ワクリノ特集
オフィスの内装レイアウトの決め方|工事前に整理すべきエリア設計と注意点
「オフィス移転にともない、内装レイアウトの計画を任された」そんなとき、何から手を付けたらいいかわからず戸惑ってしまうのは、無理もありません。
そこで本記事では、課題整理の進め方から人数別の考え方、エリアごとの設計ポイント、工事面で気をつけたいことまで、順を追ってまとめました。社員からの要望をどう設計に反映させるか、デザイン会社に発注する前に決めておきたい判断基準まで取り上げています。
すべて読み終えたときには、「これなら上司に説明できそう」と自信を持てるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
目次
オフィスの内装レイアウトを決める前に整理すべきこと
レイアウトの完成度は、図面を引く前の準備でほぼ決まります。物件探しやデザインの検討に進む前に、土台となる前提を固めておきましょう。
なお、面積の算出や前提整理は物件選定時に内装のプロへ相談するのが鉄則です。 坪数が足りていても、物件の形状や柱の位置で理想の図面が収まらないという失敗があるため、契約前のレイアウト検証が欠かせません。
現状オフィスの課題を洗い出す
移転プロジェクトを正しい方向で走らせるには、物件探しやデザイン検討より前にやるべきことがあります。それは、「現状の何が問題か」を明確にしておくことです。
課題の洗い出しは、大きく2段階に分けると整理しやすくなります。最初のステップは、目に見えている課題を挙げることです。続いて、社員アンケートやヒアリングで潜在的な課題を掘り起こします。アンケートを部署・役職ごとに集計すると「部署によって抱える課題が異なる」実態が見えてきます。
確認すべき課題は、大きく次の5カテゴリです。
課題カテゴリ | 確認ポイント |
スペース量 | 席数の過不足、会議室の予約競合頻度、収納の不足 |
環境品質 | 騒音・話し声の漏れ、空調の不均一、照明の暗さ |
動線 | 来客と社員の動線が交差する、部署間の行き来が不便 |
コミュニケーション | 部署を超えた相談・雑談が生まれにくい配置 |
設備老朽化 | 床・壁・電源設備の劣化、LAN配線の不足 |
この段階で課題に優先順位を付けておくと、後のレイアウト設計で判断軸として役立ちます。
必要な席数・会議室数・収納量を確認する
レイアウト設計に入る前に「何席・何室・どれくらいの収納量が必要か」という定量的な前提を固めておきましょう。この工程を飛ばすと、あとから面積不足が発覚し、設計をやり直す事態を招きかねません。
席数・会議室数・収納量は、いずれも「今の人数」ではなく「2〜3年後の想定人数」で計算しておくのが前提です。
項目 | 計算・目安の考え方 |
席数 | 在籍人数に出社率・座席設定率・余裕率を考慮して算出 |
会議室数 | 在席人数の20〜30%が同時使用する想定で計算。稼働率70%が上限目安 |
会議室面積 | 4〜6人:8〜15㎡/10〜20人:20〜60㎡ |
収納量 | 社員一人あたり2〜3fm程度を目安に、業種や紙書類の量に応じて調整 |
fm(ファイルメーター)とは、書類の収納量を測るための単位です。書類を棚に横に並べたときの総幅を、メートルで表します。例えば、よく使われるW900サイズのキャビネット1台分で、おおよそ4.5fmです。
移転を機に書類の電子化・廃棄を進めると、必要な収納量が大幅に減ります。減った分は、執務スペースや集中スペースに充てられます。
社員の働き方に合うエリア構成を考える
エリア構成を決めるにあたって、最初にやるべきことは「社員がどんなシーンで仕事をしているか」の洗い出しです。集中して作業する時間や複数人で打ち合わせをする時間、ちょっとした相談や雑談が生まれる時間など、ひとつのオフィスのなかにもさまざまな場面があります。
こうして洗い出したシーンを、空間の役割として整理していく作業を「ゾーニング」と呼びます。働くシーンごとに空間を役割分担し「どのゾーンをどこに配置するか」をオフィス全体の大枠で決めていく、計画段階の作業のことです。
また、社員が業務内容に応じて働く場所を選べる、ABW(Activity Based Working)の考え方を取り入れる方法もあります。ABWを取り入れるなら、固定席やフリーアドレス席、集中ブース、Web会議ブース、打ち合わせスペースをどう組み合わせるかも整理しておきましょう。
移転先オフィスの制約条件を確認する
どれだけ理想のゾーニングを描いても、移転先ビルの物理的・設備的な制約に合わなければ、設計をやり直すことになりかねません。制約条件は、次の4種類に分けて確認するのが現実的です。
確認カテゴリ | 具体的な確認項目 |
建物構造 | 柱の位置・間隔、天井高(2.6〜2.7m程度が一般的で、2.7m以上なら開放感を得やすい)、床荷重(一般的に300〜500kg/㎡) |
電気設備 | ビル全体の電源容量・空き容量、コンセント位置、アース付き有無 |
空調設備 | 個別空調またはセントラル空調の別、吹き出し口の位置、時間外利用のルールと追加費用 |
ビルルール | 間仕切り工事の申請手続き、消防設備への影響範囲、原状回復の範囲 |
電源容量は、ビル全体の空き容量によって増設可否やコストを左右するため、移転前の確認が欠かせません。古いビルでは、変圧器の交換が必要になるケースもあります。
空調も要チェックです。セントラル空調のビルでは、定時外の使用に追加費用が発生します。残業が多い職場なら、個別空調のビルを選ぶほうが運用コストを抑えられるでしょう。
▼ 関連記事
オフィスの内装変更はどう進める?事例や費用・業者の選び方について解説
【担当者に聞いた】オフィス内装レイアウト検討で実際に迷いやすかったポイント
今回、オフィス移転・内装工事のレイアウト検討に携わった担当者102人に、実態調査を行いました。「電源容量の制約」「動線の分け方」「エリアごとの正解のわからなさ」など、担当者が実際に直面したリアルな悩みが浮き彫りになりました。次からその詳細を、調査結果とともに紹介します。
レイアウト案の比較で判断に迷ったポイント
まず、レイアウト案を検討する際に悩んだポイントについて紹介します。「来客動線と社員動線をどう分けるか」「集中環境とコミュニケーション環境のどちらを優先するか」で悩んだ担当者は、いずれも45.1%という高い割合になりました。次いで「部署配置」が28.4%「デザイン性とコストのバランス」が27.5%と続きます。
以上の悩みに共通するのは、唯一の正解があるわけではなく、自社の働き方次第で最適な形が変わるという点です。だからこそ、社員アンケートや業種特性を踏まえながら、複数案を客観的に比較検討できる専門家の存在が力を発揮します。
判断に迷うのはごく自然なことであり、そこにこそデザイン会社と二人三脚で進める価値があります。
移転先オフィスの制約条件の確認で苦労した点
移転先オフィスの制約条件については「電源容量・コンセント位置など電気設備の制約」に苦労したと答えた担当者が45.1%でトップでした。続いて「天井高・柱の位置など建物構造の制約」が36.3%、「内覧時の図面と実際のスペースの差異」が28.4%という結果です。
いずれも、契約前の段階では見落としやすいポイントです。裏を返せば、電気・空調・構造といった項目を一つひとつ丁寧に確認していけば、想定外のつまずきはある程度防げるということでもあります。
エリア別レイアウトで最も判断に迷った場所
「レイアウトの正解がわからず判断に迷ったエリア」を尋ねたところ「会議室・Web会議スペース」が49.0%でもっとも多くなりました。次いで「執務スペース」が42.2%「リフレッシュスペース」が26.5%という結果です。
会議室や執務スペースは、利用人数や働き方によって最適な広さ・配置が大きく変わるため、判断が難しくなりやすいエリアです。逆にいえば、こうした変数の多いエリアこそ、稼働率や面積の目安といった具体的な基準を持つ専門家に相談する価値が高い部分でもあります。
エリアごとの正解を一緒に見つけていくプロセスこそが、満足度の高いオフィスづくりへの近道です。
人数別に見るオフィスの内装レイアウトの考え方
同じ内装の考え方でも、社員数が変われば優先すべき論点も変わります。規模を20〜30人・50人・80人に分け、それぞれで注意したい点を押さえましょう。
20〜30人規模は部署配置と会議室の使い分けを考える
20〜30人規模では、面積に一定の余裕がある場合でも「部署ごとに固まるか・混在させるか」の配置判断がコミュニケーション量を左右します。だからこそ、最初に方針を決めておくと安心です。連携頻度の高い部署を隣接させれば、動線の無駄を減らせます。
この規模では、全社員の顔が見える場合も多く、コミュニケーションエリアを中央付近や動線上に置く手もあります。自然に立ち寄れるハブとして設計する考え方です。
会議室は「社内打ち合わせ用」と「来客用」を分けておくと、来客中に社内会議ができなくなる問題を防げます。また、将来の増員数を見込んだゾーニングにしておけば、移転後の組み替えコストを抑えられるはずです。
▼ 関連記事
【事例紹介】小規模オフィスのデザインで意識すべきポイントとは?
30坪のオフィスレイアウトを最適化するには?具体的なコツや方法を紹介
50人規模は動線・収納・Web会議スペースの不足に注意する
50人規模になると、利用者数が20〜30人規模の頃より大きく増えます。それまで機能していた動線・収納・会議室が、不足しやすくなるタイミングです。
不足しやすい要素 | 注意すべき設計ポイント |
動線 | メイン通路は1,600mm以上を目安にし、収納前は800〜1,200mm程度の作業スペースを確保。人の流れが集中する場所は、交錯しにくい動線にする。 |
収納 | キャビネット集約ゾーンを設け、執務スペースへの侵食を防ぐ。 |
Web会議スペース | 個室型ブースをエリア分散配置し、用途に応じて椅子・照明・遮音・換気・電源・モニターなどの要素を確認する。 |
会議室 | 社内用と来客用を分離。稼働率70%を上限に必要数を算出。 |
1人あたりの床面積は、8〜10㎡程度が目安です。仮に、50人ならおおよそ400〜500㎡程度を見込みます。物件選定時にこの数値を大きく下回るなら、出社率や会議室、収納量を慎重に見積もりましょう。見積もりが甘いと、移転後すぐに手狭になりかねません。
80人規模は集中とコミュニケーションを両立できるゾーニングにする
80人規模になると、部署間の自然な交流が減り、コミュニケーションが部署内に閉じてしまう傾向があります。一方で、オープンオフィスにすると集中作業を妨げます。この相反する課題が同時に生まれるのが、80人規模の難しさです。
機能別にゾーニングを分けて考えると、整理しやすくなります。
ゾーン | 役割 |
静粛ゾーン | 集中作業・個人タスク |
会話可ゾーン | 部署内打ち合わせ・電話 |
共用ゾーン | 部署横断の交流・リフレッシュ |
個室ゾーン | Web会議・機密対話・集中 |
集中スペースは、用途に応じてどの程度周囲と区切るかを調整するのがポイントです。例えば、短時間の作業なら視線をゆるく遮る程度、じっくり集中したい作業なら壁や個室で完全に区切るなど、使い方に応じて開放度を変えると使い勝手が上がります。
また、ガラスパーテーションや天井高の変化などでゾーンの切れ目を視覚的に示せば、圧迫感を抑えながら空間を分けられます。
エリア別に見るオフィスの内装レイアウトの組み方
ゾーニングの大枠が決まったら、次はエリアごとの中身を詰める段階です。執務スペースから受付まで、押さえたい基準はエリアで異なります。
執務スペースは働き方に合わせて席数・部署配置・通路幅を決める
執務スペースの設計は「誰が・どんな働き方をするか」を明確にするところから着手しましょう。出社率やテレワーク率、部署ごとの業務スタイルを踏まえ、固定席かフリーアドレスかを部署単位で選ぶのが現実的です。
デスクサイズや通路幅の目安を以下にまとめました。
設計項目 | 基準値・判断軸 |
デスク標準サイズ | W1,200mm×D700mm。 デスク天板面積は約0.84㎡、椅子の可動域を含めた1人あたり作業スペースは約2㎡が目安 |
メイン通路幅 | 1,600mm以上(2人がゆとりをもって通行できる幅) |
補助通路幅 | 900〜1,200mm程度。 デスク間や収納前、コピー機前など、利用場面に応じて必要幅を調整する |
フリーアドレスと固定席を混在させる場合は、ゾーンを物理的に分けるか、運用ルールを決めておきましょう。この手続きを怠ると、フリーアドレスが固定席のように使われてしまうことにつながります。
固定席を採用する場合、デスクを向かい合わせる「対向式(島型)」は省スペースでチーム内のコミュニケーションが取りやすい反面、プライバシー確保や集中環境の観点から、全員が同じ方向を向く「同向式(並列型)」や「背面式」を部分的にミックスする企業も増えています。
▼ 関連記事
会議室・Web会議スペースは用途別に必要数と配置場所を整理する
会議室の必要数を出す前提は、「在席人数の20〜30%が同時に使う」という想定です。稼働率が70%を超えると、予約の競合が起きやすくなります。
種別 | 人数 | 面積目安 | 配置場所 |
Web会議ブース | 1〜2人 | 2〜4㎡ | 執務エリア内に分散 |
小会議室 | 2〜6人 | 8〜15㎡ | 各部署近く |
中会議室 | 8〜12人 | 20〜30㎡ | 社内利用が中心ならフロア中央、来客利用が多いならエントランス寄りに配置 |
来客用会議室・応接室 | 4〜10人 | 15〜30㎡ | エントランス直近 |
来客用会議室と社内会議室を兼用にすると、大事な外部商談の最中に社内の声や動線が来客に見えてしまうケースがあります。仮に、80名規模で来客頻度が高いなら来客室と社内会議室を分けるのが望ましい形です。
また、Web会議ブースは、遮音・照明・換気・電源を確認します。必要に応じて、モニターやカメラ・マイクも備えます。会議室が埋まっていても単独で使える予約運用にしておきましょう。
▼ 関連記事
【生産性向上】オフィスの会議室の内装デザイン・レイアウトのポイント!
リモート会議が増えて会議室が足りない!おすすめの解消方法は「個室ブース」
集中スペースは静かに作業できる環境を確保する
集中スペースは「何から守るか」を先に定義すると設計要件が決まります。守る対象は、主に「音」と「視線」の2つです。
集中スペースの配置場所は、通行量が少なく視線が入りにくい場所を選び、主要な動線上に設置することは避けましょう。執務エリアの騒音レベルは50〜60dB程度に達することがあり、集中環境では40〜50dB程度が目安です。ブース選定では、実環境の騒音レベルを測定したうえで、遮音性能・吸音性能・換気音を確認します。
また、ブースの電源・LAN・モニター接続の有無が、集中スペースの使い勝手を左右します。設計段階で「PC作業ができるか」「Web会議ができるか」を要件に入れておきましょう。この条件が抜けていると、ブース導入後に配線工事が必要になりかねません。
リフレッシュスペースは執務エリアとの距離と音の影響を考慮する
リフレッシュスペースは「休める環境」と「業務への音の漏れを防ぐ環境」を同時に満たす必要があります。執務エリアと近接させるなら、ランチタイムの会話音や執務エリアの音が互いに響かないよう、距離や間仕切り、家具の配置で調整します。
設計項目 | ポイント |
配置場所 | 壁・廊下・扉で音を遮断できる場所、またはフロアの端 |
プライバシー確保 | ソファブース・高背もたれ椅子・ローパーテーションで視線を遮断 |
多目的利用 | 1on1面談・インフォーマルMTGにも転用できる家具配置にする |
設備 | 給湯設備・冷蔵庫・電子レンジなどを集約すると管理しやすい |
なお、エントランス近くに配置すると、来客対応時に「社員がくつろいでいる姿」が見えてしまうケースがあります。来客動線との関係を見ながら、配置場所を調整しましょう。
エントランス・受付は企業イメージと来客動線を意識して設計する
エントランスは、来訪者が最初に目にする空間です。企業の第一印象を形づくる、ブランディングの場として働きます。コーポレートカラーやロゴ、製品展示などを配置し、企業を視覚的に伝えるのが基本設計の考え方です。
動線設計では、「来訪者動線」と「社員動線」をはっきり分けます。来客が更衣室や給湯室、サーバー室などの内部スペースを通らないルートを確保しましょう。設計項目とそれぞれのポイントを、次の表にまとめました。
設計項目 | ポイント |
ブランディング要素 | ロゴ・コーポレートカラー・製品展示・サービス紹介パネル |
動線分離 | 来客は「エントランス→受付→来客用会議室」で完結。 社員エリアへの誘導は最小限 |
照明 | 清潔感や明るさを出すなら昼白色〜昼光色、温かみや落ち着きを出すなら温白色〜電球色 |
受付カウンター | 入口から視認しやすい正面配置が基本 |
来客用会議室・応接室をエントランスから直結させ、社員エリアへの立ち入りを最小化すれば、セキュリティも同時に守れます。また、受付システムの設置位置や電源、配線、サイン計画をレイアウトと同時に検討しておくと、あとからの変更を減らせます。
▼ 関連記事
オフィスの内装レイアウト案を比較するときの判断基準
複数のレイアウト案が出てきたら、感覚ではなく共通のものさしで比べたいところです。動線・集中とコミュニケーションの両立・コストという3つの軸で見極めましょう。
業務効率に影響する動線になっているか
動線とは、オフィス内で人が移動する経路です。動線の設計が悪いと「無駄な往復が増える」「通路での滞留が起きる」「部署間のコミュニケーションが生まれにくくなる」といった形で、業務効率に響きます。複数のレイアウト案を比べるときは、次の評価軸で確認しましょう。
評価軸 | 具体的な確認ポイント |
移動距離 | 頻繁に行き来する席・設備・部署が近接しているか |
動線の交差 | 来客動線と社員動線が必要以上に交差せず、来客が執務エリアや機密エリアを通らないか |
滞留の発生 | 複合機・給湯・エントランス付近で渋滞が起きない配置か |
通路幅 | メイン1,600mm以上・補助900mm以上が確保できているか |
共用設備アクセス | 全席から複合機・収納・会議室まで概ね均等な距離か |
動線評価は、「図面を見る」だけでは足りません。「人が実際に歩くルートをシミュレーションする」ことで、初めて滞留ポイントが見えてきます。
集中とコミュニケーションのバランスが取れているか
生産性の観点で理想とされるのは、個人業務に集中できる環境と、社員間コミュニケーションが活性化する環境の両立です。この2つが程よくバランスした空間が、最も働きやすいとされています。内装の案を比べるときは、次の3点で評価しましょう。
評価軸 | 確認ポイント |
集中環境 | 静粛席・個室ブースが、業務内容・出社率・利用頻度に応じて必要数確保できているか |
コミュニケーション環境 | オープンな打ち合わせスペースが、自然に立ち寄りやすい場所に配置されているか |
ゾーン分離 | 静粛ゾーンと会話可ゾーンの境界が視覚的・空間的に明確か |
どちらに寄せるかは、社員アンケートの結果と業種・職種の特性で決めます。コミュニケーションは、打ち合わせスペースを用意するだけで自然に生まれるものではありません。人は「用事のついでに」立ち寄った場所でこそ、会話や雑談を交わしやすいという傾向があります。
例えば、コーヒーマシンや給湯室といった、社員が日常的に立ち寄る場所の近くにコミュニケーションエリアを配置することで、自然な会話が生まれやすくなります。これは「ウォーターサーバー効果」とも呼ばれ、オフィス設計の分野でも広く知られている考え方です。
工事費や移転後の運用に無理がないか
レイアウト案の選択は、見栄えだけで決めるものではありません。初期工事費と移転後の運用コストを含めた、総コストで判断します。
比較ポイント | 確認したいこと |
初期工事費 | スケルトン物件:坪20〜40万円。 居抜き物件:既存設備を活用できる場合は坪10〜20万円程度、工事範囲が広い場合は坪15〜25万円程度も目安になる。 間仕切り数・電気工事・空調改修の多さで増減 |
運用コスト | 空調時間外使用料、清掃面積、ICT環境再構築費、入退室管理費 |
可変性 | 将来の増員、組織変更でレイアウト変更が容易か、可動間仕切りで対応できるか |
予算照合 | 各案の工事費概算をデザイン会社に依頼し、予算内に収まるか確認 |
注意したいのは「安いレイアウト案」が長期的に見ると高くつくケースです。 例えば、間仕切りを省いたオープン設計にした結果、音や視線が気になり、あとから個室ブースを追加購入するケースなどが考えられます。
こうした追加コストは、当初の工事費だけを見て判断すると見落としがちです。大切なのは、初期費用の安さだけで選ばず「入居後にどんな不満が出そうか」まで含めて内装業者に相談しておくことです。
動線・集中環境・コミュニケーション環境といった要素は、設計段階で作り込んでおくほうが、あとから手直しするよりも結果的に安く、かつ使い勝手のよいオフィスに仕上がります。
オフィスの内装レイアウトは「判断基準」を先に固めることが大切
オフィス内装レイアウトは、一度形にすると簡単にはやり直せません。だからこそ、発注前の整理が効いてきます。
レイアウト設計の土台となるのは、現状の課題を丁寧に洗い出すことです。そこに、2〜3年後の人数を見据えた席数・会議室数・収納量の算出を重ね合わせ、社員の働き方に合ったゾーニングへと落とし込みましょう。さらに、移転先ビルの構造や設備面の制約を照らし合わせれば、机上の理想ではなく、実際に運用できる根拠のあるレイアウトが見えてきます。
複数案を比べるときは、見栄えだけでなく動線・集中とコミュニケーションのバランス・工事費まで含めて判断しましょう。
「ワクリノ」
お電話:050-5785-7200(受付時間9:00〜17:00)※土/日/祝以外
メール:こちらより24時間ご相談を受け付けております。
この記事を書いた人
- ワクリノ編集部Column_editor
- 働き方の進化をコンセプトに、オフィス改善のコンセプト設計から、効率的な運用設計、レイアウトプランニングなど、オフィスの新しい”働きやすさ”と“生産性の向上”を創造し提案していきます。





