ワクリノ特集
フリーアドレスのオフィスレイアウトにするには?基本的な考え方や導入方法・事例を解説
フリーアドレスとは、従業員が固定の席を持たずに自由にデスクを選べる働き方。
近年、効率的なスペース活用や柔軟な働き方の推進、社内コミュニケーションの活性化を目的として多くの企業で導入が進んでいます。
しかしながら、どのようなことを考慮してレイアウト設計すればよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フリーアドレスの基本的な考え方から導入や設計の方法、最終的な目的を達成するために意識すべきポイント、実際の導入事例などについて、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つWAKURINO(ワクリノ)が、くわしく解説いたします。
目次
フリーアドレスとは?
フリーアドレスとは、従業員が固定の席を持たず、オフィス内で自由に座席を選んで働く働き方、レイアウトを指します。
固定席が不要となるため、オフィスのレイアウトを柔軟に管理できることや、無駄なスペースを削減できるのがメリットです。リモートワークが主流となっているようなオフィスであれば、執務スペースが従業員全員分なくても問題ありません。
フリーアドレス化することでオフィスの縮小なども可能となり、固定費の削減につながる可能性もあるのです。
また、従業員がその日の業務や気分に合わせて、自由に働く場所を選べるようになることによるストレス軽減や、それに伴う業務効率の向上などもメリットと言えるでしょう。
フリーアドレスは部門を超えたコミュニケーションの促進にも効果的です。
毎日異なる席に座ることで、周辺に座る人や環境が変わり、部門を超えた新しい交流が生まれる可能性が高まります。
ただし、フリーアドレスはどんな会社にも適している訳ではありません。
機密情報を扱う部門などではセキュリティ対策のされた固定席が必要になりますし、Web上ではなく対面で仕事を行うことが多いような職場にフリーアドレスは適しません。
フリーアドレスを無理に導入したせいで、かえって生産性が低下する恐れがあるため、十分に導入を検討しましょう。
フリーアドレスの導入方法は全部で4種類
フリーアドレスには次の4種類があります。
- 全席フリーアドレス
- グループアドレス
- 固定デスク併用型フリーアドレス
- ABW
企業の規模や業務内容、従業員の働き方に応じて導入を検討していくことが重要です。
全席フリーアドレス
全席フリーアドレスは、オフィス内のすべての座席を対象にフリーアドレス化する形式です。
従業員はその日の業務内容やチーム状況に応じて、自由に席を選べます。
全席フリーアドレス形式では、全従業員が平等な条件で座席を選べるため、オフィス全体がオープンで柔軟な空間となり、働き方の自由度が高いのが特徴です。
全席フリーアドレスを導入するメリットは以下の通りです。
- スペースの有効活用
- 不要な固定席がなくなり効率的。特に在宅勤務や外回りの多い従業員がいる企業では、座席の無駄を大幅に削減できる
- 社内コミュニケーションの活性化
- 部署や役職に関係なく座席を選べ、異なる部署同士の交流を促進。イノベーションが生まれやすい環境になる
一方で次のようなデメリットもあります。
- 席の確保に競争が起こ可能性がある
- 人気の席ができると、早く来ないと座れないなど、席取り競争が生まれる。従業員の不満につながる可能性がある
- 物品管理が難しい
- 個人専用のデスクがないため、私物や資料の保管が困難。
グループアドレス
グループアドレスは、部署やチームごとに指定されたエリア内で自由に席を選べる形式です。
従業員が自由に席を選びつつ、チーム内のコミュニケーションを重視し、組織全体の連携強化をバランスよくしていきたい時に有効な形式です。
グループアドレスを導入するメリットは、以下の通りです。
- チーム内の連携強化
- 部署やチームごとにエリアが設定されているため、チーム内でのコミュニケーション、プロジェクトの進行がスムーズ。特にプロジェクトチームが頻繁に再編される企業に効果的
- コミュニケーションのバランスを保てる
- 完全フリーアドレスに比べて自由度に制限があるものの、チーム内の連携は重視しつつ柔軟な働き方を促進
一方で、次のようなデメリットもあります。
- 他部署との交流が減少
- チーム内での連携が強化される代わりに、他部署との交流が減り、部門間の情報共有や協力が少なくなる可能性がある
- 席選びの自由度が低い
- 部署ごとに座席エリアが決められているため、従業員は完全な自由さで席を選べるとはいえず、この制約が長期的に従業員のモチベーションに影響する可能性がある
固定デスク併用型フリーアドレス
固定デスク併用型フリーアドレスは、マネージャーやプロジェクトリーダーには固定席を設け、他の従業員にはフリーアドレスを適用する方法です。
役職者へのレビューやコミュニケーションが多い企業などにおすすめの方法です。
固定デスク併用型フリーアドレスのメリットは、以下の通りです。
- 必要な席を確保できる
- 重要な業務や会議を行うマネージャーやリーダーに固定席を用意することで、集中作業環境を確保。特定の従業員の座席が決まっていることで、業務をスムーズに進行させる
- 席に柔軟な選択肢がある
- 一般の従業員にフリーアドレスを導入することで、業務内容に応じて自由に席を選べるため、満足度が向上
一方で次のようなデメリットもあります。
- 不公平感がある
- 固定席が特定の従業員にだけ用意されることが、不公平に見えることも。対策は、ルールの透明化や適切な説明を行うなど
- 管理が複雑
- 固定席とフリー席が混在するため、座席管理が複雑
ABW
ABW(Activity-Based Working)は、オフィス内に限らず、業務に合わせて最適な作業場所を選べる働き方のことです。
オフィス内だけでなく、リモートワークやコワーキングスペースも利用できるため、働く環境の自由度が広がります。
オフィスという場所を超えたフリーアドレス形式とも言えます。
ABWを導入するメリットは以下の通りです。
- 業務に応じて作業環境を自由に選べる
- 業務内容に合わせて集中ブースやオープンスペースなど、オフィスに限ることなく最適な場所を自由に選択できる
- 場所に捕われず柔軟に働ける
- オフィスだけでなく、リモートワークやコワーキングスペースも使えるため、従業員はワークライフバランスを実現できる
- オフィスの効率化・コスト削減
- 全従業員が常にオフィスにいる必要がなくなり、オフィスの運営コストや賃料を削減できる
また、以下のようなデメリットもあります。
- 管理が困難
- 従業員が自由に動くため、どこで作業しているかを把握するのが難しい
- チームの一体感の低下
- 個別で働く時間が増えることで、対面でのコミュニケーションが減少し、チーム全体の連携が弱まるリスクがある
- セキュリティリスクの増加
- リモートワークや外部環境を活用するため、情報漏洩やデータ管理のリスクが高まる可能性がある
フリーアドレス導入を成功させるためのコツ
フリーアドレスの効果を最大限発揮させるためには、ただ導入するだけでは不十分です。
次のようなコツを抑えて導入をしていきましょう。
明確な運用ルールを設定する
フリーアドレスの最大の課題は、自由すぎるがゆえにルールが曖昧になりやすい点です。
席取り競争が生じたり、必要な席が常に埋まっているといった問題が発生することがあります。
こうしたトラブルを防ぐために、座席の使用時間制限や予約システムを導入するなど、公平性のあるルールを明確に設定しましょう。
適切なデスク配置と動線設計
フリーアドレスを導入する際には、席が固定化されないレイアウトを意識することが重要です。
島型レイアウトならば、各チームがグループごとにまとめられるため、チーム内の連携を維持しつつ、メンバーの自由な移動も可能です。
従業員同士の偶発的なコミュニケーションを生むためにはジグザグ型や対向式レイアウトが向いており、他部署との交流も自然に促せます。
動線設計もデスク配置と同様に重要です。
オフィス内での移動がスムーズでなければ、フリーアドレスの利点が活かされません。
メインの通路を広めに取る、ゾーニングを徹底するなどで、移動がスムーズに行えるような効果的な導線を検討しましょう。
フリーアドレス向けのツールやシステムを導入する
フリーアドレスを効果的に運用するには、ITツールや管理システムの導入が欠かせません。
たとえば、座席予約システムがあれば、どの席が空いているかをリアルタイムで確認でき、従業員が効率よく座席を確保できます。
席探しに時間をかけずに業務を開始できることは、業務効率化のために必須です。
特にテレワークを併用している企業では、出社日や座席を事前に予約することで、出社した従業員がオフィススペースを効率的に使うことができます。
フリーアドレスでは、従業員がどこにいるか把握しにくいため、SlackやMicrosoft Teamsといったチャットやコミュニケーションツールを利用して、従業員同士の連絡がスムーズに行えるようにしましょう。
オフィスが広かったり、多くの従業員がいる場合は、在席管理システムも便利です。
オンラインチェックイン機能を使えば、誰がどこで作業しているのかをすぐに確認でき、社内の連携が円滑になります。
パーソナルロッカーと共用設備の整備
フリーアドレスでは、従業員が固定席を持たないため、個人の荷物や書類を保管するスペースが必要です。
パーソナルロッカーがあれば、従業員が自分の私物や業務で必要な資料を安全に保管できる場所を確保できます。
従業員はそれぞれ自分の荷物をデスクに持ち込む必要がなくなり、オフィス全体を整然とした状態を保つことができるのです。
また、共用のディスプレイや充電コード、アダプターなどの備品を適切に管理し、必要な時に誰でも使えるようにするための仕組みも重要です。
備品の在庫管理システムを導入することで、誰が何を使っているのかを把握しやすくなり、備品が紛失したり不足したりする問題を防止できます。
フリーアドレスに適した家具とレイアウト設計
フリーアドレスオフィスでは、固定デスクに代わり、移動が簡単で多機能な家具があることが重要です。
キャスター付きのテーブルや高さを調整できるスタンディングデスクなど、従業員が自分の業務や好みに応じて使える家具を用意することで、より柔軟な働き方が可能になります。
また、レイアウト変更なども柔軟に行えるというメリットもあります。
単にフリーアドレス化をするだけではなく、個々人の集中を手助けするためには、背面型レイアウトやブース型レイアウトの採用も効果的です。
フリーアドレスオフィスの成功事例
実際に、フリーアドレスの導入に成功した企業の事例をいくつかご紹介します。
自社で導入できないかどうか、などの検討材料にしてみてください。
事例1:ABWを導入したオフィス①
株式会社イデックスオート・ジャパン様は、フリーアドレスとABWを導入し、業務や気分に応じて多様な作業スペースが選べるように設計されているのが特徴です。
従業員からの意見を反映し、特に「働きやすさ」に重点を置いています。
リフレッシュスペースやドリンクバー、カフェ風のソファ席、カウンター席、集中できるブースなどが設置され、従業員にとってリラックスしつつも生産性を高められる環境が整っています。
オフィスの動線も広く取られており、偶発的なコミュニケーションが生まれやすい設計となっています。
実際にABWの導入により、従業員はその日の業務内容に最適な場所を自由に選べるだけでなく、チームや部署を超えた交流も活発化しているとのこと。
従業員同士の連携が深まり、エンゲージメントが向上しただけでなく、「働きたくなるオフィス」という目標も達成した好事例と言えます。
事例2:カフェ風のフリーアドレスオフィス

セキスイファミエス九州株式会社様の福岡支店では、従業員が「通いたくなる」オフィスを目指し、カフェ風のフリーアドレスオフィスを導入しています。
Web会議やオンライン商談など、集中が必要な業務は個室ブースで行い、気軽なコミュニケーションが必要な場合はカフェ席やオープンスペースを利用するなど、多彩なワークスペースがあることで、従業員は気分転換をしながら仕事を進めることができ、結果として業務効率の向上や生産性の改善を実現しています。
事例3:ABWを導入したオフィス②

株式会社シティアスコム様では、広いオフィスフロアを活かしてABWを導入。
6階から8階まで、それぞれのフロアに異なる業務用途に応じたエリアが設けられています。
従業員は業務内容やその日の気分に合わせて最適な場所を自由に選ぶことが可能になっています。
ミーティングスペースや集中作業ができるブース、リラックスできる休憩エリアやカフェ風のラウンジをゾーニングによって区別していたり、教室タイプの会議室や四人がけのスペース、ヨガルーム、大規模な会議場、ソファラウンジなど、多様な用途に対応した設備が充実していたり、従業員が仕事とリフレッシュを自己管理しながら、バランスよく取り組める空間となっています。
多様なワークスペースを用意し、ABWを導入したことで、シティアスコム様の従業員の作業効率が向上。
業務内容に応じたフレキシブルな働き方ができるようになった他、異なる業務を行うチーム同士のコラボレーションも活性化し、チーム全体の協力体制が強化されたとのこと。
フリーアドレスはただ導入するだけではダメ!色々と整備が必要!
今回は、オフィスへのフリーアドレス導入について解説しました。
フリーアドレスは、単に席を自由にするだけでは効果を十分に引き出せません。
適切な運用ルールの整備や、フリーアドレスに適したオフィスデザイン、ツールの導入、コミュニケーションを促進するための工夫が必要です。
たとえば、座席の予約システムやコミュニケーションツールの整備、ロッカーや備品の管理などをしっかりと行うことで、トラブルを事前に防ぎ、フリーアドレスのメリットを最大限に活用できます。
ABWを導入することも、より柔軟な働き方ができるという点で有効です。
ぜひ企業の生産性向上や従業員満足度の向上のためにも、フリーアドレス化を検討してみましょう。
フリーアドレス化を検討しているのであれば、ぜひWAKURINOまでご相談ください。
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この記事を書いた人
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- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。




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