ワクリノ特集

オフィス内装の費用相場はいくら?内訳やコストを抑える方法を紹介

2025.10.10
オフィス内装

オフィスの内装プロジェクトを初めて担当される方は、「オフィスの移転やリニューアルが決まったものの、内装にどれくらいの費用がかかるのか見当もつかない」といった悩みを抱えているのではないでしょうか。

オフィスの内装費用は、物件の状態やデザインのこだわりによって大きく変動するため、全体像をつかむのが難しいのが実情です。

しかし、費用の相場や内訳、価格を左右するポイントを事前に知っておけば、適切な予算計画を立て、スムーズにプロジェクトを進めることができます。

この記事では、費用相場の考え方から詳細な内訳、コストを賢くコントロールする方法、そして失敗しない業者選びのポイントまで、解説します。

 

坪単価で見るオフィス内装の費用相場

オフィスの内装費用を大まかに把握する上で、最も分かりやすい指標が「坪単価」です。坪単価とは、1坪(約3.3㎡)あたりの内装工事費用のことを指します。自社のオフィスの坪数に坪単価を掛けることで、おおよその総額をシミュレーションできます。

ここでは、工事の内容や求めるグレードに応じて、費用相場を3つの価格帯に分けて解説します。

 

【低価格帯】 1坪 10~20万円

この価格帯は、すでに基本的な内装や設備が整っている「セットアップオフィス」や、比較的新しい「居抜きオフィス」を最小限の変更で利用する場合が該当します。

主な工事内容は、壁紙や床材の張り替え、簡単な間仕切りの設置、照明器具の交換など、比較的軽微なものが中心です。企業のロゴを設置したり、コーポレートカラーを取り入れたりするだけでも、オフィスの印象は大きく変わります。

コストを最優先し、スピーディーに入居したいスタートアップ企業や、サテライトオフィスの開設などにおすすめの価格帯です。

 

【中価格帯】 1坪 20~50万円

多くの企業が選択するのが、この価格帯です。内装や備品が残っている「居抜き物件」のレイアウトを活かしつつ、企業の特色を出すために部分的な改装を行うケースがこれにあたります。

例えば、「執務スペースはそのまま利用し、お客様を迎えるエントランスと会議室だけデザインにこだわる」「Web会議用の個室ブースを新たに設置する」といった工事です。既存の内装をうまく活用することßでß、コストを抑えながらも、働きやすさや企業のブランディングに繋がるオフィス空間を実現できます。

機能性とデザイン性のバランスを取りたい場合に最適な費用相場と言えるでしょう。

 

【高価格帯】 1坪 50~100万円

コンクリート打ちっぱなしの状態である「スケルトンオフィス」をゼロから作り上げる場合や、デザインに徹底的にこだわりたい場合は、この価格帯が目安となります。

間取りの設計から、床・壁・天井の素材選び、オリジナルの造作家具の製作まで、すべてを自由にデザインできるのが特徴です。企業の理念やブランドイメージを空間全体で表現することが可能で、従業員のエンゲージメント向上や採用力の強化にも繋がります。

デザイン性の高いオフィス家具や最新のIT機器なども含めたトータルなオフィス作りを検討する場合の費用相場です。

 

オフィス内装工事の費用内訳

坪単価で全体像を掴んだら、次に「何に」「いくら」かかるのか、具体的な費用の内訳を見ていきましょう。見積書の内容を正しく理解し、社内で予算説明をするためにも、以下の5つの項目を把握しておくことが重要です。

 

設計・デザイン費

オフィスのコンセプト設計やレイアウトプランの作成、内装デザインの提案、各種図面の作成などにかかる費用です。プロジェクトの土台となる非常に重要な部分で、働きやすさやデザイン性を大きく左右します。

 

内装工事費

空間そのものを作り上げるための工事費用で、内訳の中でも大きな割合を占めます。具体的には、以下のような工事が含まれます。

  • 仮設工事: 搬入経路や作業スペースの養生など、工事を安全かつスムーズに進めるための準備費用。
  • 解体工事: 既存の間仕切りや設備を撤去する工事。
  • 軽鉄・ボード工事: 壁や天井の下地となる骨組み(軽鉄)を作り、石膏ボードを張る工事。
  • 内装仕上げ工事: 床(タイルカーペット、フローリング等)、壁(クロス、塗装等)、天井の最終的な仕上げを行う工事。
  • 建具工事: オフィスのドアや窓、パーテーションなどを設置する工事。

 

設備工事費

オフィスが機能するために不可欠な、インフラ設備に関する工事費用です。見た目には分かりにくい部分ですが、快適性や安全性に直結します。

  • 電気・照明設備工事: コンセントの増設、配線工事、照明器具の設置など
  • 空調・換気設備工事: エアコンや換気扇の設置、ダクト工事など
  • 防災設備工事: 火災報知器やスプリンクラー、誘導灯などの設置・移設工事
  • 通信設備工事: 電話線やLANケーブルの配線工事費

 

オフィス家具・什器費

デスク、チェア、キャビネット、会議用テーブル、応接セットといった家具や、複合機などの什器の購入・設置費用です。

選ぶ製品のグレードや数量によって費用が大きく変動する項目です。内装工事費とは別に見積もられることが多いため、予算計画の際には忘れないように注意が必要です。

 

諸経費

上記のいずれにも分類されない、プロジェクト全体に関わる費用です。

  • 産業廃棄物処理費: 解体工事などで発生した廃材の処分費用
  • 運搬費・管理費: 資材の運搬や現場の管理にかかる費用
  • 官公庁への申請費用: 消防署や役所への各種届出に必要な費用
  • 原状回復工事費: 移転前のオフィスの内装を、入居時の状態に戻すための工事費用

なお、プロジェクトの規模や期間によっては、これらの費用に加えて、全体の進行を管理するプロジェクトマネジメント(PM)費用や現場を監督する施工管理費用などが必要なケースもあります。

 

オフィスの内装費用を左右する4つのポイント

同じ坪数のオフィスでも、内装費用に大きな差が生まれるのはなぜでしょうか。ここでは、費用を大きく左右する4つの重要なポイントについて解説します。

 

物件の種類

まず最も大きな要因となるのが、入居するオフィスの物件の種類です。「スケルトン物件」か「居抜き物件」かによって、初期費用が数倍変わることもあります。

スケルトン物件は、床・壁・天井の内装が何もない、建物の構造躯体だけの状態の物件です。

ゼロから自由にレイアウトやデザインを設計できるメリットがありますが、内装・設備工事のすべてが必要になるため、費用は高額になり、工期も長くなる傾向があります。

居抜き物件は、前のテナントが使用していた内装や設備が残された状態の物件です。既存のものを活用できるため、初期費用を大幅に抑えられ、短期間での入居が可能です。

ただし、デザインの自由度が低く、希望のレイアウトを実現できない可能性があるというデメリットもあります。

 

デザインのこだわりと素材のグレード

オフィスのデザイン性や使用する素材のグレードも、費用を大きく変動させる要因です。例えば、壁の仕上げを一般的なビニールクロスから、塗装や天然木、タイルなどに変更すると、材料費も施工費も上がります。

また、空間に合わせて設計するオリジナルの造作ドアや、デザイン性の高い造作家具を取り入れるような場合も、費用は高くなります。

どこにこだわり、どこでコストを抑えるか、メリハリのある予算配分が重要です。

 

レイアウトと必要な部屋数

オフィスのレイアウト、特に個室の数も費用に影響します。役員室、会議室、Web会議ブースなど、壁で区切られた部屋を多く作れば、その分、壁を立てるためのボード工事やドアの設置費用、さらには部屋ごとの照明・空調・防災設備の追加工事が必要になります。

反対に壁の少ないオープンなレイアウトを採用することで、これらの内装工事費用を抑えることができます。

 

ビルの規約や法規制

内装工事において非常に重要なのが、ビル独自の規約や法規制への対応です。特に消防法は厳しく、間仕切りを設置したことでスプリンクラーや火災報知器の増設が必要になるケースは少なくありません。

入居するビルによっては、指定された業者でしか工事ができない「B工事」の範囲が定められていることもあります。

これらの規約や法規制は専門的な知識を要するため、必ず経験豊富な内装業者に相談し、事前に確認することが不可欠です。

 

工事費用をコントロールするポイント

予算には限りがある中で、理想のオフィスを実現するためには、コストコントロール力が欠かせません。ここでは、費用を効果的に抑えるための2つのポイントをご紹介します。

居抜き物件を活用する

前述の通り、居抜き物件は初期費用を大幅に削減できる最も効果的な方法のひとつです。前テナントが同業種であったり、自社が求めるレイアウトに近い場合は、最小限の改装で入居できる可能性があります。

一方、設備の老朽化が進んでいる場合には、修繕費用がかさむリスクもあります。内見の際には、内装業者に同行してもらい、専門家の視点から物件の状態をチェックしてもらうと安心です。

 

パーテーションの種類を工夫する

オフィス内に部屋を作る際、壁の作り方を工夫することでもコストコントロールが可能です。造作壁で天井まで完全に塞ぐ場合は、遮音性が高く個室感を出しやすくなる一方、工事費用は高くなります。ガラスパーテーションも開放感を演出できますが、コストは高めになる傾向があります。

比較的安価な設置・移設を求めるなら、組み立て式のアルミパーテーションやスチールパーテーションが適切です。用途や目的に応じてこれらのパーテーションを使い分けることで、費用を抑えつつ効果的な空間作りができます。

内装費用削減に興味がある方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

 

オフィス内装業者の見極め方

オフィスの内装プロジェクトを成功させる上で、最も重要と言っても過言ではないのが、パートナーとなる業者選びです。費用が安いという理由だけで選んでしまうと、「デザインの質が低い」「追加費用が次々と発生した」といった失敗に繋がりかねません。

ここでは、信頼できる業者を見極めるための5つのポイントを解説します。

 

実績・事例が豊富か

まずは、企業の公式サイトなどで施工実績を確認しましょう。単に実績の数が多いだけでなく、「自社の業種や想定しているオフィス規模に近い事例」が豊富にあるかどうかが重要です。実績は、その業者の得意分野やデザインの傾向を判断する上で貴重な情報源となります。

 

課題に応じた提案力はあるか

優れた業者は、こちらの要望をそのまま形にするだけではありません。コミュニケーションの中から、「従業員のコミュニケーションが不足している」「Web会議の場所が足りない」といった潜在的な課題を汲み取り、その解決策となるようなプラスアルファの提案をしてくれます。

オフィスのプロとして、期待を超える提案をしてくれるかどうかを見極めましょう。

 

最終見積書の内容は明確か

見積書の透明性も重要なチェックポイントです。概算見積もりの段階では、項目を「一式」と表記することは珍しくありません。しかし、契約前の最終見積書においても「内装工事一式」といった曖昧な表記が多い場合は注意が必要です。

詳細な内訳が明記されていないと、後から「この工事は含まれていない」と追加費用を請求されるリスクがあります。誠実な業者は、何にいくらかかるのかを詳細に提示してくれます。

 

担当者との相性は良いか

オフィス内装のプロジェクトは、打ち合わせから完成まで数ヶ月にわたる長い付き合いになります。そのため、担当者とのコミュニケーションが円滑に進むかどうかは非常に重要です。

質問に対して的確に答えてくれるか、レスポンスは早いか、こちらの意図を正しく理解してくれるかなど、相談しやすくコミュニケーションがスムーズな相手かどうかを確認しましょう。

 

設計から施工までワンストップで対応可能か

業者には、設計・デザインのみを行う会社、施工のみを行う会社、そしてその両方を一貫して手がける会社があります。設計と施工が別々の会社だと、情報伝達のミスが起きたり、トラブルの際に責任の所在が曖昧になったりするリスクがあります。

設計から施工までワンストップで対応できる業者であれば、要望が現場までスムーズに伝わり、品質の担保やスムーズなプロジェクト進行が期待できます。

 

オフィス内装工事事例

ここではWAKURINOが手掛けたオフィス内装工事の事例をご紹介します。

 

事例1:株式会社アドバンス様

 引用元: いい波に乗り、風通しのよいオフィスコミュニケーションを

金属・樹脂分野の試作品製造業を営む株式会社アドバンス様。「風通しの良いコミュニケーション環境」をテーマに、明るく柔らかな雰囲気のオフィスを構築いたしました。

オフィス全体に設置されたのは、ナチュラルな木調家具の数々。明るい色調に統一されたデスクとチェアが、リラックスムードを誘います。
執務エリアはメンバー同士の視線が自然に合うような六角形のデスク配置。適度なスペースの間に設置された収納が、適切な距離感を演出します。

リフレッシュルームの窓際に設置されたハイテーブルやオープンスペースのミーティングエリア、4人用のブース個室など、異なる用途向けのコミュニケーションエリアが従業員同士の自然な交流を生みます。

 

事例2:プラス事務所グループ様

引用元:176坪 ワンストップ施工のオフィス移転プロジェクト

企業向け法務サービスを営むプラス事務所グループ様。執務エリアスペースの有効活用を目指したリニューアル工事を行いました。

企業の顔となるエントランスは、企業イメージを醸成する硬質感のあるデザイン。落ち着きのある木目と照明で、実直で誠実な企業文化を演出します。執務エリアの間仕切りには、事業拡大や人員増によるレイアウト変更を見据えてスチールパーテーションを採用。

従業員の働きやすさと実務の利便性を高度に両立しています。

 

まとめ

オフィスの内装費用は、坪単価10〜100万円以上と幅広く、物件の種類やデザインのこだわりによって大きく変動します。まずは自社が目指すオフィスのグレードを定め、おおよその費用相場を把握することが、プロジェクトの第一歩です。

オフィス内装は単なる空間作りではなく、従業員の働きがいや生産性を高め、企業の成長を後押しする重要な投資です。最適なオフィスを実現するためにも、自社の課題に寄り添い、共に未来を創っていける信頼できるパートナーを見つけましょう。

オフィスの内装工事をご検討の際には、ぜひWAKURINO(ワクリノ)までご相談ください。

 

「ワクリノ」

お電話:050-5785-7200(受付時間9:00〜17:00)※土/日/祝以外
メール:こちらより24時間ご相談を受け付けております。

オフィス移転・リノベーションをお考えの方必携!お役立ち資料はこちら オフィス移転・リノベーションをお考えの方必携!お役立ち資料はこちら

この記事を書いた人

ワクリノ編集部スタッフ
働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。
完全予約制!オフィス見学ツアー

お気軽にお問合せ下さい!対応地区:関東地区・関西地区・九州地区