ワクリノ特集

オフィスの通路幅は何cmが正解?|レイアウトで後悔しないための考え方と目安をわかりやすく解説

2026.04.08
オフィスレイアウト

オフィスレイアウトを検討する際、デスク配置や会議室の数、収納スペースなどに意識が向きがちですが、実は見落とされやすいのが「通路幅」です。

通路は単なる空きスペースではなく、”人が移動し”、”すれ違い”、時には立ち止まって会話するなど、日常業務を支える重要な空間です。
しかし通路幅の検討を後回しにした結果、完成後に「人がすれ違いにくい」「椅子を引くと通れない」といった不満が生じるケースも少なくありません。

本記事では、オフィスの通路幅を検討する際に押さえておきたい基本的な考え方や目安、実務上の判断ポイントを整理し、レイアウトで後悔しないための通路設計の考え方について解説します。

 

オフィスレイアウトにおいて通路幅が重要な理由

通路は単なる移動スペースではなく、オフィスの使いやすさや働きやすさを支える重要な要素です。

通路幅のゆとりは、業務の手を止めない「ノンストップ動線」の要。10cmの差が、毎日の移動ストレスを劇的に変えます。

 

通路幅が業務効率・ストレスに与える影響

通路幅が十分に確保されていないオフィスでは、人がすれ違うたびに体をよけたり、椅子を引いた人の後ろで立ち止まったりと、小さな不便が生まれます。
こうした状況が頻繁に起こると、人の移動がスムーズに行えず、業務効率の低下を引き起こしかねません。

また、通路が狭い環境では、人が後ろを通るたびに気になるだけでなく、移動する際に遠回りするといった手間も増えます。
こうした小さなストレスは日常業務の中で積み重なり、オフィスの働きやすさに影響を与えることがあります。

通路は人が移動するだけでなく、短い会話や資料の受け渡しなどが行われる場所でもあります。
通路幅はオフィス全体の快適性やコミュニケーションのしやすさにも関係する要素といえるでしょう。

 

通路幅の検討が後回しになりがちな理由

通路幅が後回しにされやすい理由の一つは、「通れれば問題ない」と考えてしまうことです。
図面上では通路の幅が確保されているように見えても、実際の使用状況まで想定されていないケースも少なくありません。

また、レイアウトを検討する際は、デスク数や会議室の配置などに意識が向きやすく、通路は余ったスペースとして扱われがちです。
しかし、通路幅はレイアウトが確定してから変更することが難しい要素でもあります。

家具の配置や部屋の位置が決まった後では、通路だけを広げることは簡単ではありません。
そのため、通路はレイアウトの「余白」ではなく、真っ先に確保すべき「骨格」です。後出しの修正は、デスクの買い直し以上のコストを招きます。

 

オフィス通路幅の基本的な考え方と目安寸法

通路幅には明確な正解があるわけではなく、オフィスの使い方や人の動きによって適切な幅は変わります。
まずは人の動きや利用シーンを基準に考えることが重要です。

 

人の動きから考える通路幅の基本

通路幅を考える際は、人の動きのパターンを基準にするとイメージしやすくなります。
一般的に、オフィスの通路幅の目安は

・1人通行:900mm
・すれ違い:1,200mm
・メイン通路:1,600mm

とされています。

成人男性の肩幅は約450mm前後といわれており、1人が通るためには最低限600mm程度のスペースが必要です。
ただし、実際のオフィスでは人が資料を持って移動したり、体を少し傾けたりすることも多いため、単に通れるだけの幅では使いづらく感じることがあります。
そのため、日常的に利用する通路では900mm程度の幅を確保すると、比較的スムーズな通行が可能です。

また、人がすれ違う可能性がある通路では1,200mm程度、オフィスのメイン動線として多くの人が行き交う場所では1,600mm程度の通路幅があると、余裕のある動線を確保しやすくなります。

 

通路幅の代表的な目安と考え方

オフィスの通路幅にはいくつかの目安があり、通路の用途によって考え方が異なります。
一般的なオフィス設計では、次のような幅が一つの目安とされています。

・最低限の通行を想定した通路:600mm程度
・1人が通る通路:900mm前後
・2人がすれ違う通路:1,200mm程度
・オフィスのメイン通路:1,600mm前後

ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、実際のオフィスではレイアウトや働き方によって必要な幅は変わります。

例えば、人の移動が多い部署では余裕を持たせた通路を確保した方が快適です。

重要なのは、単に数値を当てはめるのではなく、その通路がどのように使われるのかを想定する点にあります。
人の動きが集中する場所では余裕を持たせることで、スムーズな動線を確保しやすくなるでしょう。迷ったら「メイン動線だけはプラス20cm」。この余裕が、オフィスの開放感とランクを一気に引き上げます。

 

数値だけで判断すると起きやすいズレ

図面上の寸法だけで通路幅を決めると、実際の使用状況との間にズレが生じることがあります。

例えば、椅子を引いた状態を想定していないと、デスク周辺の通路が想定より狭くなることがあります。
また、収納扉や引き出しの開閉スペースを考慮していない場合、使用時に通路を塞いでしまうこともあるでしょう。
さらに、通路に一時的に物が置かれてしまうケースもあり、図面上の通路幅より実際の通路が狭くなることもありがちです。

通路幅を検討する際には、図面上の数値だけでなく、家具の可動域や実際の利用状況まで含めて考えることが重要です。

 

場所・レイアウト別に考える通路幅の考え方

オフィスの通路幅は、すべての場所で同じ幅にすればよいわけではありません。
デスク周辺、コピー機まわり、会議室前など、場所によって人の動きや利用頻度は異なります。
そのため、通路の役割に合わせて幅を考えることが、使いやすいオフィスづくりの重要なポイントです。

 

場所別に見る通路幅の考え方

オフィスの通路は場所によって役割が異なるため、それぞれの利用シーンに合わせて幅を考える必要があります。

例えば、執務スペースのデスク間の通路では、椅子を引いた状態でも人が通れるようにする必要があります。そのため、一般的には900mm程度の通路幅が目安とされています。椅子の可動域を含めて考えると、さらに余裕を持たせるケースも少なくありません。

デスクの背面同士の間を通路とするなら、椅子を引いた状態で人が通ることになるため、1,500~1,600mm程度のスペースが必要になる場合もあるでしょう。

また、コピー機や複合機の周辺は人が立ち止まることが多いため、通路としてのスペースに加えて作業スペースへの考慮も必要です。
一般的には1,200mm以上の幅を確保すると、通行と作業の両方が行いやすくなります。

会議室前の通路も人が集中しやすい場所です。
打ち合わせの開始前後には人が集まりやすいため、余裕を持った通路幅を確保しておくことで混雑を防ぎやすくなります。

 

レイアウトの種類による通路幅の違い

オフィスのレイアウトにはいくつかの代表的な形式があり、それぞれ通路の考え方が異なります。

対向式レイアウトでは、デスクが向かい合わせに配置されるため、椅子を引いた状態でも人が通れるスペースを確保する必要があります。
椅子の可動域を考慮しないと、通路が想定より狭く感じられるかもしれません。

背面式レイアウトでは、デスクの背中合わせの部分に通路が生まれます。
この場合も椅子を引いた際のスペースを想定して通路幅を決めることが重要です。

島型レイアウトでは、複数のデスクをまとめた「島」の周囲が通路になります。
島の周囲は人の移動が集中しやすく、オフィスのメイン動線として余裕を持たせるケースもあります。

また、フリーアドレスを採用しているオフィスでは、人が席を移動する機会が増えるため、より通路の役割が重要です。

 

将来の変更を見据えた通路幅の考え方

オフィスは一度作って終わりではなく、組織変更や人員増減によって随時レイアウトの変更が発生します。
そのため、通路幅を検討する際には、将来の変化も見据えておくべきでしょう。

例えば、デスクを追加する可能性がある場合でも最低限の通路が確保できるよう、余裕を持たせたレイアウトにしておくことで柔軟な運用が可能になります。

また、将来的な人員増減や働き方の変化によって、オフィスレイアウトを見直すこともあります。
通路幅を検討する際は、デスク配置やスペース配分など、オフィス全体の面積バランスもあわせて考えることが重要です。

人数別のオフィスの広さについて興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。

 

通路幅で後悔しないための実務的な判断ポイント

通路幅は図面上の寸法だけでは判断しにくい要素です。
実際の利用状況を想定しながら検討することで、完成後の使い勝手を大きく改善できます。
ここでは、通路設計で見落とされやすい実務ポイントを整理します。

 

見落とされがちなポイント

通路幅を検討する際に見落とされやすいのが、家具設置後の実際の通路幅です。
図面上では十分なスペースがあるように見えても、椅子を引いた状態や収納扉を開いた状態を想定していないケースがあります。

人の移動が集中する時間帯への考慮も必要です。
例えば、会議の開始前後や昼休みの時間帯などは人の移動が増えるため、通路が混雑しやすくなります。
さらに、来客や荷物搬入が多いオフィスでは、受付から会議室、倉庫までの動線がスムーズであることが求められます。

 

安全・配慮の観点で意識しておきたいこと

通路設計では、日常の使いやすさだけでなく、安全性へも配慮しなければなりません。
例えば、通路が家具や荷物で塞がれてしまうと、移動がしにくくなるだけでなく、緊急時の避難にも影響する可能性があります。
こうした事態を防ぐためにも、通路の近くに物を置きにくいレイアウトや、十分に余裕がある通路幅を採用する必要があります。

 

判断に迷ったときのチェックリスト

通路幅の判断に迷う場合は、次のようなポイントを整理して検討すると考えやすくなります。

・利用人数
・利用頻度
・スペースの利用目的(執務スペース、会議スペース、リフレッシュスペースなど)
・来客導線
・可動家具の有無
・将来の変更可能性

これらを整理することで、自社のオフィスに適した通路設計の方向性が見えてきます。

 

余裕のある通路幅にすると何が変わる?働きやすさとデザインの整え方

余裕を持たせた通路幅は、スムーズな人の移動だけでなく、オフィスの働きやすさや空間の印象も左右します。
通路は単なる移動スペースではなく、オフィス全体の快適性を支える要素のひとつです。

 

余裕が生む“働きやすさ”(ストレス・渋滞・安全)

通路に余裕があることで、人の移動がスムーズになり、すれ違いや待ち時間によるストレスを減らすことができます。
特に人の移動が多いオフィスでは、通路幅が業務効率に与える影響は小さくありません。

また、通路に余裕があることで人が集まった際の混雑も起こりにくくなります。日常の小さなストレスを減らすことが、働きやすいオフィスづくりにつながります。

 

余裕が生む“空間の印象”(開放感・来客・ブランディング)

整った動線は空間デザインの一部でもあり、オフィス全体の印象を大きく左右する要素です。
通路にゆとりがあると視覚的な開放感が生まれ、オフィス全体が広く整って見える効果が期待できます。
来客が訪れた際の印象にも影響し、企業のイメージ向上につながることもあるでしょう。

 

全体最適が必要になる理由(レイアウト・什器・ICT)

通路幅はレイアウトだけでなく、什器サイズやICT設備の配置とも関係しています。
通路を広くするだけではなく、デスク配置や設備の配置を含めて空間全体を設計することが重要です。

空間全体のバランスを考えることで、効率的で快適なオフィスを実現することができます。

 

判断に迷ったときは専門家に相談

通路幅の判断はオフィスの働き方やレイアウトによって変わるため、専門家の視点を取り入れることでより適切な設計が可能になります。
動線計画やレイアウト設計を含めて相談することで、より実用的なオフィスづくりが進めやすくなります。

 

WAKURINOが手掛けたオフィス事例紹介

ここでは、動線設計や通路幅の工夫によって働きやすさと空間デザインを両立した、WAKURINOのオフィス事例をご紹介します。

 

事例1:日本プライ株式会社 様

引用元:90坪 来訪者の期待感を高めるオフィス

日本プライ株式会社様は、来訪者の期待感を高める来客スペースと、居心地の良い執務空間を両立したオフィスへとリノベーションしました。

企業イメージに合わせたシンプルで洗練されたエントランスは、ガラス間仕切りを用いることで視線が奥へと抜ける開放的な空間を演出しました。
執務スペースにはスタンドテーブルを備えたカフェコーナーを設け、打ち合わせやソロワークなど、柔軟に利用できるワークスペースを整備。
床材の貼り分けによって空間の雰囲気を切り替え、気分転換しながら働ける環境づくりを実現しています。

 

事例2:株式会社イデックスオート・ジャパン 様

引用元:「シンカ」自由に働き、自分らしく働くオフィス

株式会社イデックスオート・ジャパン様は、「シンカ(新変・進化・新華)」というコンセプトのもと、ABWを前提にオフィス全体を柔軟に使える空間へとリノベーションしました。

従業員アンケートで挙がった「狭くて働きづらい」「休憩スペースが少ない」といった課題を踏まえ、カフェソファ席やカウンター席、集中ブース、小上がりのリフレッシュスペースなど多様なワークスペースを配置。
オフィス中央には通路幅の広いメイン動線を設け、偶発的なコミュニケーションが生まれる設計としています。
業務内容や気分に合わせて働く場所を選べる、広がりのあるABWオフィスを実現しました。

 

まとめ

通路幅に「万能な正解」はありませんが、人の肩幅(約45cm)を基準とした「900・1,200・1,600」という3つの黄金比を押さえるだけで、レイアウトの失敗は9割防げます。

余裕を持たせた動線は、通りやすさやストレスの軽減だけでなく、オフィスの印象や働きやすさの向上にもつながります。
通路は単なる移動スペースではなく、オフィス全体の使いやすさを支える重要な要素です。
従業員が長く快適に働き続けられるよう、オフィスレイアウトの設計時には通路幅も意識しましょう。

ワクリノでは、移転やリノベーションの初期段階から、働き方の整理、動線計画、レイアウト設計、ICT環境までを一体で検討し、企業ごとに最適な通路幅と空間づくりをご提案しています。
快適なオフィスづくりを検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

「ワクリノ」

お電話:050-5785-7200(受付時間9:00〜17:00)※土/日/祝以外
メール:こちらより24時間ご相談を受け付けております。

この記事を書いた人

ワクリノ編集部スタッフ
働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。
完全予約制!オフィス見学ツアー

お気軽にお問合せ下さい!対応地区:関東地区・関西地区・九州地区