ワクリノ特集
オフィスビルの内装工事を成功させる全手順|費用相場から業者選びまで担当者が知るべき全知識
近年、働き方の多様化に伴い、オフィスは単なる「働く場所」から、企業の理念を体現し、従業員の生産性やエンゲージメントを高めるための「戦略的ツール」へとその役割を変えつつあります。
多くの企業がオフィスビルの内装工事へ投資する一方、内装工事には専門的な知識が多く、スケジュール管理や予算調整、関連各所との折衝など、担当者の業務は多岐にわたります。
この記事では、ご担当者様が抱える不安を解消するため、内装工事の全手順から費用相場、デザインの考え方、そして業者選びのポイントまでを網羅的に解説します。
目次
オフィスビル内装工事の流れとスケジュール
オフィスビルの内装工事は、企画から業務開始まで1年以上かかることも珍しくありません。プロジェクトを成功させるには、まず全体の流れと各ステップでやるべきことを把握し、余裕を持ったスケジュールを組むことが不可欠です。
ステップ1:企画・コンセプト設計(1年前~)
まずは「なぜオフィスを変えるのか」「新しいオフィスで何を実現したいのか」という目的を明確にすることが重要です。現在のオフィスの問題点を洗い出し、経営層や従業員の声も聞きながら、新しいオフィスのコンセプトを固めていきましょう。
このコンセプトが、今後のデザインや業者選定における軸となります。コンセプトに基づき、必要な機能や面積、概算予算といった要件を定義することで、プロジェクトの方向性が明確になります。
ステップ2:内装業者の選定(8ヶ月前~)
コンセプトと要件が固まったら、プロジェクトを共に進めるパートナーとなる内装業者を選定します。Webサイトの検索や紹介などを活用して候補を数社リストアップし、各社にコンセプトを伝えて提案を依頼しましょう。
提出されたデザイン案や見積もりを比較検討する際は、デザインの好みだけでなく「自社の課題を深く理解してくれているか」という視点が重要です。複数の業者と対話し、自社の想いを最も良い形で実現してくれると確信できた一社と契約を結びます。
ステップ3:設計・デザイン(6ヶ月前~)
契約した内装業者と二人三脚で、オフィスの具体的な設計・デザインを固めていくフェーズです。定例ミーティングを重ね、レイアウトから素材、色、照明、家具に至るまで、詳細な仕様を一つひとつ決定していきます。業者から提出される図面や3Dパースなどを通じてイメージを具体化し、使い勝手に問題がないかを慎重に確認しましょう。
施工が始まってからの変更は、追加費用や工期遅延の原因となります。この段階で業者と密にコミュニケーションを取り、納得のいくまで仕様を詰め切ることで、理想のオフィスに近づけていきます。
ステップ4:ビル側との調整・各種申請(3ヶ月前~)
オフィスビルの内装工事は、ビルのオーナーや管理会社との調整が不可欠です。まずはビルのオーナーや管理会社と協議し、工事の責任範囲を定めた工事区分を明確にしましょう。また、作成した設計図書をビル管理会社に提出して工事の承認を得る必要があり、その際にはビルのルールを遵守することが求められます。
さらに、工事内容によっては消防署への届出や建築基準法に基づく行政への申請が求められます。これらは専門知識を要するため、ビル工事の経験が豊富な内装業者と連携して進めることが重要です。
ステップ5:施工(2ヶ月前~)
設計図が固まり、各種申請が承認されると、いよいよ実際の工事が始まります。この期間、担当者は内装業者の現場責任者と連携し、工事が設計図通りに、そしてスケジュール通りに進んでいるかを確認します。定期的に現場へ足を運び、自分の目で進捗を確認するとより安心です。
同時に、電話やインターネット回線といったインフラ整備の手配も進め、内装工事の工程と連携させましょう。工事完了後には施主検査を行い、傷や不具合がないかを細かくチェックした上で、問題がなければ正式に引き渡しとなります。
ステップ6:移転・新規開設 業務開始
内装工事が完了すれば、プロジェクトは最終段階です。新しいオフィスへの移転作業を計画的に進め、一日も早く通常業務を再開できる体制を整えましょう。
上記のスケジュールについてはあくまでも目安で、規模などの違いで更に長期間のプロジェクトもあれば、もっと工期が短くて済む場合もあります。早い段階で移転業者へ相談の上で打ち合わせを行い、業務への影響が少ない休日などに作業できるようスケジュール調整できるとスムーズです。同時に、従業員への説明や取引先への住所変更通知など、社内外への告知も忘れずに行いましょう。引き渡し後、万が一の不具合に備えて、保証内容や緊急時の連絡先を内装業者に確認しておくことも大切なポイントです。
オフィス内装の費用相場とコスト管理のコツ
担当者にとって、プロジェクトの費用は最も気になる点の一つでしょう。オフィス内装は高額になりがちです。その費用内訳や相場を事前に理解し、賢くコストを管理することが、予算内で理想のオフィスに近づける鍵となります。
オフィス内装費用の内訳
オフィス内装工事の見積もりを正しく理解するためには、その費用の内訳を知ることが重要です。主な費用項目は以下の通りです。
設計・デザイン費 | コンセプト設計、レイアウトプランニング、デザイン作成などにかかる費用 |
|---|---|
内装工事費 | 壁、床、天井の工事や造作家具の製作など、空間そのものを作るための費用 |
設備工事費 | 電気、空調、換気、防災、給排水などの設備に関する工事費用 |
インフラ整備費 | 電話回線やLANケーブルの敷設、サーバー設置など、通信インフラを整えるための費用 |
什器・家具購入費 | デスク、チェア、キャビネット、会議テーブル、パーテーションなどの購入費用 |
その他諸経費 | 移転作業費、旧オフィスの原状回復工事費、各種申請手数料など |
これらの項目を把握することで、どこにどれだけの費用がかかっているのかが明確になります。内装業者から見積もりを取る際には、上記の費用の内訳を明確にしてもらいましょう。
坪単価で見る費用相場
オフィス内装費用の大まかな目安は「坪単価」で把握できます。例えば、既存の内装を活かす居抜き物件や部分的なリフォームであれば、坪20万~30万円程度が相場です。
一方、何もないスケルトン状態から一般的なオフィスを作る場合は、坪20万~50万円程度が目安となります。さらに、こだわりの素材や造作家具を用いるデザイン性の高いオフィスでは、坪単価50万円以上になることも珍しくありません。
これはあくまで目安であり、ビルの条件や工事内容で変動するため、必ず業者から正式な見積もりを取得しましょう。
費用を賢く抑える3つのポイント
予算内で理想のオフィスを実現するには、賢いコスト管理が不可欠です。まず、プロジェクトの目的に立ち返り、デザインや機能における優先順位を明確にしましょう。「エントランスにはこだわるが、執務室の什器はシンプルにする」といったメリハリをつけることで、予算を効果的に配分できます。
次に、現在使用している家具や什器の中で、まだ使えるものは積極的に再利用を検討することも有効な手段です。クリーニングや再塗装で、新品同様に蘇ることもあります。
さらに、働き方改革や省エネ設備の導入などを目的とした改修には、国や自治体の補助金・助成金が活用できる場合もあります。内装工事の前には専門家に相談し、どのような制度が利用できるのかリサーチしておきましょう。
失敗しないオフィスデザインの考え方
「おしゃれなオフィス」という見た目の良さだけでデザインを決めるのは失敗のもとです。優れたオフィスデザインとは、企業の課題を解決し、事業の成長を後押しする戦略的なものでなくてはなりません。オフィスデザインを失敗しないためにも、次に紹介する注意点を意識してデザインを考えましょう。
現状の問題を把握する
失敗しないオフィスデザインの第一歩は、現状のオフィスが抱える問題を正確に把握することから始まります。「会議室が不足している」「自席では集中しづらい」「部署間のコミュニケーションが少ない」といった具体的な問題点をリストアップしましょう。そして、それらの問題がなぜ発生しているのか、その根本原因まで深く分析することが重要です。
この丁寧な現状分析が、課題解決に繋がる効果的なデザインの方向性を定めるための土台になります。
従業員の声を反映させる
オフィスで最も長い時間を過ごすのは従業員です。彼らの声をデザインに反映させることは、実用的で満足度の高いオフィスを作るために欠かせません。アンケート調査やワークショップを実施し「どんな機能があれば業務効率が上がるか」「どのような環境で働きたいか」といった生の意見を収集しましょう。
従業員をプロジェクトに巻き込むことで、新しいオフィスへの当事者意識を高め、エンゲージメント向上にも繋がります。従業員の声を聞くことは、皆に愛され大切に使われるオフィス作りに繋がるのです。
デザインと機能性のバランスを取る
優れたオフィスデザインとは、企業のブランドイメージを表現する美しい見た目(デザイン性)と、従業員の働きやすさを支える(機能性)が両立している状態を指します。
例えば、コミュニケーションを促進する開放的な空間は魅力的ですが、一方で周囲の音が集中を妨げる可能性もあります。その場合、集中したい時に使える個室ブースを併設するなど、デザインのメリットを活かしつつ、音環境といった機能面のデメリットを補う工夫が求められます。オフィスデザインにおいては、常に見た目と働きやすさのバランスを意識することが重要です。
オフィスデザインの設計について気になる方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
トレンドを課題解決の手段として活用する
オフィスデザインにも流行はありますが、単にトレンドを追いかけるだけでは自社に合わない空間になってしまう可能性があります。重要なのは、フレキシブルな働き方を促すABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)や、心身の健康を支える健康経営といったトレンドを、自社の課題を解決するための手段として捉えることです。
「コミュニケーション不足」や「生産性の伸び悩み」といった自社の課題に対し、トレンドが本当に有効な解決策となるよう、課題解決という目的を軸に慎重に導入を検討しましょう。
プロジェクトの成否を分ける内装業者選びのポイント
オフィスビルの内装工事は、信頼できるパートナーと出会えるかでその成否の大部分が決まります。長期にわたるプロジェクトを共に走り、企業の想いを形にしてくれる最適な内装業者を選ぶためには、いくつかのポイントを理解しておくことが重要です。
内装業者の特徴を理解する
一口に内装業者と言っても、設計を得意とする設計事務所や、施工を専門とする工務店など、さまざま個性があります。内装業者を選ぶ際には、自社の状況に合った業者形態を見極めることが重要です。
初めての移転で担当者のリソースが限られている場合におすすめなのが、設計から施工、移転作業までを一括で請け負うワンストップ対応の業者です。窓口が一つに集約されるため、担当者の負担が大幅に軽減されるだけでなく、各工程がスムーズに連携し、工期の短縮やコストの最適化も期待できます。
信頼できる業者を見極める
信頼できる業者を見極めるには、複数の候補を多角的に比較することが重要です。まず、自社が目指すオフィスに近い施工実績があるかを確認します。次に、こちらの要望を深くヒアリングし、期待を超える提案をしてくれるかを見極めましょう。提出された見積書が「一式」ばかりでなく、内容が透明であるかも重要なチェックポイントです。
そして何より、長期的にコミュニケーションを取る担当者との相性や、対応の誠実さも大切です。これらの視点から、安心してプロジェクトを任せられるパートナーを選びましょう。
オフィスビルの内装工事事例
ここでは、実際にWAKURINOが手掛けたオフィスビルの内装工事をご紹介します。
事例1:株式会社新出光様
石油販売を中心にエネルギー事業を展開する株式会社新出光様。オフィスビル内の複数フロアに渡り、開放的な空間と働きやすさを実現するリノベーションを実施されました。
オフィス全域にABWを採用し、従業員が自ら働く場所を選べる環境を整備。美しさと快適さを兼ね備えたロングスパンのデスク、スタンディングを選べる昇降デスクエリア、リラックスした状態で自由闊達なコミュニケーションを楽しめるソファーエリアなど、働く人が気分に合わせたワークスペースを選択できます。
事例2:株式会社ゼンリン様

地図データを活用した事業を展開する株式会社ゼンリン様。博多駅イーストプレイス(旧ゼンリン福岡ビル)を拠点とするゼンリングループ各社が共有できるコミュニケーションスペースをデザインしました。
COMMUNICATION・CONCENTRATE・FLEXIBILITYの3つを軸に、各エリアのデザインは可変性を重視。自由にレイアウトを変更できるイス・机を採用したコミュニケーションエリアは、グループ各社のメンバーが集まり交流を楽しむスペースとして広く活用されています。
まとめ
オフィスビルの内装工事は、1年がかりになることも多い壮大なプロジェクトです。成功のためには、まず「なぜオフィスを変えるのか」という明確なコンセプトを設計し、余裕を持ったスケジュールを組むことが不可欠です。その上で、費用は優先順位をつけて戦略的に管理し、デザインは見た目と機能性の両立を目指す必要があります。
そして、これら全てのプロセスを円滑に進め、プロジェクトを成功に導くためには、何よりも信頼できるパートナーである内装業者選びが重要となります。専門知識と豊富な経験を持つ業者と二人三脚で進めることが、理想のオフィスを実現する一番の近道です。
もしオフィスづくりで何から始めればいいかお悩みのようなら、WAKURINOまでお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。






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