ワクリノ特集

初めての事務所レイアウト|基本パターンから法律、トレンドまでプロが徹底解説

2025.12.05
オフィスレイアウト

事務所のレイアウトは、従業員の生産性やコミュニケーションの質、さらには企業全体の未来を左右する、非常に重要な経営戦略の一部です。正しい知識と手順を把握していれば、初めての方でもプロジェクトを成功に導くことができます。

本記事では、事務所レイアウトの基本的な型から、計画を成功させるための具体的なステップ、そして働き方の多様化に対応する最新トレンドまで解説します。

 

事務所レイアウトの基本5大パターン 

まずは、事務所レイアウトの基本となる5つのパターンをご紹介します。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の業務内容や目指す働き方に合った形はどれか、イメージを膨らませてみましょう。

 

対向式レイアウト

引用元:“ SQUARE ” ~心地よい時間、つながりを生む場所~

対向式レイアウトは、部署やチームごとにデスクを向かい合わせに配置するスタイルです。
日本のオフィスで広く採用されている馴染み深いレイアウトであり、「島型」とも呼ばれています。

このレイアウトはチーム内のメンバーが顔を合わせやすいため、報告・連絡・相談といったコミュニケーションが活発になりやすい点がメリットです。

また、比較的省スペースで多くの人数を収容できます。
ただし、チーム内の結束が強まる一方、他のチームとの交流が生まれにくいというデメリットがあります。
また、常に誰かと視線が合う可能性があるため、プライバシーを確保しにくいと感じる人もいるかもしれません。

 

背面式レイアウト

背面式レイアウトは、隣の席とは背中合わせになるようにデスクを配置するスタイルです。
デスクの前面や側面にパーティションを設けることが多く、個人のプライバシー性を高め集中しやすい環境を作りやすい点がメリットです。
また、椅子をくるりと回転させるだけで、後ろのメンバーと気軽に打ち合わせを始めることができます。

一方、パーティションを設けるため、空間全体からやや閉鎖的な印象を受ける点はデメリットといえるでしょう。また、対向式に比べて一人あたりに必要なスペースが広くなる傾向にあります。

 

同向式レイアウト

引用元:大きなワークベースを中心として周囲に多様なABWゾーニング

同向式レイアウトは、全員が同じ方向を向くようにデスクを配置するスタイルであり、「並列式」や「スクール式」とも呼ばれます。
正面や隣の人の視線が気になりにくいため業務に集中できる環境を作りやすく、管理者がフロア全体の状況を把握しやすい点がメリットとして挙げられます。

一方で、従業員同士のコミュニケーションが取りにくく、雑談などの偶発的な会話が生まれにくい傾向があります。
そのため、クリエイティブな発想やアイデア出しが求められる部門には適していないレイアウトです。

 

ブース型レイアウト

引用元:「シンカ」自由に働き、自分らしく働くオフィス

ブース型レイアウトは、デスクの三方を高いパネルで囲み、半個室のような空間を作り出すスタイルです。
背面式よりもさらにプライバシー性が高く、個人の集中力を最大限に高めることを目的としています。

このレイアウトは、周囲の視線や雑音を遮断できるため、Web会議や電話をする際に周りを気にせずに行える点がメリットです。
また、高い集中力が求められる作業に適しており、デザイナーやエンジニア、ライターといった専門職に向いています。
その反面、一人ひとりの空間が完全に区切られるため、チーム内のコミュニケーションは取りにくくなるというデメリットがあります。また、設置には広いスペースとコストが必要です。

 

ブーメラン型レイアウト

引用元:いい波に乗り、風通しのよいオフィスコミュニケーションを

ブーメラン型レイアウトは、天板が120度の角度に設計された「ブーメラン型」のデスクを使用する配置です。
「ベンゼン型」とも呼ばれており、視線をぶつかりにくくしながらもチーム内でのコミュニケーションを取りやすいレイアウトです。

一方で、特殊な形状のデスクを採用する必要があるため、コストが比較的高くなる傾向があります。
またデッドスペースが生まれやすく、スペース効率は他のレイアウトに劣りやすくなるでしょう。

 

オフィスの働きやすさを左右する座席運用のパターン

物理的なデスクのレイアウトと合わせて考えたいのが、誰がどの席を使うかという座席の運用方法です。ここでは代表的な3つのパターンをご紹介します。

 

固定席

固定席は、従業員一人ひとりに決まった席を割り当てる運用方法です。従業員がそれぞれ自分専用のデスクをもつことにより、組織への帰属意識を持ちやすくなります。
また、業務に必要な書類や私物を常に置いておけるため、管理がしやすい点も大きなメリットでしょう。

ただし、毎日同じメンバーと顔を合わせるため、コミュニケーションが固定化し、部署を超えた交流が生まれにくいという課題もあります。

 

フリーアドレス

フリーアドレスは、固定席を設けずに従業員がその日の業務内容や気分に合わせて好きな席で働く運用方法です。普段は接点のない他部署のメンバーと隣り合わせになる機会が増え、部門を超えたコミュニケーションが活発化し、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなります。
また、従業員が自律的に働く場所を選ぶことで、パフォーマンスの最大化も期待できます。

デメリットとしては、誰がどこにいるか把握しにくいという課題が挙げられます。
また、ノートPCや社内Wi-FiといったITインフラの整備が不可欠であり、退社時にデスクの上を空にする「クリアデスク」の徹底など、運用ルールの策定も重要になります。

 

ABW(Activity Based Working)

ABWは単に席を自由に選ぶだけでなく、「仕事内容(Activity)」に合わせて、最も生産性が上がる「場所(Based)」を自律的に選んで働くという考え方・ワークスタイルです。
ABWを導入したオフィスには、従来の執務デスクだけでなく、例えば静かな環境で没頭するための集中ブース、複数人で議論するためのコラボレーションエリア、リラックスしながらアイデアを練るためのソファ席、周囲に音漏れを気にせず会議ができるWeb会議ブースなど、多種多様なエリアが用意されています。

この働き方のメリットは、従業員一人ひとりがタスクに最適な環境を考え、自律的に行動することで、生産性向上が期待できる点にあります。
一方で、さまざまなエリアを作るための広いスペースと、内装デザインや家具にかかるコストが必要になる点はデメリットです。
また、ABWを企業文化として定着させるために経営層から継続的なメッセージの発信が求められます。

 

オフィスレイアウトを重視すべき3つの理由

オフィスレイアウトの変更には、長い時間と費用が必要です。なぜコストをかけてまでオフィスレイアウトを見直す必要があるのでしょうか。

 

1. 生産性の向上と業務効率化

優れたオフィスレイアウトは、日々の業務効率を着実に向上させます。
例えば、よく使う複合機や資料室への動線が短くなるだけで、従業員は無駄な移動時間を削減し、本来の業務に掛けられる時間を確保しやすくなります。
また、ABWのように「集中したい時」「議論したい時」といった業務内容に合わせて最適な場所を選べる環境は、従業員の生産性向上に大きく寄与します。

 

2. コミュニケーションの活性化

企業の成長に不可欠なイノベーションは、多くの場合、部署や役職の垣根を超えた偶発的なコミュニケーションから生まれます。
フリーアドレスによる座席の流動化や、コーヒースタンドやソファエリアといったハブ空間の設置は、従業員同士の自然な会話が生まれる仕掛けになり得ます。活発なコミュニケーションを誘発することで、新たなアイデアの創出を促し、チームワークの向上や風通しの良い企業文化の醸成にも寄与するでしょう。

 

3. 企業ブランディングと採用力強化

オフィスデザインは「企業の顔」であり、社外に対する強力なメッセージを発信します。企業理念やビジョンを反映したオフィスデザインは、来訪する顧客や取引先に対して会社が持つ価値観や主張を無言で伝える役割を担います。
この効果は採用活動においても同様です。魅力的なオフィスは、採用候補者にとって大きなアピールポイントとなります。自社の価値観を表すオフィスの提示は、企業理念に共感する優秀な人材の獲得に繋がり、入社後のミスマッチの防止や定着率アップにも繋がります。

 

事務所レイアウト計画を成功させる5ステップ

引用元:「シンカ」自由に働き、自分らしく働くオフィス

ここからは、実際に事務所レイアウトを計画する際の具体的な進め方を5つのステップで解説します。この手順に沿って進めれば、初めての方でも迷うことなくレイアウト計画を進行できるでしょう。

 

ステップ1:コンセプトの決定

最初に行うべきは、オフィスのレイアウトを変更する目的の明確化です。ここで決める方針がオフィスのコンセプトとなり、今後のすべての判断基準となります。

まずは「部署間のコミュニケーションを活性化したい」「Web会議がしやすい集中環境を作りたい」「自社のブランドイメージを発信したい」など、目的を言語化しましょう。経営層の意向だけでなく、従業員へのアンケートやワークショップを実施し、現場の意見を吸い上げることも非常に重要です。

 

ステップ2:ゾーニング計画

コンセプトが決まったら、次はゾーニング計画です。
ゾーニングとは、オフィスの全体図の中にどの機能(エリア)を配置するか、大まかなエリア分けを行う作業です。

執務室、会議室、役員室、リフレッシュエリア、エントランスなど、オフィスに必要な機能をすべてリストアップし、各エリアの関連性や使用頻度を考慮して配置を決めていきましょう。「来客用の会議室はエントランスの近くに」「サーバー室は執務室から離れた場所に」など、機能間の関連性も考慮すると、業務効率の高いオフィスを実現しやすくなります。

 

ステップ3:動線計画

ゾーニング計画を元に、オフィス内での人の動きの流れである「動線」を設計します。
多くの人が頻繁に通る廊下などの「メイン動線」と、座席間の通路などの「サブ動線」を区別して考えましょう。

ポイントは、従業員が行き止まる箇所を作らず、スムーズに回遊できる設計にすることです。加えて、災害時の避難経路の確保は法律で定められた最重要事項ですので、優先して計画に盛り込みましょう。

 

ステップ4:一人あたりに必要な面積と通路幅の設定

動線計画に基づき、従業員が快適かつ安全に働けるスペースを確保します。一般的に、オフィスで必要な一人あたりの面積は2~3坪、平方メートルに換算すると約6.6〜9.9㎡が目安とされています。

また、建築基準法や消防法にも関連する通路幅の確保も重要です。最低限の基準として、多くの人が頻繁に通るメイン通路は1.2m以上、座席間の通路は60cm以上を確保するように設計しましょう。これらの数値を守ることで、人がスムーズにすれ違える快適なオフィスが実現します。

 

ステップ5:家具・什器の選定と配置

最後に、コンセプトに合った家具や什器を選定し、配置を決定します。たとえば「コミュニケーション活性化」がコンセプトなら、黄色やオレンジなど明るい色のキャスター付きテーブルや椅子など、動かしやすい家具を選ぶと効果的です。コンセプトにあった機能性やデザイン、カラーリングの家具や什器を選びましょう。

近年では無料で使えるレイアウトシミュレーションツールもあります。こうしたツールを活用して、実際のサイズ感や配置を事前にシミュレーションしてみるのも良いでしょう。

 

働き方の変化に対応する事務所レイアウトのトレンド

これからのオフィスには、単に仕事をする場所というだけでなく、新たな価値が求められています。今の時代に合ったオフィスを作るための3つのトレンドをご紹介します。

 

1. Web会議ブースなど「ハイブリッドワーク」への対応

在宅勤務とオフィス出社を組み合わせる「ハイブリッドワーク」が定着し、オフィス内でのWeb会議は日常的な風景となりました。
しかし、自席でのWeb会議は、周囲の雑音が相手に聞こえたり、会議の声が周りの人の集中を妨げたりする問題が発生します。この課題を解決するため、1人用の個室ブース(フォンブース)や、防音性の高い少人数用会議室の設置を優先する企業が増えています。

 

2. 集中とリラックスを両立する「ウェルビーイング」の視点

ウェルビーイングとは、従業員の身体的、精神的、そして社会的に良好な状態を指す言葉です。従業員の心身の健康を重視する経営は、近年の大きなトレンドのひとつです。
オフィスレイアウトにおいては、観葉植物を多く配置する「バイオフィリックデザイン」や、自然光が差し込む設計の採用により、ストレス軽減効果が期待できます。また、休憩時間に利用できる仮眠スペースやマッサージチェアの設置も、従業員のストレス軽減に有効な手段です。

 

3. 偶発的な出会いを生む「コミュニケーションエリア」の設置

引用元:第38回日経ニューオフィス賞 受賞~“人と人がつながる未来のオフィス”を体現したWAKURINO LIVE OFFICE~

ハイブリッドワークの普及は、オフィスの存在意義を「一人で集中して作業する場所」から「仲間とコラボレーションする場所」へと変化させています。
そのため、業務上の会話だけでなく、何気ない雑談からイノベーションが生まれるような「コミュニケーションエリア」が重視されています。

近年のオフィスでは、本格的なコーヒーマシンを置いたカフェスペース、気軽に打ち合わせができるファミレス席、リラックスできるソファエリアなど、従業員が自然と集まりたくなるような場づくりの重要性が高まっています。

 

事務所レイアウトを改善した事例

ここではWAKURINOが手掛けたオフィス内装工事の事例をご紹介します。

 

事例1:株式会社アドバンス様

引用元:いい波に乗り、風通しのよいオフィスコミュニケーションを

金属・樹脂分野の試作品製造業を営む株式会社アドバンス様。
「風通しの良いコミュニケーション環境」をテーマに、明るく柔らかな雰囲気のオフィスを構築いたしました。

執務室の中央デスクにはブーメラン型を採用し、集中しながらコミュニケーションを促進する環境を実現。周囲は外向きに配置し、開放感のある作業環境を構築しました。

ミーティングエリアでは移動させやすい正方形のデスクを複数組み合わせ、ミーティング規模に応じたフレキシブルな運用を可能に。従業員の働きやすさを追求したレイアウトを採用しています。

 

事例2:株式会社イデックスビジネスサービス

引用元:第38回 日経ニューオフィス賞 受賞 〜”人と人がつながる未来のオフィス”を体現したWAKURINO LOVE OFFICE

WAKURINOを運営するイデックスビジネスサービス。
「人と人がつながる未来のオフィス」をコンセプトに、現代オフィスの流行を豊富に盛り込んだオフィスレイアウトを創り上げました。

ワークスペースには、その日の気分に応じて働く場所を選べるABWを導入。バーカウンター席、集中作業エリア、ソファ席といった多彩な座席から「集中して作業したい」「チームで意見を出し合いたい」「リラックスしながらアイデアを考えたい」などの目的に最適なスペースを選択できます。

第38回 日経ニューオフィス賞「九州・沖縄ニューオフィス奨励賞」を受賞した同オフィスでは、見学ツアーを開催中です。数々の最新トレンドで構成されたオフィス環境をぜひご体験ください。

オフィス見学ツアーはこちら

 

まとめ

事務所レイアウトを変更する際には、レイアウトの基本パターンを理解したうえで、自社に合った形を選ぶことが大切です。計画を成功に導くには、「コンセプト決定」から始まる5つのステップに沿って着実に進め、ハイブリッドワークやウェルビーイングといった最新トレンドを取り入れる視点も忘れてはなりません。

オフィスレイアウトは、考慮すべき点が多く、専門的な知識が求められる複雑なプロジェクトです。もし「自社だけで進めるのは不安だ」「プロの視点を取り入れて、もっと創造的なオフィスを実現したい」と感じたら、オフィス作りのプロを頼るのもおすすめです。
経験豊富な施工業者に相談しながら、会社の理念を形にする理想の事務所レイアウトを実現しましょう。

事務所レイアウトの変更をご検討の際には、ぜひWAKURINO(ワクリノ)までご相談ください。

 

「ワクリノ」

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この記事を書いた人

ワクリノ編集部スタッフ
働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。
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