ワクリノ特集

オフィス内装設計の費用相場から業者選び、成功のコツまで紹介

2025.10.10
オフィス内装

オフィスの移転やリニューアルが決まったものの、「何から手をつければいいのか分からない」、「費用は一体いくらかかるのだろう」、「業者選びで失敗したくない」といった悩みを抱えている総務・人事・管理部門の担当者は多いのではないでしょうか。

オフィス内装設計は、単に働く場所を新しくするだけではありません。従業員の働きやすさや生産性、ひいては企業全体の成長にまで影響を及ぼす重要な経営戦略の一つです。

この記事では、オフィス内装設計プロジェクトを成功に導くために、費用の内訳からプロジェクトの具体的な進め方、信頼できる会社の選び方、さらには成功企業が取り入れる最新のデザインの考え方まで、担当者が知っておくべき情報をお伝えします。

 

オフィス内装設計費用の内訳

オフィス内装設計にかかる費用は、大きく分けて4つの項目で構成されます。予算を立てる上で非常に重要になるため、それぞれの内容を正確に理解しておきましょう。

 

設計デザイン費

設計デザイン費は、オフィスのコンセプトに基づき、空間のレイアウトやデザインを具体的に図面に起こしていくための費用です。これには、空間デザイナーや設計士といった専門家の人件費が含まれます。

具体的には、コンセプトの立案、レイアウトプランの作成、内装デザインの決定、3Dパースの作成、詳細な施工図面の作成といった業務が該当します。会社のビジョンや働き方を空間に落とし込む、プロジェクトの根幹をなす重要な費用です。

 

内装工事費

内装工事費は、設計図面を基に、実際のオフィス空間を作り上げていくための工事費用全般を指します。
これは、オフィス内装プロジェクトにおいて最も大きな割合を占める費用項目です。

工事内容に含まれるのは、壁や間仕切りを設置する「造作工事」、床・壁・天井を仕上げる「仕上げ工事」、ドアなどの建具を取り付ける「取り付け工事」などです。使用する素材のグレードや施工範囲によって費用は大きく変わります。
例えば、ガラス張りの会議室を多く設置したり、特殊な塗装を施したりすると、その分費用は高くなります。

 

設備工事費

設備工事費は、オフィスで快適かつ安全に働くために不可欠なインフラを整備するための費用です。内装工事と密接に関連しており、同時に計画を進める必要があります。

代表的なものに、照明器具を設置する「電気工事」、コンセントやLANケーブルを配線する「弱電工事」、空調設備を整える「空調工事」、スプリンクラーなどを設置する「防災設備工事」、トイレや給湯室に関わる「給排水設備工事」などがあります。
特に、現代のオフィス設計では、十分な電源容量の確保や快適なWi-Fi環境の構築が生産性に直結するため、非常に重要な項目です。

 

オフィス家具・什器費

オフィス家具・什器費は、デスク、チェア、会議用テーブル、キャビネット、応接セットといった、オフィスで業務を行うために必要な家具や備品を購入・設置するための費用です。これらは働く環境の快適性や機能性を大きく左右します。

近年では、従業員の健康を考慮したエルゴノミクスチェアや、高さを変えられる昇降式デスクなどが人気です。
また、内装デザインのコンセプトに合わせて家具を選ぶことで、空間全体の統一感が生まれ、企業のブランディングにも繋がります。新品を採用すれば高額になりがちですが、中古品やリースを活用することでコストを調整することも可能です。

オフィス移転の費用相場について気になる方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

 

オフィス内装設計がもたらす経営効果

戦略的なオフィス内装設計は、単なるコストではなく、企業の未来への投資です。
ここでは、オフィス環境の改善がもたらす3つの重要な経営効果について解説します。

 

従業員のエンゲージメントと生産性の向上

快適で機能的なオフィスは、従業員のエンゲージメント(満足度、働きがい)を直接的に高めます。集中したい時に使える個室ブース、気軽にアイデア交換ができるコラボレーションスペース、リフレッシュできるカフェスペースなどを設けることで、従業員は業務内容に応じて最適な場所を選んで働けるようになるでしょう。

このような環境は業務の効率化を促し、創造性を刺激します。
結果として、個々の従業員の生産性が向上し、組織全体のパフォーマンスアップが期待できます。優れたオフィス内装は、従業員が「この会社で働きたい」と感じる要因となり、離職率の低下にも貢献します。

採用力・企業ブランディングの強化

オフィスは企業の顔であり、社外に対する強力なメッセージ発信ツールです。企業のビジョンやカルチャーが反映された魅力的なオフィスは、訪れる顧客や取引先に対して良い印象を与えることが期待できます。

特に採用活動においては、その効果は絶大です。求職者は、給与や福利厚生だけでなく、働く環境の質を重視しています。デザイン性の高いオフィスや働きやすさに配慮されたオフィスは、優秀な人材を引きつける大きな魅力となります。オフィスそのものが「自社で働く価値」を物語る、効果的なブランディング戦略となるのです。

 

新しい働き方への対応

新型コロナウイルスの影響以降、オフィスワークとリモートワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が多くの企業で導入されています。これからのオフィスには、単に集まって仕事をする場所というだけでなく、新たな役割が求められます。

例えば、Web会議に集中できる防音性の高い個室ブースの設置、リモートの従業員とも円滑に連携できる大型モニターを備えた会議室、そして何より「出社する価値」を感じさせるような、偶発的なコミュニケーションやコラボレーションが生まれる空間の設計が重要です。オフィス内装を時代に合わせて最適化することで、多様化する働き方に柔軟に対応し、変化に強い組織体制を構築できます。

 

【完全ガイド】オフィス内装設計の進め方とスケジュール

オフィス内装設計のプロジェクトは、思い立ってすぐに完成するものではありません。
ここでは、一般的なプロジェクトの開始から完了までの流れを、具体的なスケジュール感とともに5つのステップで解説します。

 

【STEP1】目的の明確化・コンセプト策定(1年前~)

プロジェクトの成功は、この最初のステップで決まると言っても過言ではありません。
まずは、社内にプロジェクトチームを発足させ、現状のオフィスの課題(例:会議室が足りない、コミュニケーションが不足している)を洗い出します。その上で、「何のためにオフィスを変えるのか」という目的を明確にします。この目的が、今後の全ての意思決定の軸となる「オフィスコンセプト」の策定に繋がります。

 

【STEP2】内装設計会社の選定・相談(8ヶ月前~)

コンセプトの方向性が見えたら、それを実現してくれるパートナーとなる内装設計会社を選定します。施工事例を後悔している内装設計会社への資料請求や紹介を活用し、候補を3~4社に絞り込みましょう。
そして、策定した目的やコンセプトを伝え、提案と概算見積もりを依頼します。

提案内容や担当者の対応、実績などを比較検討し、最も信頼できる会社を選定し、契約を結びます。この段階で、プロジェクトの全体像や予算について専門家としっかりすり合わせることが重要です。

 

【STEP3】デザイン設計・見積もり(6ヶ月前~)

契約した会社と、より具体的な設計の打ち合わせを進めていきます。まずは、詳細なヒアリングを通じて、各部署の要望や必要な機能といった要件を整理します。それに基づき、内装設計会社から提案されたレイアウトプランやデザインをベースに、修正を重ねてデザインを固めていきます。

施工開始後のデザイン変更は、追加費用や工期遅延の原因となるため避けたいものです。この段階で納得できる仕様を固めれば、トラブルなく理想のオフィスを実現しやすくなるでしょう。

 

【STEP4】施工・工事(2ヶ月前~)

設計と見積もりが確定し、契約を結んだら、いよいよ実際の工事が始まります。工事開始前には、ビル管理会社への工事申請や、消防署などへの届出が必要になるため、設計会社と連携して進めます。

工事期間中は、設計図通りに工事が進んでいるかを確認する施工管理が重要です。設計会社の担当者が定期的に現場をチェックし、進捗や品質を管理します。この期間に、並行して新しいオフィスで使う電話やインターネット回線などのインフラ手配も進めておきましょう。

内装工事が完了したら、オフィス家具や什器の搬入・設置を行います。その後、従業員の引越し作業となります。

 

【STEP5】移転・アフターフォロー

移転やリニューアルが完了し、新しいオフィスでの業務がスタートした後も、プロジェクトは終わりではありません。旧オフィスを退去する場合は、契約に基づいた原状回復工事が必要になります。
また、実際にオフィスを使ってみて出てきた不具合や追加の要望に対応してもらうなど、内装設計会社からのアフターフォローも重要です。

なお、上記のスケジュールはあくまでも目安です。規模やデザインによっては、工期が前後する場合があります。

 

オフィス内装設計会社の選び方 5つのポイント

プロジェクトの成否を大きく左右するのが、パートナーとなる内装設計会社の選定です。
ここでは、自社に最適な会社を見つけるための5つのチェックポイントをご紹介します。

 

実績・施工事例が豊富か

まず確認すべきは、その会社の実績です。Webサイトなどで公開されている施工事例をチェックし、自社のイメージに近いデザインや、同程度の規模・業種のオフィスの実績があるかを確認しましょう。

豊富な実績は、多様な要望に応える対応力や、トラブルへの対処能力があることの証明にもなります。
特に、自社が目指すオフィスのコンセプトを得意としている会社を選ぶと、よりスムーズに話が進みます。

 

課題を深く理解するヒアリング力・提案力があるか

優れた内装設計会社は、単にこちらの要望を形にするだけではありません。丁寧なヒアリングを通じて、私たちが気づいていない潜在的な課題まで掘り下げ、専門家の視点からプラスアルファの提案をしてくれます。「なぜそうしたいのか?」の背景まで理解しようと努めてくれるか、自社の経営課題の解決に繋がるような提案をしてくれるか、といった点を見極めましょう。初回の打ち合わせでの担当者の姿勢や質問の質が、一つの判断材料になります。

 

設計から施工までワンストップで対応できるか

オフィス内装プロジェクトは、デザイン設計、施工、インフラ整備、家具選定、引越しなど、多岐にわたる工程が複雑に絡み合います。これらの工程を別々の会社に依頼すると、担当者の負担が増えるだけでなく、連携ミスや責任の所在が曖昧になるリスクも生じます。

設計・デザインから施工、アフターフォローまでを一気通貫で請け負ってくれるワンストップ対応の会社であれば、窓口が一本化され、スムーズで責任感のあるプロジェクト進行が期待できます。

 

担当者とのコミュニケーションは円滑か

プロジェクト期間中、内装設計会社の担当者とは何度も打ち合わせを重ねることになります。
そのため、担当者との相性やコミュニケーションの円滑さは非常に重要です。こちらの意図を正確に汲み取ってくれるか、質問に対するレスポンスは迅速で丁寧か、専門的な内容を分かりやすく説明してくれるか、といった点を確認しましょう。長期にわたるパートナーとして、信頼関係を築ける相手かどうかを見極めることが大切です。

 

最終見積もりの内訳が明確でわかりやすいか

提示された見積書の内容、特に契約前に受け取る最終見積書の透明性は、会社の信頼性を測る上で非常に重要な指標となります。

プロジェクト初期の概算見積もりの段階では、項目が「一式」と大まかに表記されることもあります。
しかし、契約を結ぶ段階の最終的な見積書においても「内装工事一式」といった曖昧な記載が多い場合は注意が必要です。

各工事の詳細な内訳が明記されていないと、後から「この作業は見積もりの範囲外です」といった理由で予期せぬ追加費用を請求されるトラブルに発展しかねません。誠実な会社であれば、費用の内訳を一つひとつ詳細に提示し、それぞれの項目について納得できる説明をしてくれるはずです。

 

成功企業が取り入れるオフィスデザインの考え方

現代のオフィス設計はおしゃれな空間を作るだけではなく、企業の成長戦略と結びついた先進的な考え方が取り入れられています。ここでは、成功企業が実践する5つのデザインコンセプトをご紹介します。

 

 ABW(Activity Based Working)

ABWとは、「Activity Based Working」の略で、仕事内容に合わせて働く場所や時間を自由に選ぶワークスタイルです。
オフィス内に、集中作業用の個人ブース、複数人での議論に適したコラボレーションエリア、リラックスできるカフェスペースなど、多様な機能を持つ空間を用意します。従業員がその時々のタスクに最も適した環境を選ぶことで、生産性と自律性を高めることを目的とした考え方です。

 

ウェルビーイング(心身の健康)

ウェルビーイングとは、従業員が身体的、精神的、社会的に良好な状態でいられることを目指す考え方です。
オフィスデザインにおいては、自然光を多く取り入れる、観葉植物を配置する、休憩時間にストレッチができるスペースを設ける、健康的な食事を提供するカフェテリアを設置するなど、従業員の心身の健康をサポートする設計が重視されます。健康経営の実践は、従業員の満足度向上や離職率低下に繋がります。

 

コミュニケーションの活性化を促す仕掛け

部門間の壁を取り払い、偶発的な出会いや雑談が生まれる仕掛けを作ることも、近年のオフィス設計のトレンドです。
例えば、従業員が必ず通る動線上にカフェや休憩室を設置したり、固定席を廃したフリーアドレスを導入したりすることで、普段接点のない従業員同士のコミュニケーションを誘発します。

 

企業カルチャーを体現するデザイン

オフィス空間全体で、自社のビジョンや価値観を表現することも重要です。
エントランスに企業ロゴやミッションステートメントを掲示する、コーポレートカラーを内装のアクセントに使う、自社製品や創業からの歴史を展示するスペースを設けるなど、デザインを通して企業の世界観を伝えます。

これにより、従業員の帰属意識を高めると同時に、来訪者に自社の企業カルチャーを強く印象づけることができます。

 

DX化・スマートオフィス

IT技術を活用して、オフィスの利便性や効率性を高める「スマートオフィス」の導入も進んでいます。
例えば、会議室の予約システム、顔認証による入退室管理、スマートロック、在席状況が分かるセンサーの導入などです。

これらのデジタル技術をオフィス設計の段階から組み込むことで、ペーパーレス化の促進や煩雑な管理業務の削減を実現し、従業員がより本質的な業務に集中できる環境を構築します。

 

オフィス内装工事事例

ここではWAKURINOが手掛けたオフィス内装工事の事例をご紹介します。

 

事例1:株式会社イデックスオート・ジャパン 様

引用元:「シンカ」自由に働き、自分らしく働くオフィス

自動車関連事業を幅広く営む株式会社イデックスオート・ジャパン様。
「新変」「進化」「新華」の3つの”シンカ”をコンセプトに、おしゃれさを前面に出したオフィスへとリニューアルいたしました。

移転前に行なった社内アンケートに寄せられた「狭くて働きづらい」「休憩スペースがない」「食事をする場所も少ない」「集中して働く場所がない」といった意見を踏まえ『ABW』『ドリンクバー』『リラックススペース』などを設けたオフィスデザインを採用。
スマートオフィスやフレキシブルオフィスの要素を取り入れた、働きやすさを求める従業員の声に応えるオフィスへと生まれ変わりました。

 

事例2:日本プライ株式会社 様

引用元:第90坪 来訪者の期待感を高めるオフィス

自動車関連部材品等の企画販売業を営む日本プライ株式会社様。
オフィス全体をモノトーンを基調としたデザインに統一し、質実剛健な企業イメージの浸透を図りました。

ガラスの間仕切りや白黒ベースのカーペット、金属製のイス・テーブルなど、企業ブランドに合致したインダストリアル風の内装・什器を採用。スタンドテーブルのあるカフェコーナーや大人数を収容できる大会議室など、従業員の働きやすさと機能性の高さを両立する内装となっています。

 

まとめ

オフィス内装設計は、多くの関係者と連携しながら進める、複雑で長期にわたるプロジェクトです。
しかし、一つひとつのステップを確実に踏み、信頼できるパートナーを見つけることができれば、必ず成功させることができます。

新しいオフィスは、従業員の働きがいを高め、企業の成長を加速させるための重要な基盤となります。理想のオフィスを実現するためにも、幅広い知見と豊富な実績を持つ内装設計会社をパートナーに選びましょう。

オフィスの移転や内装変更をご検討の際には、ぜひWAKURINO(ワクリノ)までご相談ください。

 

「ワクリノ」

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この記事を書いた人

ワクリノ編集部スタッフ
働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。
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