
会議室のデザイン・レイアウトは用途に応じて決めよう
オフィスの会議室のデザインを決める際、最も重要なことは、その会議室の用途に合ったレイアウトにすること最も重要なことは、その会議室の用途に合ったレイアウトにすることです。
たとえば、ブレインストーミングを行うためのスペースや顧客との商談を行う場所、さらには社内の研修やセミナーの場など、会議室はさまざまな用途で使われます。
そのため、使用用途に合わせたデザイン・レイアウトを考えることが有益な空間にするポイントです。
まずは各会議室の具体的な利用シーンを明確にして、それぞれどのようなデザイン・レイアウトにすれば使いやすいのかを考えていきます。
社内の打ち合わせが中心であれば、円形に配置されたテーブルや、リラックスできる椅子を取り入れることで、フランクなコミュニケーションができるはずです。
一方で、外部顧客との打ち合わせがメインであれば、自社のメインカラーを入れたり、顧客の信頼を獲得できるようなデザイン・レイアウトにすべきでしょう。
また、近年では、働き方や価値観の多様化が進んでいます。
それに伴い、会議室の利用用途も多様化しています。
用途に応じてレイアウトを簡単に変更できる柔軟性も検討すべき項目と言えるでしょう。
会議室のデザイン・レイアウトで意識すべき要素
会議室のデザインやレイアウトを検討する際に、特に意識すべき要素は次の通りです。
利用用途
会議室の用途によって最適なデザイン・レイアウトは異なります。
まずはその部屋がどのような目的で使われるかを明確にしましょう。
社内会議やブレインストーミングで使われることが多いのであれば、自由に動かせる椅子やテーブルを使い、柔軟なレイアウトが可能なスペースが理想です。
一方で、顧客との商談やプレゼンテーションに使うことが多いのであれば、顧客の信頼を獲得できるようなデザイン・レイアウトだったり、自社をPRできるような「らしさ」などが求められます。
利用人数
円滑に会議を進めるためには、各参加者が適切なパーソナルスペースを確保できるように配慮する必要があります。
つまり、その会議室を利用する人数を意識することも、会議室の設計において重要な要素です。
一般的には、一人あたり約1.5平方メートルのスペースが必要とされていますが、会議の目的や形式に応じてこの基準は変動します。
たとえば、短時間の立ち話やカジュアルなミーティングであれば、よりコンパクトなスペースでも問題ありませんが、長時間にわたる会議や重要な商談の場合は、広めのスペースを確保し、ゆったりとした環境が適しているでしょう。
可変性
近年、会議の種類や参加人数に応じてレイアウトを柔軟に変更できるように設計された空間が求められる傾向があります。
可変性があることも、会議室のデザイン・レイアウトを考える上では重要な要素の一つです。
たとえば、折りたたみ可能なテーブルや移動しやすい椅子を使うことで、会議室の用途を簡単に切り替えることができます。
他にも、可動式のパーティションを導入すれば、大きな会議室を複数の小さな部屋に分けたり、逆に複数の小部屋を一つの大きなスペースに変えたりすることが可能です。
状況に応じてカスタマイズできる会議室の設計ができれば、もっと活用の幅は広がるでしょう。
秘匿性
企業にとって重要な意思決定など、機密性の高い情報を取り扱う会議や商談では、外部からの視線や音漏れを防ぐための対策が不可欠です。
この対策方法として、遮音性の高い壁材やドアの設置、さらには視覚的に外部から遮断するためのパーティションを使う、ドアにセキュリティロックをつける、などが考えられます。
このように、その会議室でいかに秘匿性のある議論がされるのかどうかも、デザイン・レイアウトの決定には重要な要素と言えるでしょう。
仮にガラス張りの会議室であっても、ガラスを厚くしたり、ブラインドやカーテンなどを活用すれば外部の視線を遮ることができます。
こうした工夫により、プライバシーを守りつつ、オープンな雰囲気を保つことが可能です。
防音性
オープンスペースが多いオフィスでは、周囲の騒音が会議の進行を妨げることがよくあります。
会議室内の音が外に漏れることを防ぐためには、遮音効果の高い素材の使用をおすすめします。
防音性も、会議室の快適性と機能性を左右する重要な要素です。
壁や天井に防音材を取り入れたり、床には吸音効果のあるカーペットを敷いたりすることで、外部からの音の侵入を防ぎ、会議に集中できる環境を整えることができます。
ドアの構造も防音性に影響するため、気密性の高いドアを使うことで、より一層の防音効果を期待できます。
会議室においてどれほどの防音性が求められるのかなどを考慮し、適切な防音処理を検討しましょう。
家具
デスクや椅子は、会議の種類や参加者の数に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
長時間の会議には、座り心地の良い椅子を用意することで、参加者の疲労を軽減し、集中力を維持することができます。
会議室の家具も、その機能性と快適性に影響するための大切な要素です。
デスクのサイズや形状も会議の進行に影響を与えるため、レイアウトと併せて会議室の利用目的に沿った上で選ぶようにしましょう。
たとえば、ディスカッション形式の会議では、全員が顔を合わせられる円形やU字型のテーブルが適しています。
プレゼンテーション形式の会議では、プロジェクターやスクリーンが見やすい配置になるように、デスクや椅子を選び、設置することが大切です。
照明
照明ひとつで会議室の雰囲気はがらりと変わります。
適切な照明を選ぶことも会議室のデザイン・レイアウト決定には重要です。
集中力が求められる会議では、明るい白色光が適しており、リラックスした雰囲気が求められる打ち合わせでは、暖色系の照明が向いています。
また、会議によって照明の強さや色温度を調整できるようにするなども効果的です。
色
色彩は、会議室のデザインにおいて、参加者の心理状態に大きな影響を与えます。
青や緑などの冷色系は、色彩心理学では集中力を高め、冷静な判断を促す効果があるとされています。
反対に、赤や黄色などの暖色系は、活発な議論の促進が期待できます。
また、企業のコーポレートカラーを会議室のデザインに取り入れることで、ブランドの一貫性を保ちながら、オフィス全体に統一感を持たせたり、ゾーニングしたり、顧客に自社のカラーをPRすることなども可能です。
このように、色を適切に使い分けることも検討していきましょう。
【用途別】会議室のデザイン・レイアウトのポイント
実際にどのようなデザイン・レイアウトが一般的に適していると言われているのか、会議室の用途別にご紹介します。
グループなど少人数での会議や打ち合わせ
少人数の会議や打ち合わせには、フレキシブルなデザイン・レイアウトが向いています。
たとえば、移動しやすい椅子やテーブルを用意するなどです。
対面でのコミュニケーションが重要になるため、参加者全員が顔を合わせられるような円形や四角形のテーブル配置が適しています。
部署など大人数での会議や打ち合わせ
大人数が参加する会議では、参加者全員が効率よく情報を共有でき、意見交換がしやすいレイアウトにする必要があります。
視認性を確保するためには、U字型やスクール型(教室のようにテーブルや椅子を前向きに並べるレイアウト)のレイアウトが効果的です。
U字型は全員が議長やスクリーンに自然と目を向けることができ、スクール型はプレゼンテーションが中心の会議に適しています。
また、音響設備の整備も重要です。
無線マイクや天井スピーカーを設置することで、会場全体に音声が均等に行き渡ります。
参加者がスムーズに移動できるような動線を確保し、出入口付近にスペースを設けることも忘れずに検討しましょう。
研修やプレゼンテーションなど
研修やプレゼンテーションでは、視認性や聴き取りやすさが重要です。
スクリーンとプロジェクターは、全員が見やすい位置に配置し、自然光の反射を防ぐために遮光カーテンも活用しましょう。
レイアウトはスクール型やU字型など、目的に応じて柔軟に変更できるようにすることが重要です。
さらに、適切な照明と音響設備を整え、参加者が資料や講師の説明に集中できる環境を整えましょう。
展示会や商談会、セミナー、ワークショップなど
展示会や商談会、セミナーなどのイベントには、フレキシブルなレイアウト設計が向いています。
展示物や商談スペースを効果的に配置し、参加者同士のコミュニケーションや移動がスムーズに行えるようにすることが重要です。
家具は移動しやすいものを選び、イベント内容に応じてレイアウトを簡単に変更できるようにしましょう。
顧客との商談、来客対応
顧客や取引先との商談を行う会議室は、企業の印象を左右する重要な空間です。
高級感と機能性を両立させ、シンプルで洗練されたデザインの家具を配置することで、職業的な専門性を印象付けることができます。
また、プライバシーを確保するために防音対策や視線を遮るパーティションを設置し、安心して商談ができる環境を整えましょう。
オフィスの会議室のデザイン・レイアウト事例
会議室のデザインやレイアウトには、企業ごとの独自のコンセプトやニーズが反映されます。
実際の事例を参考に、それぞれの企業がどのように工夫しているかを見ていきましょう。
事例1:個性的な会議室
株式会社イデックスオート・ジャパン様のオフィスは、「シンカ」をコンセプトに、働きやすさと個性を両立させたデザインが特徴的です。
会議室もその一部で、各部屋は異なるカラースキームやデザインを取り入れることで、用途に応じた雰囲気を演出しています。
たとえば、応接室はホテルのラウンジを思わせる落ち着いた空間に仕上げられており、打ち合わせスペースには地中海をイメージさせるカーペットを採用。
また、オフィス中央の広いメイン動線により、会議室への移動がスムーズに行えるよう設計されており、従業員間のコミュニケーションも自然と促進されます。
このように、会議室は訪問者や従業員にとって快適でありながら、企業のブランドイメージを反映した空間となっています。
事例2:集中議論ができる会議室
日本プライ株式会社様の会議室デザインは、集中して質の高い議論を行うための環境づくりに重点を置いています。
シンプルで無駄のないデザインが採用され、来訪者にも企業の魅力を自然に伝える効果を得たのです。
会議室の間仕切りにはガラスを使い、開放感を持たせながらもプライバシーを守る工夫がされています。
さらに、大会議室では吸音材を使用して遮音性を高めており、外部の騒音を遮断することで、会議参加者が集中しやすい環境を実現。
床材の貼り分けでも視線や雰囲気に変化をもたせ、長時間の会議でも気分転換ができる工夫もされています。
このように、シンプルで機能的なデザインによって、会議室は集中力を保ちながら質の高い議論ができる空間となっています。
事例3:会議室としても使える開放的なスペース
引用元:好きなときに、好きなひとと、自分らしく、居心地よく過ごせる空間
株式会社ゼンリン様のオフィスでは、「Flexibility & Communication」をテーマに、会議室としても使える開放感のあるスペースとして設計されています。
大きな窓を活用し、自然光をたっぷり取り入れることで、明るくリラックスできる空間を実現。
窓の外には緑が広がっており、ガーデンテラスも併設され、自然と触れ合う時間がストレス軽減や精神的なリフレッシュを促します。
人数やシチュエーションに応じてレイアウトを変更できるテーブルや、カジュアルなコミュニケーションを促すファミレスタイプのソファ席が設けられており、柔軟な働き方や偶発的な会話が期待できます。
さらに、短時間の休憩や簡単なミーティングに最適なベンチ席もあり、リラックスした雰囲気の中で集中力を高めることも可能です。
引用元:好きなときに、好きなひとと、自分らしく、居心地よく過ごせる空間
このようなデザインにより、会議室としても利用できつつクリエイティブなアイデアが生まれやすい、自由で快適な空間となっています。
会議室のデザイン・レイアウトは十分に検討しよう
会議室のデザインやレイアウトを考える際には、利用目的や人数に応じて柔軟に対応できる空間設計をしましょう。
特に、企業の重要な意思決定が行われる場所として、会議室は快適で機能的な環境であることが大切です。
顧客や取引先を迎える際の企業イメージ向上にもつながるため、会議室のデザインはオフィス全体の成功を左右する重要な要素です。
今回紹介した事例やポイントを参考に、自社のオフィス環境や働き方に合った最適なデザインを考え、実現していきましょう。
自社にとって最適な会議室のデザイン・レイアウトに悩んでいる方は、ぜひWAKURINO(ワクリノ)にご相談ください。
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。