ワクリノ特集
働きやすいオフィスレイアウトに重要な15の要素
近年、多くの企業が従業員の多様な働き方に対応するため、オフィスレイアウトを再検討しています。
オフィスのレイアウトは、従業員の働きやすさや生産性に影響します。
働きやすい環境を整えることは、業務効率を向上させ、従業員のモチベーションやチームワークを高める重要な要素です。
この記事では、働きやすいオフィスレイアウトを実現するための15の重要な要素について、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つWAKURINO(ワクリノ)が、くわしく解説いたします。
オフィスレイアウトをどのように改善すべきか検討している方は、ぜひお役立てください。
目次
働きやすいオフィスレイアウトのために検討すべき15の要素
昨今のオフィスには、従業員が効率的に業務をするためだけでなく、コミュニケーションの円滑化やリラックスした環境づくりが求められています。
働きやすいオフィスレイアウトを実現するためには、次の15の要素について検討し、改善を行っていくことが重要です。
効率的な導線の確保
導線の効率化により、従業員が必要な場所へスムーズに行ける環境を作ることで、業務の流れが円滑になります。
たとえば、コピー機やプリンターなどの共有設備を各デスクから近い距離に配置することで、作業の中断や待機時間を最小限に抑えることができたり、頻繁に従業員同士のやり取りが行われる部署それぞれが近い位置に配置されていると、コミュニケーションの効率が向上するなどです。
また、通路が混雑しないようにデザインすることも重要です。
「建築基準法施行令第119条」で定められている通路の幅を遵守するのはもちろんのこと、狭い通路や家具の配置によって、従業員がすれ違うたびに足を止めることがないよう、十分なスペースを確保しましょう。
十分な通路幅の確保
特に混雑が発生しやすいオフィスでは、十分な通路幅を確保することが必須です。
一般的には、メイン通路には1.5メートル以上の幅を持たせることが良いとされています。
狭すぎる通路は、動きづらさだけでなく、物理的な事故やケガの原因にもなりかねません。
オフィス内で頻繁に行き来が発生する場所や、荷物を運ぶ必要がある通路では、さらに広めのスペースを取ることが望ましいと言えるでしょう。
法律にも定められている通り、非常時の避難経路としても、通路の幅が十分であることは重要です。
適切な広さのデスクとパーソナルスペースの確保
従業員一人ひとりが快適に働けるようにするためには、デスクの広さとパーソナルスペースの確保が重要です。
デスクが狭すぎると、資料やパソコンを広げるスペースが不足し、作業効率が低下します。
一般的には、デスクの幅は120cm~150cm、奥行きは60cm~80cmが適切とされています。
パーソナルスペースも同様に重要です。
隣の席との距離が近すぎると、他の従業員の動きや音が気になり、集中力が削がれることがあります。
1人当たりのパーソナルスペースとしては、デスク周りに最低でも80cm~100cmの空間を確保しましょう。
また、デスクの配置を考える上では、プライバシーの確保や、従業員同士の視線が交わらないように工夫することも考慮すべきポイントです。
圧迫感のない開放的な空間づくり
高いパーティションや壁で仕切られた狭いスペースは、従業員にストレスを与える可能性があります。
視覚的に広がりを感じるデザインを取り入れることで、リラックスした環境が生まれ、作業効率も向上します。
このように、働きやすいオフィスを作るには、圧迫感のない開放的な空間づくりも重要なのです。
たとえば、オープンスペースやガラス素材のパーティションを活用し、光が入りやすく開放感のあるレイアウトにすることで圧迫感を軽減したり、空間全体に統一感を持たせることでオフィスの雰囲気が明るく開放的になったり、従業員の気分もリフレッシュしやすくなるでしょう。
天井を高く見せることや、色彩を明るめのトーンに統一することも、開放的な空間づくりには有効です。
電源や配線の確保
現代のオフィスでは、電源や配線の確保が必須です。
オフィスではパソコンやモニター、プリンター、電話など多くの電子機器が使われるため、適切な配線管理をしなければなりません。
配線が乱雑だと、業務の効率が下がるだけでなく、通りかかった従業員の足にひっかかったり、安全面にも問題が生じます。
電源タップやコンセントを必要な場所に設置し、各デスクやミーティングスペースから無駄な移動なく簡単に使えるようにしましょう。
また、配線が邪魔にならないように、OAフロアやケーブルボックスなどを活用して整理することも大切です。
適切な明るさの確保
明るすぎる照明は目に負担をかけ、逆に暗すぎると作業効率が低下するため、適切な明るさを確保することが重要です。
一般的には、オフィスの照明は500ルクス~750ルクスが適切とされていますが、デスク作業が多い場所では明るめの照明を、リラックススペースやミーティングエリアでは、少し落ち着いた照明を採用するなど、作業内容に応じて明るさを調整できることが理想です。
また、窓際のデスクにカーテンやブラインドを設置して光の調整を行ったり、自然光を最大限に活用することも、快適なオフィス環境づくりには有効と言えます。
適切なデスクレイアウト
オフィスのデスクレイアウトは、業務内容やコミュニケーションの頻度などによって、次のような代表的なデスクレイアウトの中から適した形に自由に変えられるのが理想です。
対面式レイアウト
対面式レイアウトは、従業員同士が向かい合って作業する形で、コミュニケーションが取りやすいのが特徴です。
チーム内で頻繁に打ち合わせを行う場合や、アイデアの共有が重要なプロジェクトに向いています。視線が交わるため、協力作業を行いやすい環境が作りやすいでしょう。
このレイアウトは、ディスカッションを頻繁に行う職場やクリエイティブな作業を必要とする業種に適しています。
ただし、プライバシーが確保しづらい点がデメリットとなるため、デスクパネルなどを設置することで対策を行うなども考えましょう。
背面式レイアウト
背面式レイアウトは、従業員が背中合わせで作業する形です。
個々の作業に集中したい場合や、外部との電話応対が多い職場ではこのレイアウトが効果的です。
背中合わせの配置により、視線を気にすることなく作業に没頭できます。
このレイアウトは、プライバシーを保ちつつも、適度な距離感でコミュニケーションを取りやすいバランスの良さが最大のメリットです。
従業員が自分の作業に集中しやすい環境にすることで、業務の効率化も期待できるでしょう。
ブース式レイアウト
ブース式レイアウトは、個々のデスクがパーティションで区切られ、プライバシーが確保される形です。
個人作業や集中力が求められる業務に適しており、外部の音や視覚的な刺激をシャットアウトすることで、作業に集中しやすくなります。
ブースの高さや素材を工夫することで、完全に外部の視線を遮断するだけでなく、適度に開放感を持たせることも可能です。
このレイアウトでは、デスクごとの作業スペースをしっかりと確保することが重要であるため、従業員一人ひとりが集中しやすい環境を意識して整備しましょう。
クロス式レイアウト
クロス式レイアウトは、デスクを縦横に交差させるように配置する方法です。
このレイアウトのメリットは、社内の交流を促進できる点です。
クロス式レイアウトの場合、オフィス内の導線が自然とジグザグに複雑化し、従業員同士が移動中に接触する機会が増えます。
結果として、部署やチームを超えたコミュニケーションが活発になり、情報共有や意見交換が日常的に行われやすくなります。
しかし、導線が複雑なため、人の行き来が増え、集中力が必要な業務ではやや不向きになる場合もあります。
このデメリットを補うためには、クロス型レイアウトをブース式や背面式と組み合わせるなど、集中できるスペースとコミュニケーションの場をバランスよく配置することが効果的です。
工夫次第で、快適さとチームワークを両立させたオフィス環境が実現できます。
ブーメラン式レイアウト
ブーメラン式レイアウトは、120度に傾いたブーメラン型のデスクを配置するレイアウトです。
各デスクが広めの作業スペースとなるため、複数のモニターや資料を広げる作業に適しており、クリエイティブな業務に最適です。
デスク同士の配置によって、従業員同士の視線が交わりにくく、個人の集中を保ちながらも必要なコミュニケーションを促すことができます。
このレイアウトは、オフィス全体に洗練された印象を与えやすく、外部からの訪問者や新しい従業員にも好印象を与えるデザインです。
しかし、スペース効率が低く、中央に使われないデッドスペースが生じやすいため、広いオフィス空間が必要です。
フリーアドレス制や、チームの作業エリアとして活用するのに向いています。
クラスター式レイアウト
クラスター型レイアウトは、チーム単位でデスクをまとめて配置する方法で、チーム内でのコミュニケーションや情報共有を促すものです。
メンバー同士が自然に会話しやすい環境を作り出し、プロジェクト単位での作業に適しています。
このレイアウトには2種類の配置方法があります。
1つは、デスクを向かい合わせて配置し、視線を少しずつずらすことで適度なプライバシーを確保する方法。
もう1つは、パーテーションを使い、デスクを同じ方向に並べつつ隣同士が逆向きに配置される様式です。
このように配置すれば、プライバシーとコミュニケーションをバランスよく確保できます。
クラスター型は、スペースを有効活用しつつ、チームの作業効率を上げるレイアウトで、特にプロジェクトベースで仕事をするようなオフィスに最適です。
適切なプライバシー・セキュリティの確保
従業員が安心して働くためには、プライバシーとセキュリティの確保が不可欠です。
オープンなオフィスでも、個人情報や機密情報を守る対策は必要です。
たとえば、プライバシーを保つためにデスク間の距離を確保し、パーティションで作業空間を区切るなど。ガラスの会議室には、視線を遮るフィルムやカーテンを使い、集中しやすい環境を作りましょう。
デスク周りの情報漏洩防止には、セキュリティフィルターやスクリーンの角度調整が役立ちます。
機器の盗難防止のためには、セキュリティロックや監視カメラの設置を検討しましょう。
さらに、機密情報を取り扱うような会議を行う場合、防音壁や施錠された会議室が必要です。
また、デジタル会議システムを使うのであれば、不正アクセスを防ぐセキュリティ対策を施すべきです。
個別ブースや集中作業エリアを設置することで、従業員がプライバシーを保ちながら集中できる環境を整えましょう。
トイレやロッカールームなど、個人利用スペースへの配慮も重要です。
このように、プライバシーとセキュリティ対策を徹底することで、従業員の安心感と業務効率が向上します。
適切な会議室の数
会議室が不足すると会議の遅延やスケジュールの混乱を招き、過剰に設置するとスペースの無駄になります。
まずは社内の会議頻度を把握し、それに基づいて会議室の数を計画しましょう。
頻繁に少人数のミーティングが行われる企業では、小さな会議室を複数設けるのが効率的です。
一方、少人数でのミーティングが少ない場合は、大きな会議室を中心に配置するとスペースを有効に活用できます。
また、現代のオフィスでは、Web会議専用の小型ブースを設置することも大切です。
小型ブースがあればオンラインでのコミュニケーションが円滑になり、少人数での打ち合わせが快適に行えます。
オンライン会議やリモートワークが浸透した今では、こういったオンライン会議も見越した適切な会議室の数の確保は、働きやすさに直結する必要不可欠な検討要素と言えます。
オープンなミーティングスペースの設置
オープンスペースは、閉鎖的な会議室とは違い、自由な雰囲気で短時間の打ち合わせやアイデア出しに適した場所です。
カジュアルなソファやテーブルを配置することで、従業員が気軽に集まりやすくなり、部門を超えたコラボレーションやコミュニケーションの活性化にも役立ちます。
集中作業・Web会議ブースの設置
オープンスペースが多いオフィスでは、集中作業やWeb会議専用の1人用ブースが必要不可欠です。
オープンスペースがないと、集中できなかったり、オンライン会議中に周囲の話し声が響いたり、聞かれたくないようなことも聞かれてしまうなど何かと不便です。
小型ブースがいくつかあることで、そういった不便さが解消され、普段はオープンスペースで働き、作業に集中したいときや、オンライン会議などを行う際には1人用ブースに移動するなど、柔軟な働き方ができるようになります。
特にリモートワークが普及する現代のオフィスには、欠かせない検討要素と言えるでしょう。
視覚的にわかりやすいゾーニング
業務内容に応じて、色や素材でスペースを区分けすることで、従業員が迷わず目的のエリアに移動できます。
たとえば、作業スペースには落ち着いた色を、リフレッシュエリアには明るい色を使うと、各エリアの役割が視覚的にも明確になります。
ゾーニングの効果を最大限に発揮するためにも、床のデザインや家具の配置を工夫して、自然な動線を作ることも重要です。
適切なサイン設置
オフィス内に適切なサインを設置することで、従業員や訪問者が迷うことなく目的地にたどり着けます。
サインは視認性を重視し、シンプルで分かりやすいデザインにするのがポイント。
カラーやフォントに統一感を持たせると、オフィス全体のデザイン性を高めると同時に、訪問者にも、使いやすく利便性の高いオフィスであるといった印象を持ってもらうことができます。
設置場所や高さにも配慮し、見やすい位置に配置することを心がけましょう。
非常時のための避難サインも法令に従い設置することも不可欠です。
安全性の確保
オフィスレイアウトにおいて、従業員の安全を確保することは最も優先されるべきポイントの1つです。
緊急時に速やかに避難できるように、避難経路や出口の確保は必要不可欠と言えます。
避難経路の確保
避難経路は、常に障害物のない状態にしておくことが重要です。
家具や荷物が通路を塞ぐことがないように、避難経路を広く確保し、明確にしておくことが法的にも義務付けられています。
特に、オフィスの移転やレイアウト変更時には、避難経路がスムーズに使えるかを必ず確認しましょう。
また、避難口への標識や照明も整備し、非常時には誰もが簡単に出口を見つけられるようにしておくことが必要です。
床の配線整理
オフィス内での事故の原因の一つに、床の配線があります。
配線がむき出しになっていると、従業員がつまずいて転倒するリスクが高まります。
これを防ぐために、OAフロアを導入するなど、配線を床下に収納して整理整頓するのがおすすめです。
OAフロアを活用することで、配線が見えなくなるだけでなく、移動時にケーブルに引っかかるリスクを軽減し、安全な通路を確保できます。
オフィスグリーンの設置
オフィスに植物を取り入れることで、自然なリラックス効果が得られ、従業員にとって快適な環境を整えることができます。
オフィスグリーンは、視覚的な癒しとなるだけでなく、空気の質を改善し、従業員のストレスを軽減する効果も期待できるので、ぜひオフィスレイアウトの1つの要素として検討してみましょう。
従業員への細かい配慮の積み重ねが働きやすさにつながる
オフィスレイアウトを設計する際には、従業員の働きやすさと快適さを考慮することが最も重要と言えます。
レイアウトがどれだけ機能的でも、従業員がストレスや不便を感じていては生産性は上がりません。
プライバシーを守るためにパーティションや仕切りを適切に配置し、特に集中が必要なエリアでは視線や騒音を遮る工夫が必要です。
デスク周りのスペースを十分に確保したり、適切な照明や温度管理、自然光の活用、エアコンや換気設備の適切な配置など、従業員が一日中快適に過ごせるようにすることが大切です。
こうした一つ一つの細かい配慮の積み重ねが従業員の満足度やモチベーションを高め、長期的な業務効率の向上にもつながります。
短期的な効率性だけでなく、長期的に働きやすさと快適さを持続できる環境を考慮し、レイアウトを考えていきましょう。
自社にとっての最適なオフィスレイアウトに困ったら、WAKURINOまでご相談ください。
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。