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オフィス内装工事の費用相場を徹底解説!坪単価から内訳、コスト削減のコツまで
オフィスの移転やリニューアル、新規開設を検討する際、多くの経営者様やご担当者様が頭を悩ませるのが「内装工事の費用」ではないでしょうか。
オフィス内装工事の費用は、物件の状態や工事の規模、デザイン、使用する素材など、さまざまな要因によって大きく変動します。
そのため、まずは費用の内訳や相場感を把握し、予算計画を立てることが非常に重要です。
本記事では、費用の内訳と相場、費用を左右するポイント、信頼できる業者選びのコツについて解説します。
目次
オフィス内装工事の内訳と費用相場
オフィス内装工事の費用は、大きく分けて「設計・デザイン費」「内装工事費」「設備工事費」「オフィス家具・什器費」「諸経費」の5つの項目で構成されています。
一坪あたりの総工事費は、居抜き物件なら25〜40万円、スケルトン物件なら40〜60万円程度が一般的とされていますが、内装へのこだわりによって費用は大きく変動します。
設計・デザイン費
設計・デザイン費は、オフィスのコンセプト策定、レイアウトプランの作成、3Dパース図の作成、各種図面の作成などにかかる費用です。
快適で機能的なオフィス空間を実現するための基盤となる非常に重要な部分です。
費用相場は、一般的に総工事費の10%〜15%程度です。
デザイン会社や設計事務所に依頼する場合、デザイナーの知名度や実績によって費用が変動する場合があります。
内装工事費
内装工事費は、実際に壁や床、天井などを施工するための費用で、オフィス内装工事の費用の中で大きな割合を占めます。
主な工事内容は以下の通りです。
仮設工事 | 養生、資材運搬、清掃など。 |
軽鉄・ボード工事 | 壁や天井の下地を作る工事。間仕切り壁の設置も含む。 |
建具工事 | ドアや窓枠の設置、ガラス工事など。 |
塗装工事 | 壁や天井の塗装仕上げなど。 |
内装仕上げ工事 | 壁紙クロス、床材(タイルカーペット、フローリング、長尺シートなど)、カーテン・ブラインドの取り付けなど。 |
造作家具工事 | 特注の収納棚やベンチなど、既製品では対応できないオリジナル家具の製作・設置。 |
これらの工事費用は、使用する素材のグレードや施工面積、デザインの複雑さによって大きく変動します。
設備工事費
設備工事費は、オフィスで働く上で不可欠なインフラを整備するための費用です。
主な工事内容は以下の通りです。
電気設備工事 | 照明器具の選定・取り付け、コンセントの増設・移設、配線工事、分電盤工事など。 |
空調設備工事 | 業務用エアコンの新規設置、移設、増設、換気扇の設置など。 |
給排水衛生設備工事 | 給湯室のシンク設置、トイレの便器交換や増設、洗面台の設置など。 |
防災設備工事 | 消防法に適した火災報知器、誘導灯、スプリンクラーなどの設置・改修。 |
通信設備工事 | 電話配線、LAN配線工事、Wi-Fi環境の構築など。 |
これらの設備工事は、専門的な技術と資格が必要となるため、信頼できる業者に依頼することが不可欠です。
ビル全体の設備との連携が必要な場合(B工事区分)は、ビル指定業者が行うこともあります。
オフィス家具・什器費
オフィス家具・什器費は、デスク、チェア、キャビネット、会議用テーブル、応接セット、パーテーションなど、オフィスで使用する家具や備品にかかる費用です。
一般的には内装工事費とは別の見積もりとなります。
新品購入、中古活用、リース・レンタルのいずれを選ぶかによって、費用は大きく変わります。
諸経費
諸経費は、上記以外にかかる費用で、主に以下のものが含まれます。
現場管理費 | 工事全体の進行管理、品質管理、安全管理などにかかる費用。 |
運搬費 | 資材や廃材の運搬にかかる費用。 |
産業廃棄物処理費 | 工事によって発生した廃材を適切に処理するための費用。 |
各種申請費用 | 建築確認申請や消防関連の申請など、官公庁への手続きが必要な場合の費用。 |
保険料 | 工事保険など。 |
諸経費は、総工事費の5%〜15%程度が目安とされていますが、工事の規模や内容によって変動します。
内装工事の費用について興味がある方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
【業者監修】オフィス内装工事の種類と費用相場、期間、注意点を解説
オフィス内装工事の費用を左右する7つのポイント
オフィス内装工事の費用は、様々な要因によって変動します。ここでは、特に費用に大きく影響する7つのポイントを解説します。
オフィスの面積と形状
オフィスの面積が広ければ広いほど、使用する資材の量や工事にかかる手間が増えるため、費用は高くなります。
また、長方形や正方形といったシンプルな形状のオフィスに比べ、複雑な形状のオフィスは施工に手間がかかり、材料のロスも出やすいため、費用が割高になる傾向があります。
特別なデザインが含まれないシンプルな形状のオフィスを選ぶことで、施工費用や材料費を抑えやすくなります。
デザインのこだわり度と複雑さ
企業のブランドイメージを表現するこだわりのデザイン、特殊な素材を使用する複雑なデザインを実現するには、高度な技術と手間が必要となるために費用が割高になる傾向があります。
例えば、造作家具を多用したり、特注の照明器具を取り入れたりする場合などです。
オフィスの形状同様に、シンプルで機能的なデザインを選ぶほど費用を抑えやすくなります。
使用する素材・部材のグレード
壁紙、床材、天井材、建具、照明器具、塗料など、内装に使用する素材や部材にはさまざまなグレードがあります。
機能性に優れた素材や、デザイン性に富んだ高級素材などは費用が高くなります。
標準的なグレードの素材を選べばコストを抑えられるため、求める品質と予算のバランスを考慮した選定が求められます。
工事の範囲
内装工事の範囲も費用を大きく左右します。
床・壁・天井の内装全てを一新し、間取り変更や水回り設備まで含むフルリノベーションを行う場合は、費用が高額になります。
一方、壁紙の張替えのみ、床材の交換のみ、会議室のパーテーション設置のみといった部分的な改修であれば、費用を比較的低く抑えられます。
オフィスの課題や目的に合わせて、必要な工事範囲を見極めることが大切です。
ビルの規約や法規制
入居するビルの管理規約によっては、使用できる素材や工事の時間帯、共用部分の養生方法などを遵守する必要があります。
また、消防法や建築基準法といった法規制への対応も必須です。
例えば、スプリンクラーや火災報知器の設置・移設、避難経路の確保といった対応は、オフィスのレイアウトや規模によって必要な工事内容が変わるため、費用に影響します。
工事期間
通常よりも短い期間で工事を完了させたい場合、作業員の増員や夜間・休日作業が必要になることがあります。
工期の短縮は人件費の割増しに直結するため、工事費用が引き上がる可能性があります。
オフィスの移転計画は余裕を持ったスケジュールを前提に作ることで、不要な人件費の発生を防ぎやすくなります。
依頼する業者の選定
内装工事業者は、それぞれ得意とする分野やデザインのテイスト、価格設定が異なります。
大規模工事を得意とする業者、デザイン性の高いオフィスを得意とする業者、コストを抑えた施工を得意とする業者などさまざまです。
適正価格で質の高い工事を実現するためには、自社の要望に合った業者を選ぶことが重要です。
複数の業者に見積もりを依頼し、提案内容や実績、担当者との相性などを比較検討しましょう。
オフィス内装工事の費用を抑えるための対策
限られた予算の中で、理想のオフィス空間を実現するためには、費用を抑えるための工夫が不可欠です。
ここでは、コストダウンに繋がる具体的な対策を8つご紹介します。
目標と優先順位を明確にする
内装工事により達成したい目標を明確にしましょう。
例えば「コミュニケーションを活性化させたい」「採用力を強化したい」「ブランドイメージを向上させたい」など、具体的な目標を設定します。
そして、その目標を達成するために、どの部分に重点的に投資し、どの部分は妥協できるのか、優先順位をつけましょう。
この手順を踏むことにより、無駄な工事や設備投資を防ぎ、予算を効果的に配分できます。
予算上限を設定する
内装工事にかけられる予算の上限を明確に設定することが重要です。
予算の指定があれば、内装業者も範囲内でプランを提案しやすくなります。
予算を伝えないまま要望だけを伝えると、理想を追求した結果、予算を大幅にオーバーする提案が出てくる可能性があります。
居抜き物件を有効活用する
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備が残された状態で貸し出される物件です。
既存の内装や設備の状態が良好で、自社のイメージや用途に合致するようなら、それらを活用することで大幅なコストダウンが期待できます。
ただし、内装や設備を変更する際に撤去費用や修繕費用を請求される場合がありますので、契約前に条件を確認しましょう。
シンプルなデザイン・レイアウトを検討
複雑なデザインや特殊な形状の間仕切り、造作家具の多用は、材料費だけでなく施工費も高くなる傾向があります。
従業員が働きやすく、コミュニケーションが取りやすい動線を確保できるシンプルなデザイン・レイアウトを採用すれば、予算を抑えながら効果の高いオフィス空間を実現しやすくなるでしょう。
素材・部材のグレードにメリハリをつける
内装の素材や部材を選ぶ際には、目的に応じてグレードを選ぶことが大切です。
エントランスや応接室などの来客の目に触れる空間は、デザイン性の高い素材や上質な部材が効果的です。
一方、執務スペースやバックヤードなど、従業員が主に使用する場所や目立たない場所に標準的なグレードの素材を採用することで、機能性を維持しながら費用を抑えられるでしょう。
中古やレンタルのオフィス家具を利用する
デスク、チェア、キャビネットなどのオフィス家具は、すべて新品で揃えると大きな費用がかかります。
オフィス家具に強いこだわりがないなら、状態の良い中古品や必要な期間だけレンタルやリースを利用することで、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
特に、会議室のテーブルやキャビネットなど、人目につく機会が少なく消耗が少ない家具は、中古やレンタルでも十分な場合があります。
複数の業者から相見積もりを取る
内装工事の見積もりは、必ず複数の業者から相見積もりをとることで、各社の提案内容や見積もり金額を比較し、工事内容の適正価格を見極めることができます。
また、業者によって得意とする工事内容やデザインの方向性が異なるため、同じ要望に対する提案内容や費用に差が出ることが少なくありません。
単なる価格の安さだけでなく、提案の質や実績、担当者の対応なども含めて総合的に比較検討することが重要です。
しかし、あまりにも多くの業者に見積もりを依頼すると、打ち合わせの回数が増え、比較検討も複雑になるため、早めに業者を指定することがスムーズな進行の秘訣です。
補助金・助成金制度を活用する
国や一部の地方自治体は、企業の働き方改革や生産性向上、省エネ化などを支援するための補助金・助成金制度を設けています。
オフィス内装工事の内容次第では制度を利用できる可能性がありますので、専門家や内装業者に相談してみましょう。
オフィス内装工事の見積もり依頼と業者選びのポイント
適切な費用で満足のいくオフィス内装工事を実現するためには、見積もり依頼の仕方と業者選びが非常に重要です。
頼れる業者に依頼するためのポイントを解説します。
見積もり依頼時の注意点
業者に見積もりを依頼する際は、発注者が知りたい情報を提供してもらえるように伝えることが大切です。
まずは、オフィスに対する要望を具体的に伝達しましょう。
オフィスのコンセプトやデザインのイメージ、予算の上限、希望する工期などを適切に伝えましょう。
現状のオフィスが抱える課題を踏まえた新オフィスの希望を伝えることで、業者側も適切な提案をしやすくなります。
提供してもらった見積もりは、各項目を細かく確認するのがおすすめです。
内訳が詳細に記載されていれば問題ありませんが、「○○工事一式」のようにまとめて表記されているようなら、何が含まれているのか明確にしておく必要があります。
ここで内訳を確認しない場合、後々追加料金が発生するリスクを抱えることになります。
また、見積もり内容や工事内容に疑問があるなら、納得できるまで遠慮なく質問しましょう。
信頼できる内装業者選びのポイント
パートナーとして信頼できる内装業者を選ぶのは簡単ではありませんが、いくつかのポイントを押さえることで内装業者の信頼度を測ることができます。
見積もりを依頼する内装業者を選ぶ際には、施工実績や事例が豊富であるか確認しましょう。
自社がイメージするオフィスデザインや、自社が予定する工事規模に近い施工実績がある内装業者を中心に見積もりの依頼先を選びます。
できれば、設計から施工までワンストップで対応できる内装業者を選ぶのが理想的です。
また、アフターフォローや保証体制について確認しておきましょう。
提出してもらった見積もりからは、内装業者の姿勢や実力が見えます。
見積もりの内容が明確かつ各項目の単価や数量が適正であるなら、具体的な検討に進む価値がある業者であると判断できるでしょう。不自然に安かったり、反対に高すぎたりする見積もりには注意が必要です。
各業者の担当者と直接交渉が始まった後は、円滑にコミュニケーションをとれているか確認しましょう。
内装工事は、業者と何度も打ち合わせを繰り返しながら共同で進めていくプロジェクトです。
見積もりの内容がよくても担当者とのコミュニケーションが難しいようでは、理想の内装を実現するのは難しいかもしれません。信頼関係を築ける担当者とのやりとりは重要な判断基準のひとつです。
信頼できる内装工事業者を選ぶコツについて興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。
オフィスリノベーションのおすすめ会社7選!信頼できる会社を選ぶコツ
オフィス内装工事の事例
ここでは、オフィス内装工事の事例を2つご紹介します。
フルリノベーションと部分的な改修、それぞれのケースでどのようなオフィスが実現したのか、ぜひ参考にしてください。
事例1:有限会社アドファクトリーハーツ様
広告宣伝全般に関する企画戦略立案、広告制作を手がける有限会社アドファクトリーハーツ様。
素材から細部のデザインまでこだわり抜いたオフィスのフルリノベーションを実施されました。
コンセプトは「洗練された都会的なオフィス空間」。玄関を入ると、現代風にアレンジされた土間(DOMA)が来訪者を迎えます。
入り口の側にある応接室兼会議室は間仕切りに磨りガラスを採用。
明るく活発なエネルギーを感じさせる採光性が、空間の広がりを感じさせます。
小上がりの先は三角の造作テーブルを中心に据えたワークスペース。
家具にふんだんにあしらわれた木目が伝統性を感じさせながらも、規則性のないランダムなデザインが自由でクリエイティブな社風を想起させます。
こちらの導入事例について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
事例2:株式会社エグゼクション様
ITソリューションを提供する株式会社エグゼクション様。
社内に点在するフリースペースの有効活用を目指し、複数タイプの個室ブースを設置しています。
小規模スペースに配置されたのは、1人用のコンパクトな個室ブース。
窓と出入り口を座席の背後に配置することで、Web会議への参加や集中を要する作業の実施をサポートします。
執務室内のフリースペースには3人用の中型個室ブースを設置しました。
機密性の高い重要プロジェクトの打ち合わせから、フラッシュアイディアを語り合う気軽なディスカッションまで、さまざまなコミュニケーションに活用できます。
外観は執務室になじむ白を基調に、シンプルで落ち着きのあるデザインにまとまっています。
こちらの導入事例について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
「自由な働き方を実現 〜個室ブースでフリースペースを有効活用〜」
まとめ
オフィス内装工事の費用は、坪単価や工事内容、デザイン、使用する素材など、多くの要因によって変動します。
まずは費用の内訳を理解し、自社の目的や予算に合わせて何に重点を置くべきか、優先順位を明確にすることが大切です。
単にコストを削減するだけでなく、そこで働く従業員の満足度や生産性、企業のブランドイメージ向上に繋がるような、価値あるオフィスづくりを目指しましょう。
おしゃれで機能的なオフィスへの改装をご検討の際には、ぜひWAKURINO(ワクリノ)までご相談ください。
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。