ワクリノ特集
オフィスの床(フロア)のデザインで意識すべきポイント!事例も紹介
オフィスの床は、壁や天井と同様に視界に入りやすい箇所です。
そのため、床のデザイン一つでオフィスの印象は大きく変わります。
この記事では、オフィスの床のデザインを考える際に押さえておくべきポイントを他社事例とともに、年間500件以上のオフィスのお悩み解決実績を持つ「WAKURINO(ワクリノ)」が分かりやすく解説していきます。
目次
視界に必ず入る!重要なオフィスの床のデザイン
オフィスの床は、壁や天井と同様に視界に入る面積が大きく、オフィス全体の印象に大きな影響を与える箇所です。
明るい色の床材を使用すれば、若々しく快活な印象になりますし、暗い色の床材を使用した場合は、落ち着いた重厚感のある印象になります。
床のデザインを少し変えるだけで、オフィスの雰囲気はがらりと変わってしまうのです。
床のデザインの変更は、壁や天井に比べると比較的低コストで行えますので、
「オフィスの雰囲気を変えたいけどリニューアルするほど予算がない」という企業にとっては、おすすめの変更ポイントと言えるでしょう。
オフィスの床のデザイン事例
実際に、オフィスに特徴的な床のデザインを取り入れている企業の事例を見てみましょう。
事例1:通路だとはっきりわかる床のデザイン
株式会社イデックスオート・ジャパン様の新オフィスデザインは、オフィス中央の通路幅を広げ、メイン動線を明確にした床のデザインが特徴的です。
通路部分は他のスペースとは異なるデザインや色を用いることで、明確に区別。
オフィス中央には通路幅の広いメイン動線を設けることで、社員同士の偶発的なコミュニケーションや、部署間の交流が自然に増える効果が見られました。
また、オフィス内の各エリアは独自のデザインとカラーを持ち、リラックススペースや集中ブース、会議スペースなど、用途に応じたゾーニングがされているのも特徴です。
こうした床のデザインの工夫により、働きやすく、出社したくなるオフィス空間を創り出しています。
事例2:コーポレートカラーをうまく取り入れた床のデザイン
引用元:“ SQUARE ” ~心地よい時間、つながりを生む場所~
株式会社西部技研様では、コーポレートカラーであるブルーとグリーンを床のデザインに取り入れているのが特徴的です。
床の色や柄は各エリアで異なり、それぞれ空や小川、森の木々を連想させるデザインが施されています。
引用元:“ SQUARE ” ~心地よい時間、つながりを生む場所~
オフィス内の移動自体が視覚的な楽しみとなり、従業員の気分転換にも繋がります。
事例3:スペースによってデザインや色を変え、ゾーニング
株式会社新出光様のオフィスでは、床の色とデザインをエリアごとに変えることで、明確なゾーニングを行っています。
ワークスペースには濃い色の床を使用し、集中力を高めやすい雰囲気を創出。
一方で、MTGスペースや簡易打ち合わせスペースには少し明るい色を採用し、リラックスした雰囲気を作り出しています。
レストスペースにはさらに明るい色を使い、開放的でリフレッシュできる空間を演出。
個別集中ブースはワークスペースよりも若干明るい色を取り入れることで、集中しやすい環境を保ちながらも視覚的な変化を加えています。
このように床のデザインによって明確なゾーニングを行うことで、視覚的にも分かりやすいオフィスにすることができるのです。
オフィスの床をデザインする際に意識すべきポイント
前述の3つの事例のように、床のデザインをうまく活用することで、自社らしさを出すだけではなく、快適さや、働きやすさの向上にもつながります。
主に次の5つのポイントを意識して床のデザインを検討することが重要です。
- 色
- 質感
- 安全性
- ゾーニング
- メンテナンス性
一つひとつ詳しく解説していきます。
色
床の色はオフィス全体の印象に影響を与えます。
色彩心理学を考慮し、オフィスの目的やスペースに適した色を選ぶことが重要です。
たとえば、明るい色は空間を広く見せたり、気分を明るくする効果があると言われています。
受付やエントランスに明るい色を使うと、訪問者に明るく快活な印象を持ってもらいやすくなります。
一方で、暗い色は落ち着いた雰囲気を作り出し、集中力を高める効果があると言われています。
こういった色は、会議室や個室におすすめです。
また、ブランドのイメージカラーをアクセントとして加えて印象付けるなども効果的です。
オフィスの内装の配色については「オフィス内装の色選びのコツ!配色による効果をうまく活用しよう!」でくわしく説明しています。
質感
オフィスの床に使われる素材には、タイル、ビニル、天然素材などがあります。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、用途やデザインに応じて選ぶことが重要です。
以下の表は、オフィスの床材の質感とそれぞれの特徴、メリット・デメリット、適したエリアについてまとめたものです。
オフィスの床のデザインを考える際の参考にしてみてください。
素材 | 特徴 | メリット | デメリット | 適したエリア |
---|---|---|---|---|
タイル | 耐久性が高く、 | ・オリジナリティ溢れるデザインが可能 ・汚れに強くメンテナンスが容易 ・温度変化に強く摩耗に耐える ・滑りにくく安全性が高い | ・比較的硬く冷たい質感 ・衝撃に弱い場合もある | 通路、エントランス |
ビニル | コストパフォーマンスに優れ、 | ・木目調や石目調など多様なデザイン ・防水性が高く掃除がしやすい ・柔らかく歩行感が良い ・衝撃吸収性が高く傷が付きにくい | ・長期間の使用で | キッチン、休憩室、 |
天然 | 自然な風合いと | ・リラックスした雰囲気を演出 ・環境に優しくエコフレンドリー ・経年変化で味わい深くなる ・断熱性が高く冬でも暖かい | ・メンテナンスに ・湿気に弱い | リラックススペース、 |
安全性
オフィスの床は、多くの従業員が日常的に歩く場所のため、安全性を考慮する必要があります。
そのため、エントランスや通路、階段など、毎日のように高頻度で使われる場所には、従業員が誤って転倒しないように、滑り止め効果のある床材がおすすめです。
クッション性のある床材を選び、転倒時や機器落下時の衝撃を和らげるなども安全性向上のために有効と言えるでしょう。
ゾーニング
オフィス内の各エリアを区別するためには、床のデザインや色を変えるゾーニングが効果的です。
たとえば、作業エリアには落ち着いた色の床材を、休憩エリアには明るい色の床材を使用することで、エリアごとの雰囲気を変えることができます。
こうすることでオフィス移動の動線が明確になり、従業員の動きがスムーズになるのです。
また、ゾーニングを活用して、会議室やラウンジエリアなど、特定の機能を持つエリアを強調することも可能です。
メンテナンス性
オフィスの床は日々従業員に踏まれる場所です。
日常的に汚れやすいため、メンテナンスがしやすい素材を選ぶのがおすすめです。
耐久性があり、汚れに強い素材を使用することで、日々の清掃の手間を減らすことができます。
たとえば、タイル素材やビニル素材は、汚れがつきにくく、掃除がしやすいため、メンテナンスが簡単です。
一方で、天然素材を使用する場合は、定期的なワックスがけやクリーニングが必要になります。
選ぶ床材によってメンテナンス性が異なるので注意しましょう。
オフィスの床をデザインする前に確認すべき項目
オフィスの床を取り変えたい、デザインを変更したいと思った場合は、まず以下4つの項目について確認しましょう。
そうしないと、費用をかけて床のデザインを工夫したのにも関わらず、特に効果が無かったり、業務がストップし損失を被ってしまうなど、思わぬトラブルに発展してしまう可能性があります。
現状の課題の洗い出し
現在のオフィスには、滑りやすい床や、汚れが目立ちやすい床、動線が分かりづらいなど、問題点はないでしょうか。
このように、まず、現在のオフィスの床に関する課題を洗い出しましょう。
課題がはっきりすれば、改善点を見つけやすくなります。
担当者やプロジェクトチームだけではなく、従業員全員からのフィードバックも集め、床に対する不満やニーズを把握することも重要です。
現状のオフィスが抱える課題を洗い出し、「床のデザインによって改善できないか?」という観点で検討していきましょう。
物件オーナーへの確認
オフィスの床のデザインを変更する前には、必ず物件オーナーや管理会社に確認を行い、許可を得ておきましょう。
物件によっては床材の変更がNGな場合もあります。
施工に関する契約内容や制約事項をしっかりと確認した上で、違反がないように工事を進めていく必要があります。
また、大規模な改装を行う場合などは、工事の騒音など影響範囲が広いため、詳細な計画書や施工図の提出、安全対策、周囲への影響についての説明を行い、確実に許可を得ておくことが重要です。
場合によっては、影響が出ると予想される会社への説明なども必要になります。
思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、物件オーナーとしっかりコミュニケーションをとっておくことが重要です。
労働安全衛生法が定める1人あたりの面積
労働安全衛生法では、オフィスで働く一人あたりに必要なスペースが明確に定められています。
具体的には、一人あたり最低10立方メートルの気積(空気の総量)の確保と、一人あたり2.5~3坪(約8.25平方メートル~10平方メートル)が必要です。
オフィスを設計する際には、この基準に従って作業スペースや通路の幅を確保し、従業員が快適に働ける環境を作りましょう。
たとえば、社員が20人いる場合、必要な作業スペースは50坪~60坪(約165平方メートル~198平方メートル)となります。
通路や共有スペースも含めて、全体的に動きやすいレイアウトを心がけましょう。
また、オフィスの広さは限られていますから、レイアウトや働き方に応じて必要な面積を調整することも重要になってきます。
従業員が安心して働ける基準の1つとして、労働安全衛生法に適合しているかを必ず確認するようにしましょう。
床工事の費用や期間の見積もり
床工事を行う際には、費用や期間の見積もりをしっかりと立てることが重要です。
なぜなら、施工面積や選ぶ素材に応じて、総費用が大きく変わるからです。
フローリング材なら1帖あたり2万〜5万円、タイルカーペットなら1帖あたり1万〜2万円程度の費用がかかります。
予算オーバーにならないように、事前の見積もりは正確に行っておきましょう。
費用と同様に施工期間も床材や施工面積によって変わります。
6帖程度のフローリング施工なら2〜3日、タイルカーペットの貼り替えなら1日で完了することが多いのですが、OAフロアの設置は、置敷型で約1週間、支柱型では約2週間程度かかります。
普段の業務に支障が出ないよう、週末や夜間、長期休みの間に行うなど、業務への影響を最小限に抑えるといった配慮も必要です。
床材の選定や施工方法、スケジュールについて工事業者と充分に話し合い、こちらの希望がかなえられるのか、具体的な計画を立てていきましょう。
床のデザインを変えて、オフィスをもっとおしゃれに!
この記事では、オフィスの床のデザインを考える際に知っておきたいポイントや、他社の事例を解説しました。
床のデザインは、オフィス全体の雰囲気や従業員の働きやすさに直結する重要な箇所です。
床のデザインを変えるだけで、従業員の移動がスムーズになったり、モチベーション向上につながったり、プラスに働かせることが十分に可能です。
今回ご紹介したポイントや他社事例などを参考に、自社にとってプラスになるような床のデザインを検討してみてください。
床のデザインに迷った際や最適な床材選びに迷った際には、お気軽に「WAKURINO(ワクリノ)」までご相談ください。
お悩みやご要望に沿ったご提案をさせていただきます。
「ワクリノ」
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この記事を書いた人
- ワクリノ編集部スタッフ
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。