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オフィスレイアウト変更の進め方とは?失敗しない手順・業者選びのポイントを解説
オフィスのレイアウト変更は、単にデスクや椅子の配置を見直すだけの作業ではありません。
働き方が多様化している現代において、オフィス環境は企業の生産性を左右し、従業員のモチベーションやエンゲージメントに直結する非常に重要な経営課題となっています。
しかし、オフィスレイアウト変更の経験があまり多くない担当者様にとっては、何から手をつければ良いのかわからず、不安なことも多いでしょう。
本記事では、レイアウト変更を成功に導くための具体的な手順から、自社に最適な配置の選び方、そして信頼できる内装業者の見極め方まで、詳しく解説していきます。
目次
オフィスレイアウトを変更する4つの目的とメリット
オフィスのレイアウト変更は、その目的を明確に定義することから始まります。
目的が曖昧なままプロジェクトを進行させてしまうと、使い勝手の悪さが表面化し、従業員の不満を招くリスクが高まるため、まずは4つの目的を意識した検討を行いましょう。
一つ目は、社内のコミュニケーションの活性化です。
従来の固定的な席配置は、コミュニケーションが同じ部署内での会話に限定されがちです。
多様なコミュニケーションから柔軟な発想を生むためには、オープンなミーティングスペースの設置や、対話が生まれるような動線設計が求められます。
二つ目は、業務の生産性の向上です。
近年のオフィス設計では、単に作業スペースを確保するだけでなく、業務の内容に合わせて最適な場所を選べる環境づくりが重視されています。
例えば、一人で深く思考したい時のための集中ブースや、チームで活発に議論するためのワークスペースなど、メリハリのある配置を実現することで、従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。
三つ目は、スペースコストの最適化です。
リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークが浸透した結果、オフィス内のデッドスペースが目立つようになった企業も少なくありません。
現在の出社率に合わせたデスク数の調整や、余ったスペースのリフレッシュルームや多目的スペースへの転換といった対応で、限られたオフィス面積を最大限に有効活用できるようになります。
四つ目は、企業の採用力や従業員満足度の向上です。
従業員の働きやすさを第一に考えた機能性や洗練されたデザインを感じられるオフィスは、求職者にとって魅力的な要素となります。
また、毎日を過ごす環境が整うことで、現職の従業員にとっても自社への誇りや愛着が深まり、離職率の低下やエンゲージメントの向上が期待できます。
レイアウト変更のステップとスケジュール
オフィスのレイアウト変更には、工事完了を目安にして、およそ半年から8ヶ月程度の準備期間が必要です。余裕を持ったスケジュールを組み、段階を踏んで進めていくことで、プロジェクトを円滑に進められるでしょう。
現状の課題抽出とコンセプト設定
プロジェクトの開始時期である6ヶ月から8ヶ月前には、現在のオフィスが抱えている課題を徹底的に洗い出すことから始めます。
従業員へのアンケートやヒアリングを実施し、収納の不足や会議室の予約の取りづらさ、照明の明るさといった不満点を含めた現状を把握します。
これらの情報をベースに、新オフィスで実現したい働き方という明確なコンセプトを策定しましょう。
この土台がしっかりしているほど、後のプランニングがスムーズになります。
業者選定・プランニング
4ヶ月から5ヶ月前には、共にオフィスをつくり上げるパートナーとなる内装業者の選定に入ります。
複数の業者から提案を受ける場合には、提示したコンセプトに対して提示される解決策の内容や質を見極めます。
決定した業者とは具体的なゾーニングや動線計画を詰め、詳細な図面へと落とし込んでいきます。
この段階で、電気容量の確認や通信インフラの整備計画も同時並行で進めておくことが、後のトラブルを防ぐことにつながります。
内装工事・インフラ整備
着工の1ヶ月から3ヶ月前になると、いよいよ工事の具体的な手配が進みます。
パーティションの設置や床の張り替え、電気配線の整理など、目に見える形での作業が始まるのはこの頃です。
オフィス家具の納期は意外と長く、発注から納品まで1ヶ月以上を要するケースが多いため、この時期までに全ての什器を確定させて発注を済ませておく必要があります。
工事期間中の代替ワークスペースの確保や、近隣テナントへの挨拶回りなども忘れずに行っておきましょう。
社内運用ルールの決定と周知
レイアウトが新しくなっても、使い方が従業員に浸透しなければ期待した効果は得られません。
移転や変更の1ヶ月前には、フリーアドレスの運用方法や会議室の予約ルール、共有スペースの清掃方法などをマニュアル化して従業員へ周知しましょう。
変更が完了した後も、使った上で不便な点がないか確認し、必要に応じたルールの見直しや微調整を行うことで、より使いやすいオフィスの実現に近づいていきます。
働きやすいオフィスレイアウトに興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。
働きやすいオフィスレイアウトとは?成功のための設計ステップと改善のヒント
代表的なデスクレイアウト5選
オフィスの雰囲気を決定づける要素の中でも、デスクの配置方法は最も重要なポイントです。
それぞれのレイアウトには異なる特徴があるため、自社の業務形態や組織文化に照らし合わせて最適なものを選択しましょう。
対向式(島型)
日本で最も普及しているレイアウトが対向式です。
同じ部署のメンバーが向かい合って座る形式で、チーム内のコミュニケーションが取りやすいという特徴があります。
配線が一箇所に集約できるためコストを抑えやすく、省スペースで多くの席を確保できる点がメリットですが、一方で常に誰かと視線が合うため、個人の業務に深く集中したい部門には不向きです。
同向式(スクール型)
全員が同じ方向を向いて座るレイアウトが同向式です。
前の人の背中を見るように席が並ぶため、周囲の視線を気にせずに自分の作業に没頭しやすくなります。
銀行の事務部門やコールセンターなど、定型業務を正確に進めることが求められる職場に適していますが、横の連携が取りづらくなるため、活発な議論が必要な部署にはあまり向きません。
背面式
デスクを壁側やパーティションに向け、背中合わせに配置するレイアウトが背面式です。
作業中は自分の空間に集中しやすく、椅子を回して振り返るだけで共有スペースで即座に打ち合わせができるという、集中と対話を両立させた設計です。
開発職やクリエイティブな業務を行うチームなど、プライバシーを確保しながらも適度な距離感でコミュニケーションを取りたい部門に有効な配置といえます。
フリーアドレス
特定の固定席を設けずに自由に席を選べるレイアウトがフリーアドレスです。
毎日異なるメンバーと隣り合うことで部署の垣根を超えた交流を誘発しやすくなります。
また、外回りが多い営業職などの席数を間引くことで、オフィス全体の面積を節約し、浮いたスペースをラウンジやリフレッシュエリアに充てることが可能になります。
ABW(Activity Based Working)
ABWはフリーアドレスを一歩進めたレイアウトで、集中するためのブース、立ち仕事用のデスク、ソファ席など、その時の業務内容に合わせて最適な環境を選択できる多様な場所を用意します。
最新トレンドのレイアウトであり、従業員の自律性を高め、最もパフォーマンスが出せる場所を自ら選ばせることで、ワークライフバランスの向上や生産性の最大化を狙います。
具体的なオフィスレイアウトの種類と内容について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
オフィスのレイアウト変更、何から始める?担当者が知るべき全手順と成功のポイント
オフィスレイアウト変更の費用相場とコストを抑えるコツ
オフィスレイアウトの変更において、予算の確保と管理は担当者様が最も頭を悩ませる要素です。
コストの全体像を把握しておくことは、社内の承認を得るためにも不可欠なステップといえます。
坪単価あたりの相場
オフィスのレイアウト変更にかかる費用は、工事の規模や選ぶ家具のグレードによって大きく変動します。
既存の家具を流用し、床や壁の表装を整える程度の簡易的なリニューアルであれば、一坪あたり十万円前後から実施できる場合があります。
一方で、パーティションを新設し、電気や通信のインフラを全面的に再構築するような本格的な変更となると、一坪あたり二十万円から三十万円程度を見込むのが一般的です。
さらに、デザインにこだわり抜いた造作家具を取り入れたり、最新のABW環境を構築したりする場合には、一坪あたり四十万円以上の予算が必要になるでしょう。
レイアウト変更の詳細な費用感について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
コストを左右する要素
レイアウトの変更費用に影響を与える要因は複数あります。
代表的なもののひとつは、間仕切りの数と種類です。
部屋を細かく区切るほど、壁の材料費だけでなく、消防法に適合させるための火災報知器やスプリンクラーの増設工事が必要になり、コストが積み上がっていきます。
また、電気工事やLAN配線の整理も無視できない要素です。
デスク配置の大幅な変更時には床下の配線をやり直す必要があるため、工期と費用に影響します。
さらに、選定する什器のブランドによっても見積額は数倍の差が出るため、優先順位を明確にすることが求められます。
コストを抑えるポイント
予算を有効に活用するためには、単にコストを削減するのではなく、「どこにお金をかけ、どこを抑えるか」というメリハリのある設計が重要です。
例えば、従業員が毎日長時間使う執務エリアには、快適性や機能性の高い家具を選ぶ一方で、使用頻度の低いスペースは仕様を抑えることで、全体のバランスを取りながらコストを調整できます。
必要な場所にはしっかり投資し、それ以外は過剰にならないようにすることで、無駄のないオフィスづくりが実現します。
また、家具や什器は一つのメーカーで揃えるだけでなく、複数のメーカーを組み合わせることで、デザイン性・機能性・価格のバランスを見ながら最適な構成を検討できます。
こうした柔軟な選定によって、見た目や使いやすさを損なわずに、予算を効果的に活用することが可能です。
さらに、工事や移転には依頼が集中しやすい時期があるため、繁忙期を避けて計画することもコストを抑えるポイントの一つです。
スケジュールに余裕を持って進めることで、選択肢が広がり、結果として費用面でも調整しやすくなります。
このように、オフィスづくりでは「どこに費用をかけるべきか」を見極めながら、全体を最適化していくことが重要です。
オフィス内装業者を選ぶ5つのチェックポイント
レイアウト変更を成功させるためには、信頼できるパートナーである内装業者選びが欠かせません。
数ある業者の中から、自社にとって最適な一社を見極めるためのポイントをお伝えします。
ワンストップ対応か
オフィスづくりには、デザインの検討だけでなく、内装工事、電気や通信のインフラ整備、家具の調達など、複数の工程が含まれます。
これらを別々の業者に発注すると、調整が複雑になり責任の所在も不明確になりがちです。
デザインから施工、アフターフォローまでを一貫して引き受けてくれるワンストップ対応の業者であれば、窓口が一本化されるため、担当者様の負担を最小限に抑えながら一貫性のあるオフィスづくりが可能になります。
提案の根拠があるか
「今の流行です」「見た目がきれいだから」といった表面的な理由を根拠に提案をする業者には注意が必要です。
優れた業者は、事前のヒアリングを通じて貴社の経営課題や従業員の働き方を深く理解し、配置やデザインに対する明確なロジックを持って提案を行ってくれます。
デザインの美しさだけでなく、実用性と経営戦略に基づいた根拠があるかどうかを確認しましょう。
施工実績の傾向
業者ごとに得意とするスタイルや規模感があります。
業者のWebサイトなどで過去の実績を確認し、自社の業種やオフィス面積に近い事例があるかどうかをチェックしましょう。
特に、自社と同じような課題を抱えている企業に対して、その業者が行った施工内容を知ることは、完成後のイメージを具体化させるのに役立ちます。
レスポンスの速さとコミュニケーション
問い合わせに対する返信の速さや、こちらの意図を正確に汲み取ろうとする姿勢があるかどうかは、信頼関係を築く上での最低条件です。
担当者との相性も含め、スムーズなコミュニケーションが取れる相手を選ぶことが、プロジェクトを成功させるための秘訣です。
特に、業者にとって都合が悪い質問や要望へのレスポンスが悪い場合、契約を進める前にもう一度検討した方がよいでしょう。
アフターフォロー
オフィスは完成して引き渡しを受けたら終わりではありません。
実際に使い始めてみると、コンセントの位置の調整や家具の追加など、手を入れたくなることが必ずといっていいほど出てきます。
保証内容や定期点検の有無など、工事後のサポート体制についても契約前に明確にしておくことが大切です。
オフィスレイアウトの最新トレンド
これからの時代のオフィスには、単なる作業場としての機能を超えた、付加価値の高い空間づくりが求められています。
ここでは、近年のスタンダードである大きなトレンドについて解説します。
ブランディングを体現する空間づくり
現代のオフィスは、企業が大切にしているMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や文化を社内外に発信する拠点としての役割を強めています。
エントランスに入った瞬間に企業のロゴカラーをあしらったデザインを取り入れることで、来客に対するブランドアピールになるだけでなく、従業員が企業の方向性を再確認し、帰属意識を高める効果も期待できます。
ウェルビーイング/バイオフィリックデザイン
従業員が心身の健康を保ちながら働ける環境を目指す「ウェルビーイング」の考え方は、今やオフィス設計において欠かせない要素となっています。
その一環として注目されているのが、自然の要素を空間に取り入れるバイオフィリックデザインです。
観葉植物や自然光を最大限に活用した明るい空間設計、木材などの自然素材の採用といったデザインは、従業員のストレスを軽減し、創造性を高める効果が期待されています。
オフィスデザインのトレンドについて興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。
【2025年最新】働き方が変わるオフィストレンド8選。行きたくなるオフィスを創る方法とは?
オフィスレイアウト変更の事例
ここでは、WAKURINOが手掛けたオフィスレイアウトの事例をご紹介します。
事例1:株式会社西部技研様

空気環境創出事業を営む株式会社西部技研様。
「四季を感じさせる空間づくり」をコンセプトに、働く人々が心地いいオフィスをデザインされました。
オフィス全体には、コーポレートカラーであるブルーとグリーンをあしらい、自然を感じる公園をイメージ。エントランス、応接エリア、執務室などの各エリアごとにデザインを変え、空や小川、森の木々をイメージできるような遊び心あふれるオフィスを実現しました。
事例2:株式会社アドバンス様

金属加工・樹脂加工業を営む株式会社アドバンス様。
従業員同士のコミュニケーションを重視した、風通しが良く会話を楽しめるレイアウトを実現しました。
執務室にはブーメラン型のデスクを採用。
六角形を描く外周デスクの中心で3名が向き合う変則的な背面型レイアウトで、チームの繋がりを感じながらも自分のペースで働けるデスク空間を作り上げました。
リフレッシュスペースには窓に向かうカフェスタンドや、一人用のミーティングブースなどを設置。気分や用途に合わせて座席を選べる多様性を持たせています。
まとめ
オフィスのレイアウト変更は、企業の文化を刷新し、未来に向けた成長を促す戦略的な投資です。
現状の課題を正しく把握し、明確なコンセプトに基づいたプランニングを行うことで、生産性の向上やコミュニケーションの活性化といった成果を得ることができます。
最大の効果を得られるレイアウト変更を実現できるよう、パートナーには実績豊富な信頼できる業者を選びましょう。
WAKURINO(ワクリノ)では、物件の検討段階から、レイアウトやデザインを見据えた移転計画のご相談が可能です。
理想のオフィスづくりを、ワンストップでサポートします。「何から始めればいいかわからない」という段階から、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。






